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8章 始まりと始まり
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郁也と再び出会ったのは、井上さんと再会した日の夜の事だった。
時刻は、21時半ちょっと前。
珍しく一番乗りでRe:creationにやってきた俺が、ロビーで教えられた番号のスタジオルームに入ろうとした時、隣の部屋から郁也が出てきた。
「あ」
「あぁ? ……んだよ、お前、まだここ使ってたのかよ」
「チッ」と、わかりやすいぐらいに嫌悪感たっぷりな表情で舌打ちをする郁也。
(わー、清々しいぐらいに、予想通りの反応)
まったく俺達も随分と嫌われたもんだぜ。思わず苦笑をする。
「練習?」と尋ねれば、普通に話しかけてきた俺をどう思ったのか、険しくつりあがった眉尻がぴくりと動いた。
「……終わったから帰るんだよ。背中に背負ってるもんが、見えねぇわけ」
郁也が背負っているベースケースを、その存在を主張させるかのように背負い直した。
あ、なるほど、お帰りのタイミングでしたか。こりゃ失敬。
「邪魔。どけ」と、郁也が短く要求を述べる。「そりゃー、すいませんでしたー」と俺も通路の端に避ける。
あっけらかんと返答してしまったせいだろうか。郁也が再び不機嫌そうに、その眉尻をぴくりと揺らした。
そうして、俺の横を通り過ぎようとして――、ぴたりと足を止めた。
「……お前は」
「ん?」
「…………お前は、怒らねぇのかよ」
「あんな事、言った奴前にして、怒らねぇのかよ」そう、郁也が言葉を続けた。
予想外の言葉に驚く。まさかそんな事を言われるとは露ほどにも思っていなかった。なんて返せばいいかわからず、言葉に窮してしまう。
――と同時に、ふと脳裏にある記憶がよみがえった。
「……おれさ、実はあのあと、ちょっとだけ郁也くんについて調べたんだよね」
「あのあとって、郁也くんと会った日ね」そうコソッと、まるで内緒話でもするように拓弥が俺に言ったのは、俺が優作からのドきつい動画編集に関する指導により死んでいた時の事だった。
バンド練習の傍らで行われる、動画編集に関する指導。今ここでしかゆっくり教えられないからという理由で、初心者相手にも容赦なく情報を詰め込んでくる優作に、指導開始から数分足らずで俺の頭はパンク寸前を迎える事となった。
「アカン。カタカナ、イッパイ。オレ、休憩、求ム」と申し立て、一旦スタジオの外で休憩しようとしたその時、「じゃあおれも」と拓弥が一緒になって外に出てきた。たぶん、あんまりにもフラフラしてる俺を心配してついてきてくれたのだろう。
そうして外でダラダラと休憩していたそこで、ふいに拓弥が言ったのが先の言葉だった。
「調べたってどうやって」と俺が訊ねると、「有名人は検索するだけで名前が出る世の中なんだよ」と拓弥は苦笑しながら、俺にスマホを見せてきた。
そこにあったのは、某有名な情報サイトの画面だった。薄灰色の背景をバックに、青い線で囲まれた四角い枠。その中に黒太字で記載された『新垣郁也』の文字。
友人の名が誰もが知っているような情報サイトに載っている事に驚きながらも、俺はそこに載っていた情報を読んでいった。
簡単なプロフィールに、簡単な人物概要。参加してきたイベントやサポートをしているという楽曲の名前などがずらりと並んでいる。よく知らない曲から、うわー、コイツ、この人のこの曲に関わってたのかよ、と言いたくなる曲まで、さまざまな名前が記載されていた。
しかし一番に俺の目を引いたのは、『略歴』と書かれた項目だった。
郁也のアーティストとしての経歴が、これまた簡単にまとめられた項目。そこに書かれた1文が、俺の目を強く引いた。
――『大学入学後、同級生とバンドを結成。その後、卒業まで活動を行うものの、卒業と同時に解散。以降、スタジオ・ミュージシャンとしての活動を開始する』
これはあとで知ったのだが、『スタジオ・ミュージシャン』というのは、音楽スタジオにてレコーディングや楽曲制作の手伝いをする事を専門としたミュージシャンの事を指すらしい。要は他者のために演奏を行う事を生業としたミュージシャンだ。
