ヒ・ミ・ツ~許嫁は兄の親友~(旧:遠回りして気付いた想い)[完]

麻沙綺

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高校生編と再婚約の条件

新しいスタート…悠磨

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 短い春休みが瞬く間に過ぎ去った。
 仲間だけの旅行も楽しかった。

 それに亜耶と会う時間が何よりオレにとっての大切な時間になってた。



 入学式。
 真新しい制服に腕を通し、亜耶と待ち合わせて、学校に向かった。

「おはよう、悠磨くん。」
 亜耶が真新しい制服を着て、オレに向かって駆け寄ってくる。
「おはよう、亜耶。」
 そんな彼女が愛しくて、口許が綻ぶ。
「制服、似合ってるよ。」
 ボソッと呟くオレ。
 すると亜耶が恥ずかしそうに俯いた。
「悠磨くんこそ、凄く似合うよ。」
 って小声で返してくる亜耶。
 亜耶に誉められたことが嬉しくて、思わず口許を手で隠し。
「ありがとう。」
 って言葉にしてた。

「同じクラスになれるといいね。」
 亜耶が、ニコニコしながら言う。
「ほんと。同じクラスになれたら、最高だよなぁ。」
 こればかりは、どうしよもないんだろうけど……。

 校門を潜り抜け、掲示板を見に行く。
 掲示板には、早くも人垣が出来ていた。
 確認し終わった奴等が、徐々に移動して行く。
 オレは、自分の名前を探した。

 おっ、あった。
 B組だ。
 亜耶は……。
 順に追っていく。
 E組か。
 結構離れたな。

「あ~あ。クラス、離れちゃったね。」
 亜耶が、残念そうに言う。
「仕方ないって。オレ、亜耶のクラスに遊びに行くから……。」
 不安そうな亜耶の頭に手を軽く置いて、オレはそう告げた。
「うん。」
 恥ずかしそうに頷く亜耶。
 ……可愛い。
「ほら、教室に行くよ。」
 オレは、彼女の手をとって靴箱に向かった。



 亜耶のクラスまで送ってから、自分のクラスに移動。
 席は、出席番号順だった。
 オレは、所定の場所に座る。
 すると 。
「初めまして。私、小林泉って言うの。宜しくね。」
 ボーイッシュで元気な女の子が声を掛けてきた。
「あっ、初めまして。渡辺悠磨です。こちらこそ宜しく。」
 慌てて、そう返した。
「悠磨くんって呼んでも?」
 積極的に絡んでくるから、退いてる自分が居る。
「えっ、ああ、いいよ。」
 何とかそれだけ伝えたが。
「私の事、泉って読んでね」
 って、人懐っこい笑顔で言う。
 やけに積極的な子だな。
 自分に自信があるから、あんなんになれるんだろうなぁ。
 まぁ、可愛い部類には入るんだろうが、亜耶には劣るな。
「わかった。」

「ほら、席に着け」
 教室に担任らしき人が教壇に立ってた。
「じゃ、また後でね」
 そう言って、泉は自分の席に戻っていった。



 担任が今日の予定を簡単に説明すると廊下に並んだ。
 ま、出席番号順だから、必然的に一番後ろ。
 オレの前の奴が、振り返ってきて。
「俺、湯川透って言うんだ。お前は?」
 聞いてきた。
「オレ? オレは、渡辺悠磨。宜しくな」
 オレは、さらっと返した。
「悠磨な。宜しく」
 人懐っこい笑みを浮かべて、体育館までを透と話してた。

「悠磨って、彼女居る?」
 唐突に聞かれ、ドキッとした。
「……居るよ。」
 入学早々聞かれるとは、思ってもいなかった。
「へぇー。可愛い?」
 何で、そんな事聞くんだ?
 普通、彼女の事可愛いって思ってるから付き合うんだろうが……。
 何て思いながら。
「……それなりに……。」
 ボソッと濁すように言う。

 亜耶は、誰から見ても可愛いタイプだと思う。
「同じ学校なのか?」
  イヤ、そこまで追求する?
  初対面だぞ、オレたち。
「あぁ、クラス違うけどな」
 って、オレ矛盾してないか?
 教えなくていいのに口から出てしまう言葉。
 やっぱり、浮かれてるんだろうな。
「そうなんだ。今度紹介してくれよ。」
 透が、真顔で言ってきたのが、少し気になったが。
「いいぜ。」
 オレは、そう答えていた。



 式は、順調に進められた。

「あいつ。お金を積んで新入生代表挨拶をもぎ取ったんだって」
 横に座ってる透が耳打ちしてきた。
 へぇー。
「なんでも最初は、成績優秀だった、鞠山亜耶ちゃんが代表の挨拶をする筈だったんだが、大金を積んで代表を得たって話だ」
 何で、こいつは物知りなんだ?
 まぁ、亜耶が代表挨拶しなくて済んだのは、良かったのか……?
 いらぬ心配をしなくて済むから、良かったことにしとこう、うん。


 その後、教室に戻ると簡単な自己紹介をして、解散となった。

「悠磨くん。」
 亜耶が、教室の入り口から笑顔で呼ぶ。
「亜耶……。」
 初日だしオレが、迎えに行こうと思ってたんだが……。
 オレは、鞄を掴むと亜耶の方に向かった。
「帰ろう。」
 亜耶が、歯に噛みながら言う。
「うん。」
 もう、可愛いな。
「悠磨。また、明日な。」
 オレの前の席の透が、声をかけてきた。
「おう、透。またな」
 オレは、透にそう声を掛けて教室を出た。







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