81 / 145
高校生編と再婚約の条件
婚約解消②…遥
しおりを挟む「遥!」
社内の廊下を歩いていたら背後から呼び声がかかった。
振り返ると多香子姉さんが、急ぎ足で俺の所に来る。
「何?」
「細川商事のゆかりさんとの婚約、解消できたからね。」
と、姉さんが笑顔で言う。
エッ……。
「婚約解消できたの?」
信じられなくて直ぐに聞き返す。
「うん。なんかね、鞠山財閥から圧力がとか言ってたけど、遥知らない?」
姉さんが、俺の顔を伺いながら聞いてくる。
思い当たる節が、幾つもありすぎて言えない。
一番妥当なのが亜耶に関するものなんだろうが……。
俺の憶測だけで口にしたらダメだよな。
「俺は知らないよ。まぁ、孫娘に関してのお怒りだと思うけど……。」
それにしては、可笑しい。
俺とゆかり嬢の事は、鞠山財閥には関係ないはず?
嫌、関係あるのか?
俺に関しての事だ。
孫娘の婿に望まれてるなら、細川に圧力を加えるのは致し方ないこと……。
って、俺どんだけ自惚れてるんだ?
何にせよ、婚約が白紙になったんだからよしとしなくては。
「そうなの? しかし、鞠山財閥に楯突くようなことを細川商事はしたの?」
あれ、姉さんは知らないのか?
「そうだね。やってはいけないことをやらかしてるからね、あのお嬢様は。」
俺は、自分が知る限りの事を姉に言おうか迷ったが、言わない方がいいと判断して、口をつぐんだ。
「遥は知ってるんだね。彼女が、何をしたのかを……。」
姉さんが、俺の顔を伺いながら聞いてくる。
「知ってるけど、これを言ったら幻滅すると思うから、言えない。」
裏事情は、俺だけが知ってればいい。
鞠山財閥本社に乗り込んでいき、社長に直談判したなんて言ったら、姉さんが倒れてしまう。
「ふーん。まぁいいや。遥のお陰でここまで立ち直ったんだし、深く追求しないでおく。」
溜め息混じりで言われた。
うん、その方がいいと思う。今後の取引の為にも……。
姉さんが横目で俺を見て
「……で、亜耶ちゃんは取り戻せるの?」
と突然話が変わり焦る俺。
何で、そこで亜耶が出てくるんだ?
黙ってる俺に更に追い討ちをかけるように。
「遥が頑張ってるのは、亜耶ちゃんのためでしょ? アプローチとかしてるの?」
真顔で聞かれたら、答えないわけにはいかない。
「亜耶、今は同い年の奴と付き合ってる。……でも、俺は亜耶を諦めるつもり無いんだ。だから、御大に認めさせてそれから、亜耶に告げるつもり。」
俺は、自分の思ってることを素直に告げた。
姉さんは驚いた顔をし。
「そう……。わかった。私は、応援してるから、頑張りなさいよ。」
パシーン!!
廊下に響く音。
姉さんが、俺の背中を叩く。
「痛いって……。」
俺が、顔を歪めると姉さんが苦笑する。
この顔悪いと思ってねぇな。
「ほら、会議始まっちゃう。急ぐよ。」
姉さんは、足早に会議室を目指す。
俺は、その後を追うように付いて行く。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~
楠ノ木雫
恋愛
突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員、奈央。彼女に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。
ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!
これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に私の好みドンピシャなイケメンを拾い上げてしまった。目覚めたと思ったら、首を絞められる寸前となり絶体絶命!
何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!
※大幅に改稿しました。(旧題:異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!)
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる