「春風のメロディ」

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輝きの瞬間

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ライブ当日の朝、美咲は早くに目を覚ました。胸の高鳴りを感じながら、鏡の前で深呼吸を繰り返す。
「大丈夫、きっと大丈夫」
自分に言い聞かせるように呟いた。
集合場所の学校に着くと、すでにメンバーが集まっていた。翔太が美咲に駆け寄ってきた。
「おはよう、美咲。緊張してる?」
「うん、でも...頑張る」
美咲の言葉に、翔太は優しく微笑んだ。
「みんな、行くぞ!」
翔太の掛け声で、バンドメンバーは意気揚々とライブハウスへ向かった。
会場に到着すると、すでに小さな行列ができていた。美咲は驚きの表情を浮かべる。
「こんなに人が...」
「ほら、言ったでしょ。みんな楽しみにしてるんだよ」翔太が励ますように言った。
楽屋で最後の調整をしていると、麻衣が美咲に近づいてきた。
「美咲...これ、お守り」
麻衣は小さなストラップを美咲に手渡した。
「麻衣さん...ありがとう」
二人は小さく微笑み合った。この瞬間、以前の確執が溶けていくのを感じた。
いよいよ本番。美咲たちの出番を待つ間、緊張が最高潮に達する。
「みんな、聞いて」翔太が皆を集めた。「俺たちの音楽を、思いっきり楽しもう」
全員で手を重ね合わせ、深呼吸をした。
そして、ついに彼らの名前がコールされた。
ステージに立つと、想像以上の観客の数に美咲は一瞬たじろぐ。しかし、隣で微笑む翔太の姿に勇気をもらった。
「こんばんは、私たち『Spring Melody』です!」
翔太の挨拶に、会場から歓声が上がる。
イントロが鳴り始め、美咲は目を閉じて深呼吸をした。そして、歌い始めた。
最初は少し震えていた声が、徐々に力強さを増していく。観客の反応に後押しされ、美咲の歌声は会場全体を包み込んでいった。
翔太のギター、健太のドラム、拓也のベース、美玲のキーボード。全ての音が完璧に調和し、美咲の歌声と一体となっていく。
ふと目を開けると、最前列で麻衣が涙を浮かべながら応援している姿が見えた。美咲は心の中で「ありがとう」と呟いた。
ラストの曲。美咲の心に、これまでの思い出が走馬灯のように駆け巡る。翔太との出会い、バンドでの練習、麻衣との和解...全てが今この瞬間につながっていた。
「ありがとう!」
最後の音が鳴り響き、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
ステージを降りると、メンバー全員で抱き合った。麻衣も駆け寄ってきて、美咲を強く抱きしめた。
「最高だったよ、美咲」
麻衣の言葉に、美咲は思わず涙がこぼれた。
その夜、打ち上げの席で翔太が立ち上がった。
「みんな、聞いてくれ。実は今日のライブを見に、プロのスカウトの人が来てたんだ」
全員が驚きの声を上げる。
「なんと、俺たちにCDデビューのオファーがきたんだ!」
歓声が上がる中、美咲は呆然としていた。夢のような話だった。
「これからが本当のスタートライン」翔太は真剣な表情で続けた。「もっと上を目指そう。みんなで一緒に」
全員で乾杯をする中、美咲は深い感動に包まれていた。
帰り道、翔太と二人きりになった美咲は、夜空を見上げながら言った。
「翔太くん、ありがとう。私を誘ってくれて」
「僕こそ、美咲と出会えて本当によかった」
二人は優しく手を繋ぎ、星空の下をゆっくりと歩いていった。
これは終わりではなく、新たな始まり。美咲の心に、希望に満ちた旋律が響き渡っていた。
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