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8章 始まりと始まり
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丸型の黒いラジカセ。テープとCDの両方を聴けるタイプのそれは、パッと見のデザインこそそんなに古くは見えないが、ところどころの細かな傷から、それなりに長い間使われてきた代物であろう事がよくわかる。
「ラジカセなんて持ってきてどうするのさ、透くん」
「お前、まさか今からこれ使って録音しようとかアホな事言い出すんじゃねぇだろうな」
拓弥が不安げに、優作が疑わしげに、その目をこちらに向けてくる。
「やだなぁ、さすがにそこまでアホなじゃねぇよぉ」と2人の視線をかわしながら、俺はスタジオルームの端に置いていた自分の鞄のもとへ向かった。
そうしてガサガサと鞄を漁り、「本命は、こちらで~す」と、その中にしまっていた『それ』を取り出した。
「「あ」」と声をあげたのは拓弥と優作。取り出されたものの意味がわからずに首をかしげたのは、たかのっぽくん。
先程とは違って、2種類の驚愕に別れた視線達が、俺の手の中の物へ注がれる。
「ヒーロックのペンケース。開け忘れていた俺達のタイムカプセルだよ」
そう言って、俺は手の中にあるヒーロックのペンケース――、今の今までずっと放置し続けてきた、タイムカプセルを軽く縦に振った。
カタカタッ、と何か固い物がぶつかった音がケースの中から聞こえる。
「あ~っ、そういえば開けてなかったね、それ」
「うわ、マジか。完っ全に忘れてたぜ。つーか、今ここで持ってくるか、普通」
拓弥と優作が、わ~っ、とそれぞれに声をあげる。現状を唯一理解しきれていないたかのっぽくんだけが、「ひーろ……?」と、不思議そうに首をかしげ続けている。
おっと、たかのっぽくん。君、ヒーロックを知らない世代か。まぁ流行ったの、俺達3人が子供の頃だもんね。知らなくてもしかないか。
さすがにヒーロックてのはねぇ、なんて説明している場面でもないので、「昔、俺達が埋めたタイムカプセルだよ」と簡単な説明を補足するだけで留める。
「俺、優作、拓弥、あと郁也の4人で埋めたんだ」と続ければ、「郁也さん……」とたかのっぽくんが、ぴくりと肩を揺らした。
「これをね、この4人で聴きたくてさ、持ってきたんだ、俺」
言いながら、ペンケースのフタを明ける。カタッ、と、長年の土中生活で染み付いた汚れやサビでまみれたペンケースのフタが、埋めた当時となんら変わらないスムーズな動きで、俺の手の中で開かれる。
そうして開かれた中、そこに現れたのは記憶していた通りの物。
1本のカセットテープが――、姿を現した。
優作、拓弥が、目の前にある過去の産物に反応懐かしむように目を細める。どうやら、2人もカプセルの中身をちゃんと覚えていたようだ。
その事にホッとしていると、「カセットテープ……、ですか」と、たかのっぽくんが呟いた。
「……俺、カセットテープ、初めて見ました」
「うっそっ、マジで⁉」
ぽつりと続けられたたかのっぽくんの言葉に、思わず声を荒げた。
「えっ⁉」「はっ⁉」と拓弥と優作も弾かれたように、たかのっぽくんの方へ振り返った。
「初めてって、えっ、本気で⁉ 一度も⁉」
「あ、えっと、一応媒体としての存在は知っていましたが……。実物を目にしたことはなかったと言いますか……」
「あ~っ、そういやぁ、たかのっぽくんって確か、俺らの7つ下だっけか?」
「大学2年生って事で計算しても、2000年代の生まれである事は確かだよね。よく考えればさ、そのぐらいからだよね、カセットテープ見なくなり始めたのって」
「うわっ、俺今、ヒーロックの時より、ダメージ来てる」