バンドのように自分の曲を作って売るのではなく、他者の曲のために演奏をするミュージシャン。
それが、最終的に郁也が選んだ音楽の道だったらしい。
バンドに固執していた郁也が、最終的にスタジオ・ミュージシャンという職を選んだ事は驚きだったが、しかしそれ以上にもう1つ、衝撃的な事があった。
(郁也……、俺達とのバンドをやめた後も、バンドやってたのか)
でもそれも、大学を卒業すると共に解散してしまった。
それがどんな理由で、どんな事情によるものかはわからない。だが、そっからスタジオ・ミュージシャンに転向したという事は、それなりの何かがあった事は想像に固くない。
拓弥は何も言わなかった。
ただ、俺と一緒になってスマホ画面を見つめるその瞳は、どこか少しだけ悲しげな光を携えていたように思う――。
「怒らないよ」
自然と、そんな言葉が口から飛び出した。
郁也が驚いたように、俺の顔を見つめ返す。剣呑とした雰囲気を携えていた瞳が、大きく見開かれ、その鋭さを失う。
なぜ、どうして。そう問うように、その黒目がぐらりと大きく揺らめいた。
「だって、郁也は間違った事、なんにも言ってないじゃん?」
「違う」と、その昔クラスメイトの間違いを指摘した時も、
「まだまだこれからだろっ」と、音楽をやめる事を選んだ俺達を怒鳴った時も、
「あんなんでバンドなんてよく言える」と再会した俺達に向けて、そう言葉をぶつけた時も、
「昔からずっと、お前は自分の道を突き進んでるだけだろ」
自分が正しいと思った事を、自分がそうあるべきだと思う何かを、郁也はずっとずっと貫いてきた。
それで例え周りにどう思われようとも、郁也は決して折れなかった。
それはきっと、誰もが簡単にできるような事ではない。現に、それを貫き通せずに折れてしまったのが、俺や優作、拓弥だ。
誰もができるわけではないそれをやってのける相手を前にして、はたしてどうして怒る必要があるというのか。
郁也が、再びその顔を大きく歪ませた。
だが、先刻のような嫌悪感が込められたものとは違う。どこか苦しげに歪められたその顔は、なんだか今にも泣き出しそうな、そんな表情に見えた。
郁也が歩き出す。そうしてそのまま、何も言わずにロビーの方へと向かっていく。
その背中に向かって、「郁也っ」と俺は声をかけた。
あの日、呼び止められなかったその背中に向かって、ベースが揺れるその背中に向かって――、大きくハッキリと、彼の名前を呼ぶ。
「一緒にバンドできなくて、ごめん」
「……」
郁也が俺の言葉に無言で歩みを止めた。
だがそれもほんの一瞬の事で、次の瞬間には再び歩き出していた。そしてそのまま、一度もこちらを振り返る事なく、郁也は行ってしまった。
(……これでよかったのかな)
はたして、これで間違ってなかったのか。郁也に投げかけた言葉は、ちゃんと郁也に届いてくれたのだろうか。
わからない。でも届いてほしいとは思う。
今も1人、その道を歩み続ける事を選んだ彼に。どうか、この言葉がちゃんと届いていますように。
ぼんやりと立ち尽くしていると、「酒井さん」と、ふいに声がかけられた。
声がした方へ顔を向ける。すると、たかのっぽくんがそこに立っていた。どうやら、今しがた着いたばかりらしい。背中に背負われているベースケースに、ふと目がいく。
困ったような表情が、たかのっぽくんの顔に浮かぶ。何か言いたげな、でも言っていいのかわからない、といった表情。その目がチラチラと、自身がやってきた方向――、ロビーの方へと向けられる。
(あー。これは郁也とすれ違った感じだな)
苦笑がこぼれ落ちる。
まったく、年下に気を遣わせてしまうとは、なんとも情けない大人である。
「大丈夫だよ」と言えば、オロオロとしていたたかのっぽくんの目が、俺の方へと定まった。
心配そうに揺れる灰色の瞳。その瞳に向かって、ニッと笑い返す。
「練習、始めよっか」
俺の言葉に、再びたかのっぽくんの目がロビーの方へ向けられた。オロっ、とやはり不安げな視線。だが、それも少しばかりの事で、俺の方へとその目を戻すと「はい」と頷き返された。
