その告白は勘違いです

雨宮里玖

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番外編『その罰ゲームは無効です』

番外編-5

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「有馬から聞いた。あいつ、七沢の手紙を読んだのに、まだ返事してないんだろ?」
「えっ……?」

 返事、もらってる。有馬は俺の気持ちをちゃんと受け止めてくれたけど。

「急に好きって言われても、すぐには答えられないんだってさ。だから七沢への返事をうやむやにしてるって言ってた。俺は断るなら断るで、さっさと言ってやらないと、七沢だっていつまでも諦められないって有馬に言っといたけど」
「そうだったんだ……」

 有馬は佐久間に嘘をついたんだ。

 多分、俺たちが付き合っていることを佐久間に隠すためだろう。
 俺からの手紙の内容を佐久間は知っている。つまり俺の気持ちが有馬にあることを佐久間に知られてしまっているんだ。

 だから有馬は、自分が返事を先延ばししていることにして、佐久間に俺たちの関係性を誤魔化している。

「とりあえず手紙の返事だけでも書けって言ったのに、結局、渡さなかったらしい。書いたなら七沢に渡せよ。七沢だって欲しいだろ? 有馬からの返事」
「まぁ、欲しいけど……」

 ごめん佐久間。俺、手紙の返信もらってるよ。しかもめっちゃ愛情たっぷりのやつ。
 でもそんなことは佐久間には言えない。有馬が黙っているのなら、俺も黙ってなきゃ。

「だろ? 有馬は罪な男だよ、本当に。あいつは昔からそうだ」
「昔からって?」

 俺は思わず身を乗り出す。
 知りたい。有馬の恋愛事情。

「有馬は告白されてもさ、はっきり『嫌い』って言わないんだよ。お前と付き合うとかありえないってキツく言えば相手だって諦めつくのにさ、なんかどっか人を傷つけないような断り方するから、脈アリだって思っちゃうよ」
「うわ……」

 有馬っぽいなと思ってしまった。告白されて断りはするけど、強い言葉は使わなさそうだ。

「有馬ははっきり返事をしたら、七沢が傷つくとでも思ってんじゃねぇかな。だからこのままうやむやにして、卒業しちゃおうとしてんのかもしれない」
「そうだね……」
「だからさ、すぐにとは言わないけど、頃合いをみて自分の気持ち整理しなよ。有馬の返事をいつまでも期待しないほうがいい。それだけ言っとく」

 そっか、俺、佐久間の中では有馬に片想いしているってことになってるんだ。
 告白までして、ラブレターまで受け取ってもらったのに返事をもらえない、可哀想なやつって思われてるんだな。

 本当は違う。でも俺は有馬と口裏を合わせないと。

「で、今日はどしたの? 有馬に返事を催促しようとしてた?」

 佐久間は明るく笑う。俺が黙ってばかりだから落ち込んでいるとでも思ったのかな。

「ま、まぁ、そんなところ……」

 全然違うけど、俺は有馬との関係を佐久間に言えずに適当に誤魔化した。
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