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中学生と婚約解消
初デート②…亜耶
しおりを挟む店員さんに案内されて、席に着くと悠磨くんがメニューを渡してきた。
「亜耶、先に決めていいよ。」
ありがたい申し出だった。
こう見えて、目移りするタイプだったから……。
「う~ん……。」
私は、メニューと睨めっこ。
あれもこれも食べたくて目移りしてしまう。
だけど食べきれる自身がない。
う~ん。
あっ、これにしよう。
散々迷ってやっと決めた。
「決まったよ。」
そう言って、悠磨くんにメニューを渡す。
メニューを受け取った悠磨くんは、捲っていく。
さほど迷わずに決まったみたいだ。
「押すよ。」
そう言って、悠磨くんがブザーを押した。
暫くすると店員さんが来た。
「お待たせいたしました。ご注文をどうぞ。」
って言われて、悠磨くんを見ると先に言ってと目で言訴えていたので。
「海老ドリアとドリンクバーで……。」
私は、遠慮がちに言う。
「ハーンバーグセットで。パンとドリンクバーで。」
ハンバーグセット!
流石、男の子だよ。
私、そんなに食べれない。
感心してる間に店員さんがテーブルから、離れていった。
「ねぇ、悠磨くん。映画の後、付き合って欲しいんだけどいいかな?」
私は、断られるっと思いながら言ってみた。
悠磨くんは、一瞬喜んだような顔を見せて。
「うん、いいよ。何を見るの?」
優しい声で聞き返してきた。
「あのね。今度、お兄ちゃんが結婚するんだけどね。二人にサプライズプレゼントしたくて。」
上目遣いで悠磨くんを見やれば、何か思ったのか。
「そっか……。うん。一緒に見て回ろう」
笑顔で答えてくれた。
たわいの無い話をしながらお昼を食べ終えると手を繋いで、映画館に向かった。
二時間弱の映画を観終えて、私たちは、近くのカフェに入った。
注文した品が来てから。
「映画、面白かったね!!」
私は、興奮気味に言う。
「あぁそうだな。あんな展開があるとは、思わなかった」
悠磨くんも目を細めて、内容を思い出したように言う。
うん。
本当に展開が早くて、ハラハラドキドキしっぱなし。
息つく隙なしだったんだよね。
「また、観に来ようね」
私は次の約束みたいに言う。
「うん!」
悠磨くんが、笑顔で答えてくれた。
よかった。
もしかしたら、ことわられるかと思ったから……。
「そろそろ出ようか?」
悠磨くんがそう言うから私は。
「うん。」
って頷いた。
店を出ると。
「……で、何を渡すつもり?」
悠磨くんが聞いてきた。
ちゃんと覚えててくれたんだ。
感動しながら、う~んと考え込む。
「二人で使えるやつで、カップ以外のをって思ってるんだけど…」
私は、思ってることを口にした。
悠磨くんは、私の言葉に顎に手を当てて考え出した。
「じゃあ、雑貨屋がいいのかな?」
その言葉に私は、頷いた。
「……ん。じゃあ、行くか。」
悠磨くんがそう言って私に手を差し出してきたから、そのまま重ねた。
そして、指を絡めるように繋いできた。
これって……もしかしなくても……“恋人繋ぎ”……だよね。
ちょっと……恥ずかしく顔を下げる。
赤くなってるだろう顔を見られたくなかったから……。
悠磨くんがギュッて握ってきたから、私も握り返した。
そして、私の歩幅に合わせる様に歩いてくれる彼。
そんな優しいところが“好き”だなって、思えた。
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