知らない世代の差はでかいぞーっ、と頭を抱え呻く大人3人組を、たかのっぽくんがオロオロと見回す。
「す、すいません……」と、申し訳無さそうにしょんぼりとする年下のイケメン。
さすがに罪悪感がわいてきたので、「いいのよ、年の差はしかたないさ」と苦笑し返す。
「じゃあ、あれか。デモテープって単語も知らなかったりする感じか」
「……デモソング、じゃなくてですか」
優作の質問に、たかのっぽくんがキュッと眉間にしわを寄せながら答えた。
うーん、なっかなかのジェネレーションギャップだぜ、こりゃあ。
まさかここに来て、年の差という壁が俺達を襲ってくる事になるとは思わなかったわ。主に20代後半30代間近のおっさん達の方に、だけど。
「まぁ、デモテープもデモソングも意味合いはそんなに変わらないけどね」とちょっとだけ泣きたい気持ちを抑えながら、たかのっぽくんに説明する。「要はデモの音源をテープに吹き込んだものだよ」と続ければ、「はー……」と、感動するような相槌が返された。
「……これはね、俺達4人がさ、初めて撮ったデモテープなんだ」
ケースに入っていたおかげか、そんなに汚れているようには見受けられない。音源を撮った時とほぼなんら変わらない姿のテープを眺めながら、俺は当時の事を思い返す。
――それは中学に入って、半年程した時のこと。
言い出したのはやはりというか郁也で、ある日「デモテープを撮ってみないか」と、そう唐突に郁也が俺達に提案してきたのだ。
中学生になった俺達は、『部活動』という名目で『軽音部』を結成し、それ理由に大人達から自分達用の楽器を購入してもらっていた。
放課後は毎日部室にこもって練習をし、その甲斐があってか、郁也がデモテープについて言い出したぐらいの頃には、簡単な譜面のものであれば楽曲のカバーができるまでになっていたように思う。
今にして思えば、郁也の発言はそんな俺達の現状を見た上でのものだったのだろう。
なんでもいいからバンドとして形になりそうな何かを、きっと郁也は作ってみたかったのだ。
「デモテープとかって言われちゃあ、やっぱりかっこいいし、やってみたいって思っちゃうじゃん? 無論、満場一致で制作する事が決まったわけよ。それで、郁也がそう提案してきた数日後ぐらいには、このデモテープ撮って、それで、これをタイムカプセルにしないかって話になったんだ」
世界をアッと言わせるビックなバンド。そのバンドが最初に撮った音源が、タイムカプセルとして掘り返される――、そんなの面白いに決まっている。
一も二もなくテープを埋める事が決まり、そしてその入れ物としてヒーロックのペンケースが、埋める先としてあの秘密基地が、選ばれる事となった。
俺達が出会う事になったきっかけと、その青春時代を過ごした大切な場所として――。
「と言っても、結局のところバンドは解散しちゃったから、そんな面白い事にはならなかったんだけどね。これも、埋めた場所が開拓工事されるーって事にならなかったら、ずっと地面に埋まってたままだったかもだし」
しかも掘り返したはいいものの、皆が皆、それ以外の事に気を取られて、結局今日この日まで開けずに来るっていうねー。
これ掘り返してからもう2ヶ月ですよ。いい加減、放置しすぎだわってなるよね。
俺の話を全て聞き終えたたかのっぽくんが、困ったようにその視線をさまよわせた。
「あの、それ、本当に俺も聴いていいやつなんですか。今の話を聞いた感じ、皆さんの大切な思い出の品って事ですよね」
「俺、逆にいない方がいいんじゃ……」と、たかのっぽくんが不安そうに言葉を続ける。
うん、そうだよね、そう思っちゃうよね。君はそういう優しい子だよ。予想通りの返答に苦笑しながら、俺は「ううん」と首を横に振った。