そんなたかのっぽくんに、「さぁー、今日も頑張るぞー」と声を張りあげて笑いながら、俺はスタジオの扉を開けたのだった。
時刻は、21時半ちょっと前。
珍しく一番乗りでRe:creationにやってきた俺が、ロビーで教えられた番号のスタジオルームに入ろうとした時、隣の部屋から郁也が出てきた。
「あ」
「あぁ? ……んだよ、お前、まだここ使ってたのかよ」
「チッ」と、わかりやすいぐらいに嫌悪感たっぷりな表情で舌打ちをする郁也。
(わー、清々しいぐらいに、予想通りの反応)
まったく俺達も随分と嫌われたもんだぜ。思わず苦笑をする。
「練習?」と尋ねれば、普通に話しかけてきた俺をどう思ったのか、険しくつりあがった眉尻がぴくりと動いた。
「……終わったから帰るんだよ。背中に背負ってるもんが、見えねぇわけ」
郁也が背負っているベースケースを、その存在を主張させるかのように背負い直した。
あ、なるほど、お帰りのタイミングでしたか。こりゃ失敬。
「邪魔。どけ」と、郁也が短く要求を述べる。「そりゃー、すいませんでしたー」と俺も通路の端に避ける。
あっけらかんと返答してしまったせいだろうか。郁也が再び不機嫌そうに、その眉尻をぴくりと揺らした。
そうして、俺の横を通り過ぎようとして――、ぴたりと足を止めた。
「……お前は」
「ん?」
「…………お前は、怒らねぇのかよ」
「あんな事、言った奴前にして、怒らねぇのかよ」そう、郁也が言葉を続けた。
予想外の言葉に驚く。まさかそんな事を言われるとは露ほどにも思っていなかった。なんて返せばいいかわからず、言葉に窮してしまう。
――と同時に、ふと脳裏にある記憶がよみがえった。
「……おれさ、実はあのあと、ちょっとだけ郁也くんについて調べたんだよね」
「あのあとって、郁也くんと会った日ね」そうコソッと、まるで内緒話でもするように拓弥が俺に言ったのは、俺が優作からのドきつい動画編集に関する指導により死んでいた時の事だった。
バンド練習の傍らで行われる、動画編集に関する指導。今ここでしかゆっくり教えられないからという理由で、初心者相手にも容赦なく情報を詰め込んでくる優作に、指導開始から数分足らずで俺の頭はパンク寸前を迎える事となった。
「アカン。カタカナ、イッパイ。オレ、休憩、求ム」と申し立て、一旦スタジオの外で休憩しようとしたその時、「じゃあおれも」と拓弥が一緒になって外に出てきた。たぶん、あんまりにもフラフラしてる俺を心配してついてきてくれたのだろう。
そうして外でダラダラと休憩していたそこで、ふいに拓弥が言ったのが先の言葉だった。
「調べたってどうやって」と俺が訊ねると、「有名人は検索するだけで名前が出る世の中なんだよ」と拓弥は苦笑しながら、俺にスマホを見せてきた。
そこにあったのは、某有名な情報サイトの画面だった。薄灰色の背景をバックに、青い線で囲まれた四角い枠。その中に黒太字で記載された『新垣郁也』の文字。
友人の名が誰もが知っているような情報サイトに載っている事に驚きながらも、俺はそこに載っていた情報を読んでいった。
簡単なプロフィールに、簡単な人物概要。参加してきたイベントやサポートをしているという楽曲の名前などがずらりと並んでいる。よく知らない曲から、うわー、コイツ、この人のこの曲に関わってたのかよ、と言いたくなる曲まで、さまざまな名前が記載されていた。
しかし一番に俺の目を引いたのは、『略歴』と書かれた項目だった。
郁也のアーティストとしての経歴が、これまた簡単にまとめられた項目。そこに書かれた1文が、俺の目を強く引いた。
――『大学入学後、同級生とバンドを結成。その後、卒業まで活動を行うものの、卒業と同時に解散。以降、スタジオ・ミュージシャンとしての活動を開始する』
これはあとで知ったのだが、『スタジオ・ミュージシャン』というのは、音楽スタジオにてレコーディングや楽曲制作の手伝いをする事を専門としたミュージシャンの事を指すらしい。要は他者のために演奏を行う事を生業としたミュージシャンだ。
バンドのように自分の曲を作って売るのではなく、他者の曲のために演奏をするミュージシャン。
それが、最終的に郁也が選んだ音楽の道だったらしい。
