ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

呼び出し…遥

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 ハァ~。
 折角の休みだと言うのに、兄貴たちからの呼び出しとは、全くついてねぇ~。
 しかも、亜耶との時間を割く嵌めになるとは……。
 全く、あの人たちは何を考えているのやら……。


 俺は、重い足取りで呼び出されたホテルに向かう。


「やっときたな」
 ホテルの入り口を潜りそう声を掛けてきたのは、一番上の兄貴だ。
「お前、何だその格好は……」
 呆れ顔で俺を見る隼人兄さん。
 何って、別に休日なんだし、どんな格好してても構わないだろうが。
 しかも、急な呼び出しに『絶対来い』しか言わなかっただろうが、そこで咎められてもどうしようもないと思うが……。
「ちょ……、遥。その格好はダメだろうが」
 次兄の誠司兄さんが、更にダメ出しをして来る。
 だから、何でラフな格好じゃダメなんだよ。
 今日の呼び出しの理由聞いてないんだから、格好なんてどうだって良いだろうが……。
 「あ~あ、遥らしい格好だが、今日はその格好はじゃ、不味いんだよなぁ……」
 三男の愛翔兄さんが言う。
 だから、何で不味いんだよ。
 俺の頭には、疑問ばかりが浮かぶ。
「遥! 何その格好は。今日は、遥のお見合いなのよ。そのラフな格好で出るつもり?」
 一際甲高い声が響く。 
 多香子姉さん?
 お見合い?
 まぁ、薄々は感じていたが、その必要がないのも確かであるが、俺自身親兄弟に婚約者が居ること事態黙っていたから、なぁ。
 俺の戸惑いに気付いた姉さんが。
「あんたたち、遥に何も言わなかったの?」
 般若の顔をして兄貴たちを見やる。
 すると、三人とも目を泳がせる。
「ハァ~。遥、取り敢えず着替えてちょうだいな」
 姉さんが兄さんたちに呆れた顔をして、俺に振ってくる。
「ちょっ、ちょっと姉さん。俺、婚約者居るから、その見合い断ってよ」
 俺は、たまらずそう口にすれば。
「はぁ?」
「えっ……」
「ナニ……」
「えっーーー!」
 四人とも驚いた顔を俺に向けてくる。
 まぁ、うん仕方ないと思う。
 自分から連絡しないし、余程じゃないと連絡来ないから、知らなくて当然だ。
「遥! それ本当なの?」
 姉さんが詰め寄ってくる。
「嘘ついてどうするの? 俺、八年前ぐらいに婚約者決まってるよ」
 まぁ、内密な婚約者だけど……。
「何処の誰だよ?」
「家との釣り合いはとれてるのか?」
 まぁ、気になるだろうね。
「遥、どうなの?」
 姉さんに問われ。
「まぁ、釣り合いはとれてるんじゃないかな?」
 向こうの方が上だけど……。
「その疑問符は何だ?」
 怪しげに聞いてくる隼人兄さん。
 もう、この際だから言ってしまおうか。
「だって、俺の婚約者、鞠山亜耶だもん」
 俺がそう口にしたとたん、四人が固まった。
 えっ……?
 あれ?
 俺、何か変なこと言ったか?
 不思議に思いながら、四人を見ていれば。
「それ、嘘じゃないでしょうね?」
 怪しげに聞いてくる姉。
「何で、鞠山家が……」
「遥が、何で鞠山家と……」
「遥、何時鞠山家と知り合ったんだ?」
 と次々に聞いてくるから。
 えっ、あれ、これは、説明しないとダメ?
 俺が目で訴えれば、四人とも頷く。

 ハァ~。仕方ないか。

「雅斗は、知ってるよな」
 って聞けば四人とも頷き。
「じゃあ、雅斗の名字は?」
 首を横に振る四人。
 四人が同じ動きをするから、吹き出しそうになるのを我慢しつつ。
「鞠山。俺の親友であり亜耶の兄。俺、高校の時から鞠山家に入り浸りで、亜耶の事、小学生の頃から知ってるんだ。亜耶が、高校を卒業したら、俺との結婚を承諾させたの」
 俺は、冷静に説明する。
「ちょっと待って。亜耶ちゃん本人の承諾は?」
 痛いところを突いてくるなぁ。
「もらってない」
「それって、本人の意志無しでもらったってことか」
 そうなりますね。
「それは、婚約とは言わない」
 そうかもしれない。けど、バックの許可は得ている。
 これは、言わない方がいいだろう。
 でも、さっきの様子じゃあ、亜耶に何かしらの変化が起こってるのも確かだし……。
 それに期待してしまう自分がいるんだから、仕方ないじゃないか……。
「わかった。遥がそう言うのなら信じる。だけど、今日のお見合いだけは出て。これは、私が設定したの。お願い」
 姉さんに言われたら、断れない。
「出るだけだよ。俺、亜耶に会ってから彼女一筋なんだからね。他の女なんて要らないよ」
 渋々了承しながら、釘を刺す。
「遥の想い届くと言いね」
 姉さんが、優しい笑顔を俺に向けてきた。





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