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1 告白したつもりはない
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「きっかけはなんでもさ、話聞いてもらえて勉強教えてもらえることになったんだからいいだろ?」
「よくない! そういうのホントよくない!」
だからだ。だから有馬は微妙な顔をしていたんだ。俺に愛の告白をされると思って驚いてたんだ。
俺の頭の中に有馬との会話が思い出される。
――あの手紙に書いてあったことって、本気? それとも俺をからかった?
やばい。俺はあのとき、からかってない、本気だって有馬に言っちゃってる!
そのせいでガチで有馬のこと好きって勘違いされたかも。
――で、何? 俺とどうなりたいの?
どうなりたいって、あれ、恋人的な関係のことかどうか確認してたんじゃ……!
なりたくないから!
俺はそんな関係になりたくて有馬を呼び出したんじゃないから!
――友達じゃダメなんだ。
いいよ、有馬! 俺はお前と友達止まりでいい。なんなら友達になってくれなくてもいいレベルだよ。俺は勉強を教えてもらいたいだけ。恋愛感情一切ないからな!
「莉紬、おい莉紬、大丈夫か」
立ち止まった俺の肩を、がくんがくんと裕太が揺さぶる。
「大丈夫なわけないだろ、有馬が変な誤解してたらどうすんだよっ」
恥っっず! 俺が好きなの有馬ってことになってんの、マジで困る。今度からどんな顔して有馬に会えばいいんだよ!
「大丈夫だよ。お前、男なんだからさ。有馬もそこまでマジに受け取らないって。だから勉強教えてやるって言ってくれたんだよ。な?」
「うぅーっ……」
そうかなぁ。本当にそうかなぁ……。
「そう重く考えるなよ。莉紬が何もしなきゃ、あっちからは何もしてこないんだから。有馬にはただ勉強教わるだけ!」
「まぁ……俺はなんもしないけど」
「だろ?」
裕太に励まされても俺は微妙な気持ちのままだ。
でも、まぁ、このまま呼び出しの愛の告白の件はなかったことにしてしまえばいい。
俺にその気はないし、有馬だってそうだ。そんな俺たちのあいだになにか起きるはずがない。
裕太とそんな話をしていたときに、俺のスマホが振動する。ポケットから出して確認するとバナー通知には『有馬真』の文字がある。
「有馬からだ!」
俺のスマホを勝手に覗き込んできた裕太がデカい声を出す。
俺は裕太と頷き合ったあと、ゆっくりと有馬からのメッセージを確認する。
「おぅわわわっ!」
その内容のエグさに俺は思わずスマホから目を背ける。
そこには、期末の試験科目全部についての細かな攻略法とそれに対して勉強すべき範囲が画面に収まりきらないほどの長文で書かれている。
「なにこれ、怖っわ!」
怯える俺を尻目に、裕太は「有馬すっげぇ!」と長文メッセージに感激している。
たしかにすごい。これだけの情報を持っていることもすごいし、それを惜しげもなく俺に教えてくれるところもすごい。
「莉紬、よかったな! 有馬はお前に本気だぜ?」
「言い方! 頼むから言い方気をつけて!」
いろいろあったけど、こんな感じで俺は有馬に勉強を教えてもらえることになった。
大丈夫だ。俺は有馬に興味はないし、有馬も俺に興味はない。
俺はただ有馬の力を借りて、無事に高校を卒業したいだけ。
手紙のことなんてさっさと忘れてしまおう。
「よくない! そういうのホントよくない!」
だからだ。だから有馬は微妙な顔をしていたんだ。俺に愛の告白をされると思って驚いてたんだ。
俺の頭の中に有馬との会話が思い出される。
――あの手紙に書いてあったことって、本気? それとも俺をからかった?
やばい。俺はあのとき、からかってない、本気だって有馬に言っちゃってる!
そのせいでガチで有馬のこと好きって勘違いされたかも。
――で、何? 俺とどうなりたいの?
どうなりたいって、あれ、恋人的な関係のことかどうか確認してたんじゃ……!
なりたくないから!
俺はそんな関係になりたくて有馬を呼び出したんじゃないから!
――友達じゃダメなんだ。
いいよ、有馬! 俺はお前と友達止まりでいい。なんなら友達になってくれなくてもいいレベルだよ。俺は勉強を教えてもらいたいだけ。恋愛感情一切ないからな!
「莉紬、おい莉紬、大丈夫か」
立ち止まった俺の肩を、がくんがくんと裕太が揺さぶる。
「大丈夫なわけないだろ、有馬が変な誤解してたらどうすんだよっ」
恥っっず! 俺が好きなの有馬ってことになってんの、マジで困る。今度からどんな顔して有馬に会えばいいんだよ!
「大丈夫だよ。お前、男なんだからさ。有馬もそこまでマジに受け取らないって。だから勉強教えてやるって言ってくれたんだよ。な?」
「うぅーっ……」
そうかなぁ。本当にそうかなぁ……。
「そう重く考えるなよ。莉紬が何もしなきゃ、あっちからは何もしてこないんだから。有馬にはただ勉強教わるだけ!」
「まぁ……俺はなんもしないけど」
「だろ?」
裕太に励まされても俺は微妙な気持ちのままだ。
でも、まぁ、このまま呼び出しの愛の告白の件はなかったことにしてしまえばいい。
俺にその気はないし、有馬だってそうだ。そんな俺たちのあいだになにか起きるはずがない。
裕太とそんな話をしていたときに、俺のスマホが振動する。ポケットから出して確認するとバナー通知には『有馬真』の文字がある。
「有馬からだ!」
俺のスマホを勝手に覗き込んできた裕太がデカい声を出す。
俺は裕太と頷き合ったあと、ゆっくりと有馬からのメッセージを確認する。
「おぅわわわっ!」
その内容のエグさに俺は思わずスマホから目を背ける。
そこには、期末の試験科目全部についての細かな攻略法とそれに対して勉強すべき範囲が画面に収まりきらないほどの長文で書かれている。
「なにこれ、怖っわ!」
怯える俺を尻目に、裕太は「有馬すっげぇ!」と長文メッセージに感激している。
たしかにすごい。これだけの情報を持っていることもすごいし、それを惜しげもなく俺に教えてくれるところもすごい。
「莉紬、よかったな! 有馬はお前に本気だぜ?」
「言い方! 頼むから言い方気をつけて!」
いろいろあったけど、こんな感じで俺は有馬に勉強を教えてもらえることになった。
大丈夫だ。俺は有馬に興味はないし、有馬も俺に興味はない。
俺はただ有馬の力を借りて、無事に高校を卒業したいだけ。
手紙のことなんてさっさと忘れてしまおう。
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