バンドに固執していた郁也が、最終的にスタジオ・ミュージシャンという職を選んだ事は驚きだったが、しかしそれ以上にもう1つ、衝撃的な事があった。
(郁也……、俺達とのバンドをやめた後も、バンドやってたのか)
でもそれも、大学を卒業すると共に解散してしまった。
それがどんな理由で、どんな事情によるものかはわからない。だが、そっからスタジオ・ミュージシャンに転向したという事は、それなりの何かがあった事は想像に固くない。
拓弥は何も言わなかった。
ただ、俺と一緒になってスマホ画面を見つめるその瞳は、どこか少しだけ悲しげな光を携えていたように思う――。
「怒らないよ」
自然と、そんな言葉が口から飛び出した。
郁也が驚いたように、俺の顔を見つめ返す。剣呑とした雰囲気を携えていた瞳が、大きく見開かれ、その鋭さを失う。
なぜ、どうして。そう問うように、その黒目がぐらりと大きく揺らめいた。
「だって、郁也は間違った事、なんにも言ってないじゃん?」
「違う」と、その昔クラスメイトの間違いを指摘した時も、
「まだまだこれからだろっ」と、音楽をやめる事を選んだ俺達を怒鳴った時も、
「あんなんでバンドなんてよく言える」と再会した俺達に向けて、そう言葉をぶつけた時も、
「昔からずっと、お前は自分の道を突き進んでるだけだろ」
自分が正しいと思った事を、自分がそうあるべきだと思う何かを、郁也はずっとずっと貫いてきた。
それで例え周りにどう思われようとも、郁也は決して折れなかった。
それはきっと、誰もが簡単にできるような事ではない。現に、それを貫き通せずに折れてしまったのが、俺や優作、拓弥だ。
誰もができるわけではないそれをやってのける相手を前にして、はたしてどうして怒る必要があるというのか。
郁也が、再びその顔を大きく歪ませた。
だが、先刻のような嫌悪感が込められたものとは違う。どこか苦しげに歪められたその顔は、なんだか今にも泣き出しそうな、そんな表情に見えた。
郁也が歩き出す。そうしてそのまま、何も言わずにロビーの方へと向かっていく。
その背中に向かって、「郁也っ」と俺は声をかけた。
あの日、呼び止められなかったその背中に向かって、ベースが揺れるその背中に向かって――、大きくハッキリと、彼の名前を呼ぶ。
「一緒にバンドできなくて、ごめん」
「……」
郁也が俺の言葉に無言で歩みを止めた。
だがそれもほんの一瞬の事で、次の瞬間には再び歩き出していた。そしてそのまま、一度もこちらを振り返る事なく、郁也は行ってしまった。
(……これでよかったのかな)
はたして、これで間違ってなかったのか。郁也に投げかけた言葉は、ちゃんと郁也に届いてくれたのだろうか。
わからない。でも届いてほしいとは思う。
今も1人、その道を歩み続ける事を選んだ彼に。どうか、この言葉がちゃんと届いていますように。
ぼんやりと立ち尽くしていると、「酒井さん」と、ふいに声がかけられた。
声がした方へ顔を向ける。すると、たかのっぽくんがそこに立っていた。どうやら、今しがた着いたばかりらしい。背中に背負われているベースケースに、ふと目がいく。
困ったような表情が、たかのっぽくんの顔に浮かぶ。何か言いたげな、でも言っていいのかわからない、といった表情。その目がチラチラと、自身がやってきた方向――、ロビーの方へと向けられる。
(あー。これは郁也とすれ違った感じだな)
苦笑がこぼれ落ちる。
まったく、年下に気を遣わせてしまうとは、なんとも情けない大人である。
「大丈夫だよ」と言えば、オロオロとしていたたかのっぽくんの目が、俺の方へと定まった。
心配そうに揺れる灰色の瞳。その瞳に向かって、ニッと笑い返す。
「練習、始めよっか」
俺の言葉に、再びたかのっぽくんの目がロビーの方へ向けられた。オロっ、とやはり不安げな視線。だが、それも少しばかりの事で、俺の方へとその目を戻すと「はい」と頷き返された。
そんなたかのっぽくんに、「さぁー、今日も頑張るぞー」と声を張りあげて笑いながら、俺はスタジオの扉を開けたのだった。
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