96 / 145
高校生編と再婚約の条件
腕時計と手紙…遥
しおりを挟む今日は、疲れた。 役員全員に挨拶し、終わって雅斗のところに戻ると直ぐに外回り。
一日歩き回って、久し振りに足がパンパンだ。
こんな時は、亜耶の写真を眺めて風呂でノンビリ癒すしかない。
俺は、携帯のフォルダーに入ってる亜耶の写真専用ボックスを選び、一番好きな写真を呼び出して画面を見いる。
あ~、早く会いてー。
そして、この腕の中に抱き締めたいぜ、亜耶。
って、俺、変態だな。
何て思っていたら。
turrrturrrr…。
亜耶の画像から着信画面に……。
タイミング悪。
何でこんな時に掛かってくるかなぁ。
しかもさっきまで一緒に居た雅斗だし……。
はぁ……。
「もしもし……。」
仕方無しに出ると。
『遥、今大丈夫か?』
何気に声が弾んでないか?
「大丈夫だが……。」
怪しげに答えれば。
『今、お前ん家の前に居るんだが、降りてこれるか?』
はっ?
俺ん家って……。
『高橋先輩に早く渡したくて、来ちゃいました。』
突然声が代わり、驚いてると。
『じゃあ、待ってますね。』
それだけ言って切りやがった。
俺、行くともなんとも言ってねえが……。
沢口は、自分のご都合主義だからな……。
ハァ~。
しゃあね、行くか。
俺は、携帯と鍵を手にして部屋を出た。
下に降りて行くと二人が車から降りて待っていた。
「よっ。」
「先輩、お久し振りです。」
沢口が、ニヤニヤした顔で俺に言う。
「……あぁ。で、俺に渡したいモノって?」
俺は、挨拶もそこそこに問いただす。
コイツに付き合ってられんし……。
まさか、くだらない事で呼んだんじゃないだろうな。
疑心暗鬼になって沢口を睨んでると。
「これです。」
沢口が、誇らしげに何やら包みを差し出してきた。
「俺、誕生日でもないぞ。」
俺の誕生日は、夏だ。
「違いますよ。それ、亜耶ちゃんからの預かりモノです。今日、亜耶ちゃんと買い物に行ったんですよ。で、亜耶ちゃんが、先輩に似合いそうだって言って見てたのがペアウォッチだったんです。で、購入したのはいいんですが、先輩に渡せないからって、あたしが預かってきたんです。」
沢口が得意気に説明をするのを聞きながら、俺は包みを開けた。
……が、入っていたのは女物だ。
これはいったいどういう事だ?
「沢口。これ女物……。」
俺が怪しげに聞けば。
「はい。ペアウォッチだから出来ることですよね。だから、亜耶ちゃんが男物を持っていますよ。」
淡々と言う沢口。
成る程な。
昔に流行ってた事を今やれと……。
まぁ、あの時俺はできなかったけどな……。
「ありがとな」
「どういたしまして」
沢口が、悪戯を成功させたような顔をする。
「それから、これも……。」
って、渡された封筒。
何だ?
「それは、後で見てくださいね。亜耶ちゃんが渡して欲しいって預かったものですから。」
意味深な言葉を投げ掛ける沢口。
「わかった。」
「じゃあ、これで……。」
気が済んだのか、大人しくなる沢口。
「悪かったな、急に呼び出して……。」
雅斗が申し訳なさそうに言う。
どうせ、沢口に言われて断れなかったんだろ。
それぐらいわかりきってる。
「いいよ。これ、サンキューな。」
「あぁ、じゃあ。」
「おぅ」
そう答えると雅斗たちは車に乗り込んで、去っていった。
遠ざかる車を見送り、部屋に戻った。
部屋に戻り、リビングのソファーに座ると早速封を開けた。
そこには、制服姿の亜耶の写真と手紙が入っていた。
手紙を広げると高校生らしい可愛い文字が並んでいる。
“遥さんへ
元気にしてますか?
私は元気です。直接会って、話すには気が引けるので、手紙にしました。
仕事が忙しいって、お兄ちゃんから聞いてます。体壊さないように気を付けてくださいね。
お兄ちゃんに聞いたかと思いますが、陸上競技会にリレーの選手として出ることになりました。もしよかったら、見に来てくださいね(忙しかったら、無理にとは言いません)。
それから腕時計ですが、遥さんが必要なければ、捨ててしまっても構いません(私の自己満足で送ったのですから……)。
P.S.1 あんな酷いこと言ってごめんなさい。遥さんの事傷つけてしまいましたよね。本当にごめんなさい。今度、会った時に訳を話しますね。
P.S.2 遥さんの事、大切な男性ひとだと思ってます。
亜耶”
なんだよこれ……。
こんなラブレター初めてだよ。
直ぐにでも返事を返したい。
……が、便箋なんて洒落たもの持ってない。
仕方がない。
俺は、携帯を手にするとメールを打ったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛
春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。
【完結】俺様御曹司の隠された溺愛野望 〜花嫁は蜜愛から逃れられない〜
椿かもめ
恋愛
「こはる、俺の妻になれ」その日、大女優を母に持つ2世女優の花宮こはるは自分の所属していた劇団の解散に絶望していた。そんなこはるに救いの手を差し伸べたのは年上の幼馴染で大企業の御曹司、月ノ島玲二だった。けれど代わりに妻になることを強要してきて──。花嫁となったこはるに対し、俺様な玲二は独占欲を露わにし始める。
【幼馴染の俺様御曹司×大物女優を母に持つ2世女優】
☆☆☆ベリーズカフェで日間4位いただきました☆☆☆
※ベリーズカフェでも掲載中
※推敲、校正前のものです。ご注意下さい
扉の先は異世界(船)でした。~拾ったイケメンと過ごす異世界航海ライフ~
楠ノ木雫
恋愛
突然異世界の船を手に入れてしまった平凡な会社員、奈央。彼女に残されているのは自分の家とこの規格外な船のみ。
ガス水道電気完備、大きな大浴場に色々と便利な魔道具、甲板にあったよく分からない畑、そして何より優秀過ぎる船のスキル!
これなら何とかなるんじゃないか、と思っていた矢先に私の好みドンピシャなイケメンを拾い上げてしまった。目覚めたと思ったら、首を絞められる寸前となり絶体絶命!
何とも恐ろしい異世界ライフ(船)が今始まる!
※大幅に改稿しました。(旧題:異世界でイケメンを引き上げた!〜突然現れた扉の先には異世界(船)が! 船には私一人だけ、そして海のど真ん中! 果たして生き延びられるのか!)
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる