愛を注いで

木陰みもり

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13、僕の愛おしい人

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――早く挿れてめちゃくちゃにしたい。
 僕は挿れた指を中でバラバラに動かした。その度に空気が入り込み、ヤラしい音を奏でている。その音があまりにも恥ずかしいのか、拓真さんは恥ずかしそうに耳を塞いでいた。
 自分からこんな卑猥な音が出ているなんて、信じられないよね。理性が残っていると尚更恥ずかしいだろうな。顔も身体も真っ赤にして、快楽に堕ちそうな意識を必死に保っている拓真さんは可愛かった。
「それっ……やめて……」
「じゃあこれはどう?」
僕は拓真さんの中で指を腹側に押し込んだ。すると拓真さんは腰を大きく反らした。相当気持ち良かったのか、拓真さんの陰茎からは先走りがダラダラととめどなく流れている。上がった脚もピンと伸ばして震えていた。
「ここ気持ち良いんだ……」
「いいっ……ヤバいくらい……いぃ……」
僕はさらに腹側から攻めた。摩ったりトントンと叩いてみたり、どんな攻め方をしても拓真さんは気持ち良さそうに喘いでいた。
 しれっと指を増やしても、もう気付かない程に拓真さんは意識が飛びかけていた。なので僕はわざと攻めるのをやめて指を引き抜いた。
「拓真さん……気持ち良いところ、言って?」
「へぁっ……」
「どこが気持ち良かった?」
拓真さんは僕の問いに対して、急に与えられなくなった快楽への戸惑ともっと欲しいといった懇願の表情で僕を見つめてきた。
 そんな顔されたら、余計に意地悪なことしたくなる。拓真さんも満更でもなさそうなのがさらに僕をエスカレートさせるってこと、きっと拓真さんは気づいていない。やりすぎて嫌われないか不安もあったけど、もはやそんなこと頭からすっぽりと抜けてしまっていた。
「ねぇ、言わないと触んないよ」
「そっ……そんな……」
「もしかして気持ち良くなかった?」
なかなか言ってくれない拓真さんに対し、分かりやすく落ち込んでみせた。これを見たら必ず拓真さんは従ってくれる。もうだいぶ分かってきた。
「中ぁ……お腹側が……いい……」
「中って?」
「お……お尻の……中」
「拓真さんってお尻の中気持ち良いんだ。じゃあどんなふうにいいの?」
「押されると……か、身体中が……痺れたような……ふわふわした……感じになる」
「へぇ……こんなふうに?」
「へっ!?あっ……あぁっ!」
勢いよく指を突っ込み前立腺を押し上げると、拓真さんはガクガクと身体を痙攣させながら腰を反らした。
「中すっごいイヤラしく動いてるよ」
「言わないでっ……」
「何を言わないで欲しいの?」
「中……動いてるって……」
「えー、じゃあここ押すとおちんちんピクピク動いてるなぁ……可愛い」
「それもダメぇ……」
「何言ってもダメなんじゃん」
「だってぇ……頭…おかしく…なるぅ…」
「拓真さんおかしくなって。いっぱい可愛がってあげるから」
僕はわざと耳元で囁き、耳たぶを食んだ。すると拓真さんは今まで以上に身体を震わせて感じていた。やっぱり耳が弱いんだ。それに言葉で攻めていくとすごく感じてくれる。指がちぎれそうなくらい穴がぎゅうぎゅう締め付けてきている。
「んあ゛…もっ…むりっ…ゆび…イきたくない……」
「ちゃんと言って」
「尊くんの…おっ…おちんちん…俺のお尻の中に…挿れて?」
恥じずかしがりながらも精一杯僕の方に手を伸ばしておねだりする拓真さんは、艶美な魅力を放っていた。僕は舌鼓をしながら、指を抜いた。そして拓真さんが買った避妊具をベッド脇からとり、拓真さんに見せつけてあげた。
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