95 / 145
高校生編と再婚約の条件
腕時計…亜耶
しおりを挟む由華さんに連れられてきた店は、到底私のお小遣いで買い物に出来るような店じゃなかった。 怖じ気づいて、尻込みしてる私に。
「亜耶ちゃん。気にしなくていいよ、あたしの服を取りに来たんだからね。」
由華さんがニッコリと笑う。
「う、うん……。」
私が頷くと由華さんが、私の背中を押して中に入る。
中に入ると別世界で、色とりどりの服、小物達が出迎えてくれる。
うわ~。
何これ。
一つ一つのモノが、輝いてる。
「どうしたの? 亜耶ちゃん。」
入り口で立ち尽くしてる私に不思議そうに声を掛けてきた由華さん。
「綺麗……。」
私が口にした言葉に由華さんが、クスクス笑ってる。
あっ……。
恥ずかしくなって、下を向く私。
顔に熱が籠るのがわかる。
「亜耶ちゃんの気持ち解るよ。あたしも初めて入った時、そう思ったもの。」
由華さん見れば、優しい笑顔を浮かべていた。
「あたし、注文してたものを取ってくるから、亜耶ちゃんはゆっくり店内見てていいよ。」
由華さんは、そう言って奥に入って行った。
私は、ゆっくりと店内を見渡した。
見るからに高価なものが並んでる。
何か、場違いな感じがしながらもゆっくりと見て回る。
あっ、これ、遥さんに似合いそう。
値段も手頃だし……。
って、買っても渡すことできない……。
あっ……う~ん。
遥さんの喜ぶ顔が見たいな。
何て考えてたら。
「亜耶ちゃん。何かいいものあった?」
由華さんが、後ろから声を掛けてきた。
両手に紙袋を抱えて……。
「あっ、いや……そのー。」
尻込みして言葉がままならない私にショーケースを覗き込む由華さん。
「あぁもしかして、あの時計?」
由華さんが目敏く見つけた。
「……う、うん。遥さんに似合うだろうなって……。」
そう言うと。
「そうだね。良く見ればこれ、ペアウォッチだね。買ったらいいじゃん。」
由華さんが楽しげに言う。
「だけど、渡せない……。」
私の言葉に……。
「雅くんに頼めば大丈夫だよ。……で、亜耶ちゃんが男物のウォッチを着けて、先輩に女物を渡せば。」
由華さんが、意味深な言葉を告げる。
何故、男物を私が……。
不思議に思っていると。
「ん。昔って言ってもあたしが高校の時だけどね。彼の時計と自分の時計を交換して着けたりしてたんだよね。」
茶目っ気たっぷりで言う。
彼って……。
遥さんは、私の彼じゃ……。
「今、亜耶ちゃん先輩は彼じゃないって思った? でも、先輩は、喜ぶと思うよ。」
何て、ニコニコしながら、鋭い指摘なんでしょう。
遥さん、本当に喜んでくれるのかなぁ?
ちょっと不安になる。
「どうする?」
由華さんが、真顔で聞いてくるから。
少し迷いながらも。
「買います。」
私がそう言うと由華さんも嬉しいそうな顔で店員さんを呼んだ。
ペアウォッチを購入して、女性用の方を包んで貰って、男性用のを自分の腕に着けてみた。
「亜耶ちゃん、似合う。」
そうかなぁ?
何か、ごつくない?
「華奢な腕にそのゴツさが、いいんだよ。」
由華さんが、キャッキャとはしゃいでる。
悪戯を成功させた時の顔みたい。
「もし、着けづらかったら、鞄とかに着けるといいよ。」
由華さんが、ニコニコしながらアドバイスをしてくれた。
「こっちは、あたしが預かって、雅くんに渡してもらうように言っておくからね。」
由華さんが、包装された方を手にし自分の事のように喜んでるのがわかる。
「さて、お茶してから帰ろうか。」
由華さんの提案で、近くのカフェに入った。
そのカフェで、遥さんに手紙を書きそれも一緒に渡してもらうように頼んだのだった。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~
楠ノ木雫
恋愛
突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員、奈央。彼女に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。
ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!
これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に私の好みドンピシャなイケメンを拾い上げてしまった。目覚めたと思ったら、首を絞められる寸前となり絶体絶命!
何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!
※大幅に改稿しました。(旧題:異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!)
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる