44 / 145
中学生と婚約解消
受験…悠磨
しおりを挟む気が付けば、受験当日。
亜耶のお兄さんと話し込んだ後、オレは勉強に打ち込んだ。勿論、亜耶への想いは封印した。
そうしないと集中が途切れてしまい、勉強に身が入らなかったのと亜耶と同じ高校にどうしても受かりたかったのもあた。
亜耶が受ける高校は、学力がやたらと高いところでうちの中学からは、オレと亜耶しか推薦を貰えなかった。
必然的に一緒に受験校に行くことになる。
しかも、二人っきりだ。
駅に七時に待ち合わせた。
「受験票は、持ったし、筆記用具、問題集……」
鞄を覗き込みながら、忘れ物がないかチェックする。
そして、身嗜みを整え、家を出た。
家から駅まで然程距離はない。待ち合わせの時間よりも早く出たのだが、亜耶の事だからもう来ているだろう。そう思うと、自然と早足になる。
駅に着くと改札口の近くで、単語帳を捲って勉強している亜耶が居た。
オレは、彼女に近付くと気付いた彼女が。
「おはよう、悠磨くん。」
って、先に声を掛けられた。
「おはよう。相変わらず早いな。」
そう言葉を返すと。
「そうか、な。普通だと思うけど……。」
惚け顔の亜耶。
少し髪が伸びて、今は耳の下で両サイドで結んでる亜耶。
その姿が、また可愛くて写真を撮りたいくらいだ。
って、いかん!
今は、受験の事だけを考えなくては。
「悠磨くん? どうしたの? 行くよ。」
亜耶が、不思議そうな顔をしてオレの顔を覗き込んでくる。
うっ……。その顔も可愛い!!
オレは思わず手を口に持っていき横を向く。
最近、オレの身長が伸びて亜耶を見下ろすようになったせいか、ちょくちょく上目使いでオレを見てくるようになった(本人無自覚だろうけど)。
そのせいで、オレが悶え苦しんでるなんて知らないだろうなぁ……。
横目で亜耶を見れば、首を傾げてオレを見ている。
「あっ、うん。行こう。」
オレたちは、学校へと歩き出した。
筆記試験は、難なく終わった。
だが、これから面接だ。
徐々に緊張感が増してくる。
学校で、面接の練習は、何度も行っている。
自分の意思もきちんとしてる。
言葉遣い、礼儀、姿勢、全てにおいて何度も繰り返してきた。
今頃になって、震えてくる。
それを必死になって、押さえる。
大丈夫、自分はやれる。
そう自分に言い聞かせていた。
面接も無事(?)に終わり、亜耶を校門のところで待つ。
会場が男女別だったためだ。
「悠磨くん、待った?」
亜耶が、笑顔で声を掛けてきた。
朝の緊張が溶けたのか、ホッとした顔をしてる。
「そんなに待ってないよ」
そう答えた瞬間、周りの視線が痛いことに気付き、巡らせて観れば、男どもの視線がメチャきつい事に気付く。
えっ……、ちょっと、待って……。
今しがた亜耶の事を見ただけなのに、何で周りから睨まれないといけないんだ?
可笑しいだろう?
「悠磨くん、どうかした?」
亜耶が首を傾げてキョトンとした顔で聞いてくる。
その仕草が、また可愛くて仕方がない。
物凄く無防備な亜耶。
「……なんでもない。帰ろっか」
「うん」
この笑顔。
オレの方が戸惑う。
亜耶、お前可愛すぎだろ!!
項垂れるオレだった。
0
あなたにおすすめの小説
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
先生
藤谷 郁
恋愛
薫は28歳の会社員。
町の絵画教室で、穏やかで優しい先生と出会い、恋をした。
ひとまわりも年上の島先生。独身で、恋人もいないと噂されている。
だけど薫は恋愛初心者。
どうすればいいのかわからなくて……
※他サイトに掲載した過去作品を転載(全年齢向けに改稿)
俺様系和服社長の家庭教師になりました。
蝶野ともえ
恋愛
一葉 翠(いつは すい)は、とある高級ブランドの店員。
ある日、常連である和服のイケメン社長に接客を指名されてしまう。
冷泉 色 (れいぜん しき) 高級和食店や呉服屋を国内に展開する大手企業の社長。普段は人当たりが良いが、オフや自分の会社に戻ると一気に俺様になる。
「君に一目惚れした。バックではなく、おまえ自身と取引をさせろ。」
それから気づくと色の家庭教師になることに!?
期間限定の生徒と先生の関係から、お互いに気持ちが変わっていって、、、
俺様社長に翻弄される日々がスタートした。
出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜
泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。
ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。
モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた
ひよりの上司だった。
彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。
彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……
お嬢様は地味活中につき恋愛はご遠慮します
縁 遊
恋愛
幼い頃から可愛いあまりに知らない人に誘拐されるということを何回も経験してきた主人公。
大人になった今ではいかに地味に目立たず生活するかに命をかけているという変わり者。
だけど、そんな彼女を気にかける男性が出てきて…。
そんなマイペースお嬢様とそのお嬢様に振り回される男性達とのラブコメディーです。
☆最初の方は恋愛要素が少なめです。
【完結】育てた後輩を送り出したらハイスペになって戻ってきました
藤浪保
恋愛
大手IT会社に勤める早苗は会社の歓迎会でかつての後輩の桜木と再会した。酔っ払った桜木を家に送った早苗は押し倒され、キスに翻弄されてそのまま関係を持ってしまう。
次の朝目覚めた早苗は前夜の記憶をなくし、関係を持った事しか覚えていなかった。
イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団の異色男子
ジャスティン・レスターの意外なお話
矢代木の実(23歳)
借金地獄の元カレから身をひそめるため
友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ
今はネットカフェを放浪中
「もしかして、君って、家出少女??」
ある日、ビルの駐車場をうろついてたら
金髪のイケメンの外人さんに
声をかけられました
「寝るとこないないなら、俺ん家に来る?
あ、俺は、ここの27階で働いてる
ジャスティンって言うんだ」
「………あ、でも」
「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は…
女の子には興味はないから」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる