偽りの姿(仮)

麻沙綺

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48話 突然の誘い

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  私が俯いていれば。 
「幸矢。俺の所に来い。」
  成瀬君の突然の言葉を飲み込むことが出来ず、彼を見る。
  彼は、真剣な顔をして。
「俺のところに来いよ。お祖父様から俺なら匿ってやれる。」
  力強い言葉が耳に届く。
  成瀬君の申し出はありがたいけど……。
「そんな迷惑掛けたくないよ。家の事で、成瀬くんの事巻き込みたくない。」
  と断りを入れる。
  母さんも、首を縦に振ってる。
「だが、俺は幸矢の悲しい顔やそんな簡単に "死にたい" 何て言うお前を見ていられない。」
  成瀬君の辛そうな顔。

  何故、そんな顔をするの?

  私は不思議思った。
  そんな時。
「幸矢。彼の言葉に甘えさせて貰いなさい。今の貴女には、心の休養が必要よ。」
  と母さんが優しい声音で言う。

  さっきは、私の言葉に頷いたのに、何故成瀬君の言葉を肯定するの?
  訳が分からない。

「俺はなぁ、お前が心から笑う笑顔が見たいんだよ。何時も何処か作ったような笑顔や寂しげな笑みしか見せないお前なんて、悲しいだけだろうが。」
  成瀬君の苦痛に歪んだ顔。
  ソノカオハ、ワタシノセイデスカ?
  と問える事はできない。
  だって、私には分からないから……。
「本当に良いの? 迷惑じゃない?」
  私は、確認の為に聞き返す。
  "迷惑だ" と言われたら、家に大人しく戻るつもりだ。
「迷惑なもんか。お前が元気になっていくのを近くで見れるならな。」
  そう言って、私の頭をポンポンと叩く。
「じゃあ、母さんも一緒に……」
  私の言葉に母さんは首を横に振る。
「私は、一緒に行けない。幸矢を守りたいから……。貴女の心を守りたいから、私はあの家に戻って戦うわ。貴女の為にも何か出来ないか色々と調べたいしね。」
  母さんは、私を抱き締めながら新たな決意を込めて言う。
「母さん、ごめんなさい。弱い私なんかの為に……。」
  耐えていた涙が溢れる。
「泣かないの。幸矢はちっとも弱くないわ。やっと、私を頼ってくれたんだもの。自分の子どもの為なら、母は強くなれるものよ。」
  優しい笑みを浮かべて言う母さん。
「祥くん。幸矢の事お願い出来るかな。この子、人に頼ることになれてないから、祥くんが気に掛けてくれる?」
「はい。じゃあ、早速ですが、俺の知り合いの病院に転院させて貰っても?」
  成瀬君が、母さんに訪ねる。
「ここだと、またあの人たちが来てゆっくり出来ないからね。」
  母さんが承諾する。
「分かりました。では、手続きをしてきます。その間に幸矢の着替え、お願いします。」
  成瀬君はそう言うと立ち上がる。
「わかったわ。」
  母さんの返事を聞いてから成瀬君は部屋を出て行った。





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