その告白は勘違いです

雨宮里玖

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番外編『その罰ゲームは無効です』

番外編-4

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 次の日、俺は有馬と話すべく勇気を振り絞った。

 というのも、普通に過ごしていると、俺と有馬は同じクラスなのにまったく接点がない。お互い別々の友達と話して終わってしまうんだ。
 勝負は放課後だ。今日こそ有馬に「一緒に帰ろう」って声をかけてやる。

 帰りのSHR(ショートホームルーム)が終わったあと、俺は有馬の背中にロックオンだ。
 さっさと帰り支度を済ませて、有馬に話しかけるんだ。
 そう俺が意気込んでいたとき。

「莉紬ーっ、帰ろうぜ」

 いつものように裕太が俺の机まで来てくれた。

「ごめん俺、今日は用事があって」

 今日の俺はそれをお断りする。
 ありがとう、裕太。でも今日だけはどうしても譲れない大切なことがあるんだ。

「何? 用事って。すぐ終わるなら待ってるよ」
「いや、あの、今日は俺、有馬と……」
「あぁ、勉強会するのか! 二学期の中間も油断できないもんな」
「そ、そうなんだ」

 違うけど、まぁ半分は当たってるからいいかと俺はテキトーに答えた。

「有馬、まだ勉強に付き合ってくれるんだ。ホントいいやつだな。俺も一緒に有馬に教えてもらおうかな」
「う、うん。今度、有馬に聞いてみたらいい」

 今日はダメだ、裕太。今日の有馬の放課後は、どうしても俺が独り占めしたい。

「じゃあな、莉紬。勉強頑張れよ!」

 裕太は明るく手を上げ挨拶して、いつものメンバーと帰っていく。

 さぁ。俺も有馬に……って思ったら有馬が、席にいない!

 まさか、もう帰っちゃったのかっ?

 いや違う。有馬はいつも佐久間と帰っている。でも、その相方の佐久間はまだ教室に残ってる!

 みんなが散り散りになって教室から出ていく中、自席に座ったままスマホをいじっている。

 俺は少しの勇気を持って佐久間に話しかけに近づいていく。

「あのさ、佐久間。有馬知らない?」

 俺が小声で話しかけたのに、佐久間はスマホを見るのをやめて「よぅ、七沢」と俺に笑顔で対応してくれる。

「有馬は進路のことで担任に呼ばれて職員室に行ってるよ。なに? 有馬に用事?」
「えっ? あっ、うん……」

 誤魔化しようがなくて、俺は素直に頷く。

「終わったら教室戻ってくるはずだから。ここにいたら?」
「うん。そうする」

 この際、少しだけでもいい。一緒に帰れなくても有馬と話せたらいいな。
 俺が自席に戻ろうとすると「七沢、ここ座れよ」と佐久間が自分の隣の席の椅子を引いて俺を誘う。
 気づけば教室内に人は俺と佐久間しかいなくて、ふたりで微妙に離れた距離で座ってるのも変だ。だから佐久間は誘ってくれたんだろう。

「ね、七沢さ、まだ有馬のこと好きなの?」

 俺が佐久間の隣に座って開口一番、すごいことを聞かれて俺は「へぁあっ?」と動揺を隠せない。

「そんな真っ赤になるなよ、わかりやすいな。お前、ホント可愛いね」

 佐久間に指摘されて、俺は恥ずかしくてたまらない。
 やっべぇ、俺そんなにわかりやすい顔してんのかな。

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