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6 手紙
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「最初は七沢と握手をすることも躊躇した。でも、満員電車でお前に頼られたときにさ、嫌じゃなかったんだ。可愛いな。守ってやりたいなって思った」
右手を俺の顔に添えるようにして、有馬は頬を撫でる。
そうだ。忘れもしない、有馬と結月と帰った夕方の帰り道だ。
有馬は別れ際、俺にそんなことを言ってきた。
「あんなこと初めてだった。俺も自分で自分に驚いた。それから七沢を知って、完全に好きになってからはこれ」
有馬は感触を確かめるように俺の頬をなぞる。
触れられるのが嫌などころじゃない。今や有馬から触ってきてる。
さっきから俺の腰を抱く手は全然離れていかないし。
「俺、お前がスキンシップとか他人が口つけたやつとか苦手って聞いて、有馬の地雷を踏みまくってたんだってめっちゃ落ち込んでたのに」
「間接キスもしたいと思った。かき氷をねだったとき、俺が欲しかったのは、かき氷じゃなくて、七沢が食べたあとのスプーン」
「はぁっ?」
嘘だろっ? そんなものになんの価値もないだろ。
「七沢は俺の特別。七沢にだったら、俺、何されても大丈夫」
有馬の色目に俺は悩殺されそうになる。
ダメだって。できないできない、俺にはこれ以上のことはできないよ!
「じゃあさ、デート……お祭りはなんで俺と行ってくれたの? 有馬、あの手紙のことで怒ってたんじゃ……」
そこんとこ、ずっと気になっていた。
何も知らない俺は、有馬とデートだって浮かれてたけど、あのときの有馬は違ったはずだ。
俺のしたことに傷ついて、俺と会うのも最後にしようって心に決めてたんだろうから。
「最後に、七沢と思い出作りたかったんだ」
有馬は目を細めて俺に微笑みかけてくる。腰に回された手は、俺を不安にさせないように、ぎゅっと俺を抱きしめ愛情を伝えてくる。
「七沢を独り占めしてみたかった。学校じゃ七沢の周りにはお前の友達がいるから、ゆっくり話せないし」
「有馬も、俺と同じこと考えてたのっ?」
知らなかった。俺はいつも学校じゃなかなか有馬と話せないなって思っていたけど、有馬も同じふうに思ってくれてたんだ。
「うん。さみしい。学校でももっと話したい」
「マジか、有馬が俺と……」
やばい。嬉しい。俺ももっと有馬と話したい。そばにいたいと思ってるよ。
「だから、あのデートは俺の最後の我が儘……のつもりだったんだけど」
有馬は、意味深な笑みをみせる。
「つもりだった、って……?」
「最後じゃないかも」
「えっ?」
有馬がなんか、めっちゃ俺に迫ってくる。俺がよろめきながら一歩下がっても、有馬はすぐさま間合いを詰めてくる。
なになにっ? 何がどうした……っ?
「俺、七沢が好き」
有馬が俺を見つめる目は、紛れもなく美しくて、俺は視線を逸らせない。
「七沢のこと、もっと知りたい。ふたりでいろんなところに出かけてみたい」
「うん」
俺は頷く。
俺も、有馬のこともっと知りたい。有馬とたくさんのことを一緒にしてみたい。
「俺たち、付き合わない?」
それは俺がもっとも聞きたかった言葉だ。
低く伸びやかな有馬の声で、そう言われたかった。
「いいよ」
俺の答えはずっと前から決まっている。迷いなんてない。俺は有馬と付き合うって、心に決めていたんだ。
俺の返答を聞いて、有馬がフフッと笑った。
「俺たち、両想いだ」
「そう、いうことになるね」
なんか恥ずかしい。
なんでだろう。なんで、好きな人と同じ気持ちだってわかり合っただけなのに、こんなにこそばゆくなるんだろう。
右手を俺の顔に添えるようにして、有馬は頬を撫でる。
そうだ。忘れもしない、有馬と結月と帰った夕方の帰り道だ。
有馬は別れ際、俺にそんなことを言ってきた。
「あんなこと初めてだった。俺も自分で自分に驚いた。それから七沢を知って、完全に好きになってからはこれ」
有馬は感触を確かめるように俺の頬をなぞる。
触れられるのが嫌などころじゃない。今や有馬から触ってきてる。
さっきから俺の腰を抱く手は全然離れていかないし。
「俺、お前がスキンシップとか他人が口つけたやつとか苦手って聞いて、有馬の地雷を踏みまくってたんだってめっちゃ落ち込んでたのに」
「間接キスもしたいと思った。かき氷をねだったとき、俺が欲しかったのは、かき氷じゃなくて、七沢が食べたあとのスプーン」
「はぁっ?」
嘘だろっ? そんなものになんの価値もないだろ。
「七沢は俺の特別。七沢にだったら、俺、何されても大丈夫」
有馬の色目に俺は悩殺されそうになる。
ダメだって。できないできない、俺にはこれ以上のことはできないよ!
「じゃあさ、デート……お祭りはなんで俺と行ってくれたの? 有馬、あの手紙のことで怒ってたんじゃ……」
そこんとこ、ずっと気になっていた。
何も知らない俺は、有馬とデートだって浮かれてたけど、あのときの有馬は違ったはずだ。
俺のしたことに傷ついて、俺と会うのも最後にしようって心に決めてたんだろうから。
「最後に、七沢と思い出作りたかったんだ」
有馬は目を細めて俺に微笑みかけてくる。腰に回された手は、俺を不安にさせないように、ぎゅっと俺を抱きしめ愛情を伝えてくる。
「七沢を独り占めしてみたかった。学校じゃ七沢の周りにはお前の友達がいるから、ゆっくり話せないし」
「有馬も、俺と同じこと考えてたのっ?」
知らなかった。俺はいつも学校じゃなかなか有馬と話せないなって思っていたけど、有馬も同じふうに思ってくれてたんだ。
「うん。さみしい。学校でももっと話したい」
「マジか、有馬が俺と……」
やばい。嬉しい。俺ももっと有馬と話したい。そばにいたいと思ってるよ。
「だから、あのデートは俺の最後の我が儘……のつもりだったんだけど」
有馬は、意味深な笑みをみせる。
「つもりだった、って……?」
「最後じゃないかも」
「えっ?」
有馬がなんか、めっちゃ俺に迫ってくる。俺がよろめきながら一歩下がっても、有馬はすぐさま間合いを詰めてくる。
なになにっ? 何がどうした……っ?
「俺、七沢が好き」
有馬が俺を見つめる目は、紛れもなく美しくて、俺は視線を逸らせない。
「七沢のこと、もっと知りたい。ふたりでいろんなところに出かけてみたい」
「うん」
俺は頷く。
俺も、有馬のこともっと知りたい。有馬とたくさんのことを一緒にしてみたい。
「俺たち、付き合わない?」
それは俺がもっとも聞きたかった言葉だ。
低く伸びやかな有馬の声で、そう言われたかった。
「いいよ」
俺の答えはずっと前から決まっている。迷いなんてない。俺は有馬と付き合うって、心に決めていたんだ。
俺の返答を聞いて、有馬がフフッと笑った。
「俺たち、両想いだ」
「そう、いうことになるね」
なんか恥ずかしい。
なんでだろう。なんで、好きな人と同じ気持ちだってわかり合っただけなのに、こんなにこそばゆくなるんだろう。
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