ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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中学生と婚約解消

初デート①…亜耶

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 今日は、悠磨くんとの初デート。
 よく皆と一緒に遊びに行ったりはしてたんだけど、二人だけでってのは初めてで、何を着ていけばいいのかわからなかった。
「う~ん。どうしよう?」
 悩んでいたら。

  コンコン。

 って、ドアがノックされた。
「はーい。」
 私は、ドアを開けて確認する。
「亜耶。これからでかけないか?」
 って、お兄ちゃんだった。
「ごめんなさい。これから、悠磨くんと会う約束してて……。」
 私の言葉に。
「そっか……。それなら仕方ないな。」
 お兄ちゃんの残念そうな顔。
 そうだ!
 お兄ちゃんに服決めてもらおう。
 何故か私は、それが得策だと思った。
「ねぇ、お兄ちゃん。ちょっと相談があるんだけど……。」
 私がそう言うと。
「何? 小遣いか?」
 と怪訝そうな顔を向けてくる。
 くれるの?
 心持ち足りないかなって思ってたんだけどね。
 何て首を傾げ、お兄ちゃんが少し出してくれるなら心配ないかなと思いながらも。
「違うよ。何を着ていけばいいのかわかんないの……。だから、お兄ちゃんに見立ててもらおうと……。」
 慌てて否定した。

「それなら、由華に相談しろよ」
 お兄ちゃんが、そう言って私にスマホを貸してくれた。
 エッ……。
 いいのかなぁ、迷惑じゃない?
「勝手に掛けてもいいの?」
 疑問に思った私に。
「うん。由華、亜耶に頼られるの待ち望んでるからな」
 お兄ちゃんが、クスクスと忍び笑いする。
 頭の中で、疑問符が飛び交う私に。
「リダイヤルの一番最初に由華の番号があるだろ」
 お兄ちゃんの言葉。
 携帯画面を触り見れば、リダイヤルの一番上に由華さんの名前があった。
 私は、そのまま由華さんのところをタップして電話を掛けた。

『はい。雅くん、どうしたの?』
 って、由華さんの元気な声が聞こえてきた。
「由華さん。私、亜耶です。」
 応答する私。
『えっ、亜耶ちゃん』
 由華さんが驚いた声を出す。
 そりゃあ、そうだよね。お兄ちゃんの携帯から私の声がすれば、驚くよね。
「はい。由華さんに相談したいことが……」
 歯切れの悪い私に。
『ん? 何かな』
 優しい声で返してくれる由華さん。
「初デートに着ていく服って、どんなのがいいですか?」
 私は、言葉も選ばず素直に聞いた。
 待ち合わせの時間ギリギリだったから。
『そうね。行く場所によっては替わるから、詳しく教えて』
 由華さんの楽しそうな弾んだ声。
 私は、由華さんに大まかに話した。
 すると、的確なアドバイスをくれたのだ。

 それから、着て行く服を決めた。


 上から下に向かって、淡い黄緑色から淡い黄色のグラデーション(春っぽく見えるかなって思ったから)の膝丈のワンピースに白のジャケット(襟元に小花の刺繍が施されてる)を羽織った。黒の七分丈のレギンスに少し低めの薄桃色のヒールを合わせた。
 髪は、両サイドを編み込んでアップにした。
 口許も薄いピンクのリップを塗った。
 そこまでして時計を見た。
 待ち合わせの時間ギリギリだった。

 私は、鞄にお財布と携帯を突っ込んで、慌てて家を出た。


 ヒールで走るのは、難しそうだったので(慣れてない)早足で駅に向かった。
 時間、間に合うよね。
 心なしか、慌ててる自分がいる。

 駅に着き、キョロキョロと悠磨くんの姿を探した。
 居た。改札口の横。
 人の邪魔になら無い場所で、携帯を弄っている。

 私は、悠磨くんの側に行く
「悠磨くん。お待たせ。」
 と声を掛けた。
 悠磨くんは、ゆっくりと目線を私に向けてきた。
 いつもと違う雰囲気の悠磨くん。
 何が違うのかな?
 首を傾げながら、マジマジと彼を見た。
 あっ、服装がいつもと違うからか……。
 普段、カジュアル系の服で、髪も下ろしてるから、幼く感じてたのが、前髪を後ろに流してて、普段は着ない黒のジャケットが、少し大人っぽく見えるんだ。

「否、オレも今来たとこ。で、亜耶は映画、何が見たい?」
 突然聞かれて、悠磨くんが携帯画面を見せてくれる。

 その画面には、映画のタイトルとストーリーが並んでいた。
 う~ん。そうだなぁ。
 あっ、このSF面白そう。
 私が画面から顔を上げて、悠磨くんを見るとボーと私の方を見ていた。

「悠磨くん?」
 思わず声をかけたが。
「……。」
 返事がない。
「どうかした?」
 悠磨くんの顔を覗き込むようにもう一度訪ねると、吃驚して仰け反り。
「亜耶が、可愛すぎて……。」
 って、言葉が返ってきた。
 その言葉によって、ボフンって顔から音が出るんじゃないかってくらい熱くなりお湯が沸かせるんじゃないかって思ってた。
 顔を隠すように俯いてしまった私に。
「亜耶。観たいの決まった?」
 って声がかかる。
「う……うん。これ。」
 私は、画面に出てるタイトルを指で示した。
 そこから、悠磨くんが映画館での開始時間を検索しだした。
「上映時間まで時間があるから、お昼を食べてから行こう」
 悠磨くんの提案に。
「うん」
 私は、素直に頷いた。

 すると、悠磨くんが、スッと手を差しのべてきた。
 戸惑ってる私に。
「はぐれるといけないから……。」
 少し照れてるのか声が上ずってる悠磨くん。
 私は、オズオズと自分の手を彼の手に乗せると歩き出す。



 映画館の近くにあるファミレスに入ったのだった。


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