ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

突然の…遥

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「そうか……。じゃあ、お前には上司のお見合いは振れないな。」
 との声が掛かる。
 その方を向けば、部長が俺の後ろで苦笑してる。
 俺が、見合い?
 冗談じゃない。
「だが、一度だけでいいから、会ってくれないか? 直ぐに、断ってくれたらいいから。」
 それって、お見合いって言うのか?
 俺が首を傾げてると。
「行くぞ。」
 部長が、俺を引っ張る。
 えっ……、これからですか?
 仕事終わったら、約束が……。だから、早く終わらせないといけないのに、何でこんな事になるんだ。


 亜耶、俺は亜耶だけだからな。
 何て胸に内で免罪をする。




 部長に連れて来られた場所は、有名ホテルだった。って、実家系列のホテルだ。
 ヤバイな……。
 顔見知りが居たら、大変なことになる。
「お連れ様が、先程からお待ちです」
 と従業員が声をかけてくる。……が、俺を見ても身動作せずに案内し出す。
 まぁ、下の方の従業員じゃ、判る筈無いか……。

 個室に通されて見れば、昨日のお嬢様と社長が座っていた。
 ハァ~。
 これは早々に退散だな。

「高橋くん、座りなさい。」
 部長に言われ、テーブルに着く。
「高橋さん……遥さんとお呼びしてもいいですか?」
 お嬢様が、突然きり出してきた。
「それは、やめてください。今まで通り、高橋でお願いします。」
 誰が呼ばせるかよ。その呼び方は、亜耶だけしか許さない。
 そのうち、呼び捨てさせたいがな。
「今日来てくださったのは、OKだからじゃないんですか?」
 不服そうにそう言い出したお嬢様。
 はぁ。来ただけでOKって、どんな頭してるんだ?
 そもそも、ここに来るまで相手なんて知らなかったし……。
「違います。上司の顔を立てるだけに来てます。それに、私目には、婚約者が居りますので、他を当たってください。」
 亜耶は、納得してないが……。
「そんなの嘘よ!」
 当人が居るって言ってるのに、嘘だって否定するって、可笑しくないか?
「嘘を付いてどうするんです? そんなに疑うなら、大財閥の会長にでも聞いてください。俺、仕事がありますので、これで失礼させていただきます。」
 俺の言葉に、社長が驚愕する。
 そりゃ、な。ヒントとして出した場所が場所だけに驚くだろうなぁ。
「私と結婚すれば、逆玉なんですよ。」
 部屋を出る前にお嬢が言い出す。
「そうですか。ですが、逆玉にはなりませんよ。私ここのホテルオーナーの末っ子ですから。」
 要らん事を口にした感はあるが俺は、射殺さんばかりにその令嬢を睨み付けて、その場から離れた。


 今日は、亜耶とゆっくり会えるんだよ。
 そんな邪魔されるのなんて真っ平ごめんだ。
 仕事をさっさと片付けて、亜耶に会って癒されたい。

 そんな考えに耽ってると。
「遥さん。」
 突然声をかけられて、振り返ると支配人が居た。
 うわ~、このタイミングで会うとは……。
「こんにちは。」
 俺は、笑顔を張り付けて挨拶する(客にここのオーナー関係者だと知られたくないから)。
「珍しいですね。こんな所に来るなんて。」
 来たくて来た場所では無いがな。
 本来、表立ってくるとこではないし。
「用があってな。これから帰るとこなんだ。」
「そうでしたか。お気をつけて。」
「ありがとう。」
 お礼を言って、足早に立ち去る。


 マジ、びびった。
 あんなところで捕まるとは、思ってもみなかった。誰も気付かなかったよな。
 今度は、周りが気になり出しキョロキョロ。
 挙動不審に陥りながらも、会社に向かった。












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