ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

亜耶への想い…悠磨

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 勉強の手を止めて時計を見れば、午前一時過ぎ。
 区切りも良いし、そろそろ寝るか……。
 椅子から立ち上がり、ベッドに潜る。
 明日は、塾も休みだし少し寝過ごしても大丈夫か……。
 だけど、亜耶の事気になるなぁ。
 亜耶自身は気付いていないかもしれないが、オレが見る限りではあの人に随分と甘えてるように見える。それだけ信頼してるってことだろう。
 あの人の前だと自分を偽る事無く曝せるんだと思う  と、悔しくなる。
 オレたちに見せてる顔より、あの人に見せてる顔は幾分幼く見える(年相応って感じだ)。
 あの人は、それをオレに見せようとはしない。
 ってことは、亜耶の無防備の姿をあの人は何度見ているってことで……。

 やっぱり、最初から勝ち目無いよなぁ……。
 でも、きちんと勝負しないとオレも納得いかないし……。
 自分のモノにしたいとは思うが……。
 亜耶自身は、どう思ってるんだろうか?
 あんな大人が傍に居れば、オレは子供ぽく見えるのだろうか?
 あいつを包めるだけの包容力、オレに備わっているんだろうか?
 無ければ、どうやって備えれば良いんだ?
 あの人を上回るにはどうしたら……。


 そんなことばかりが、頭の中を駆け巡っていた。


 翌朝。
 オレは、何時もより遅めに目が覚めた。
 服を着替えて下に降りて行く。
 リビングで寛いでる妹が居て。
「おはよー」
 声を掛ければ。
「おはよう、悠兄ちゃん。今日はゆっくりなんだね」
 朝から元気だなぁ。
「うん、塾も休みだったからな」
 それだけ返し、ダイニングに行き自分の席に着く。
「悠磨、もう少し早く起きてこれない。片付けが大変なのよ」
 と母はオレのご飯の準備をしながら、小言を言い出す。
「すみません」
 オレは、萎縮して謝るしかない。
 その返事を聞いて、母はダイニングを出ていく。入れ替わるようにして妹が入ってきた。

「悠兄ちゃん。昨日、亜耶先輩を見かけたよ。凄く楽しそうだった」
 との報告が……。
 まぁ、オレは塾で会ってるが……。
 だが、楽しそうってどういう事だろう?
「凄く、格好いい人と居た」
 妹の顔を見れば、その時の事を思い出していたのか、少し朱くなっていた。
 格好いい?
 それって……。
「目鼻立ちが亜耶先輩に似てたから、お兄さんかな」
 って言葉に安心したのも束の間で。
「それと、とても綺麗なお姉さんも居た」
 お姉さん?
 亜耶は、お兄さんが居るだけでお姉さんは居ない筈だが?
「とても仲が良さそうだったよ。それに、普段しないだろう格好で先輩が歩いてた」
 って、妹の報告にオレは首を傾げた。
 普段しない格好って?
「清楚な感じのワンピースで、思わず見いちゃった。凄く似合ってたから、活発な先輩とは思えない程だった。しかも、先輩じゃ買えるようなブランドじゃなかった」
 羨ましそうな顔をして言う妹。
 って待て。
 昨日は、カジュアルな服装だった筈だ。
 塾で会ってるからな。
 それなのにブランド物のワンピースって、どういうことだ?
「それから……」
 未だ何かあるのか?
「お兄さんらしき人の隣には、男の人がもう一人居た。その人、誰もが振り返るほどの美形だった。亜耶先輩とならんでも劣らないくらいな人だった」
 妹の顔は、今まで無い以上に蕩けきっていた。
「あれはどう見ても、ダブルデートしか思えない」
 って、妹が爆弾を投下してから、ダイニングを出ていった。

 はい?
 ダブルデートだ?
 
 そんな筈はない。
 だが昨日の亜耶は、何処か慌てていたと思う。
 って言うか、ソワソワしていたと思う。

 何だよ。
 結局、亜耶もあの人が好きなんじゃないのか。
 オレは、このまま玉砕ってことかよ。
 決定事項なんだろうか?


 悶々と考えていた。







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