「君にも聴いてほしいんだ。俺達のバンドの一員として、俺達のバンドの始まりを」
「!」
たかのっぽくんが目を見開く。
灰色の、俺達3人の誰とも違う色の瞳が、ぐるりと自身の周りにいるバンドメンバーを見回す。
優作が、まぁいいんじゃねぇの、というように肩をすくめた。拓弥が、穏やかな笑みを浮かべてたかのっぽくんを見返す。
そんな2人からの反応を見たたかのっぽくんが、やはり戸惑ったような表情を顔に浮かべながら俯いた。
だが少しすると、何かを決心したかのように顔をあげ、
「わかりました」
「聴きます」――そう言って、真っ直ぐな目を、俺の方へ向けてきた。
その言葉の力強さに、思わず口角があがる。「ありがとう」と、自然と言葉が口からこぼれ落ちた。
真っ直ぐで、純粋で、確かな熱意のある瞳。
なんだかちょっとだけ、あの頃の本気で音楽を追っていた頃の自分達が抱えていたものが、そこにあるような気がした。
「――じゃあ、かけるよ」
3人の顔を見回しながら尋ねる。こくりと、誰もが無言で頷き返してくれたのを確認し、俺はテープを持ってラジカセの方へ向かう。
ラジカセの前面部に設けられた、テープをセットする箇所のフタを開ける。テープをセットし、フタを閉め、ラジカセ上部に設置された再生ボタンへ手を伸ばした。
緊張と、一瞬の躊躇い。それらが交ざりあって、ボタンを押そうとした手が、ピタリと止まる。
だが、それも数秒のこと。軽く深呼吸をし、よし、と気合いをいれると、俺はボタンを押した。
そして――、
「ラジカセなんて持ってきてどうするのさ、透くん」
「お前、まさか今からこれ使って録音しようとかアホな事言い出すんじゃねぇだろうな」
拓弥が不安げに、優作が疑わしげに、その目をこちらに向けてくる。
「やだなぁ、さすがにそこまでアホなじゃねぇよぉ」と2人の視線をかわしながら、俺はスタジオルームの端に置いていた自分の鞄のもとへ向かった。
そうしてガサガサと鞄を漁り、「本命は、こちらで~す」と、その中にしまっていた『それ』を取り出した。
「「あ」」と声をあげたのは拓弥と優作。取り出されたものの意味がわからずに首をかしげたのは、たかのっぽくん。
先程とは違って、2種類の驚愕に別れた視線達が、俺の手の中の物へ注がれる。
「ヒーロックのペンケース。開け忘れていた俺達のタイムカプセルだよ」
そう言って、俺は手の中にあるヒーロックのペンケース――、今の今までずっと放置し続けてきた、タイムカプセルを軽く縦に振った。
カタカタッ、と何か固い物がぶつかった音がケースの中から聞こえる。
「あ~っ、そういえば開けてなかったね、それ」
「うわ、マジか。完っ全に忘れてたぜ。つーか、今ここで持ってくるか、普通」
拓弥と優作が、わ~っ、とそれぞれに声をあげる。現状を唯一理解しきれていないたかのっぽくんだけが、「ひーろ……?」と、不思議そうに首をかしげ続けている。
おっと、たかのっぽくん。君、ヒーロックを知らない世代か。まぁ流行ったの、俺達3人が子供の頃だもんね。知らなくてもしかないか。
さすがにヒーロックてのはねぇ、なんて説明している場面でもないので、「昔、俺達が埋めたタイムカプセルだよ」と簡単な説明を補足するだけで留める。
「俺、優作、拓弥、あと郁也の4人で埋めたんだ」と続ければ、「郁也さん……」とたかのっぽくんが、ぴくりと肩を揺らした。
「これをね、この4人で聴きたくてさ、持ってきたんだ、俺」
言いながら、ペンケースのフタを明ける。カタッ、と、長年の土中生活で染み付いた汚れやサビでまみれたペンケースのフタが、埋めた当時となんら変わらないスムーズな動きで、俺の手の中で開かれる。
そうして開かれた中、そこに現れたのは記憶していた通りの物。
1本のカセットテープが――、姿を現した。
優作、拓弥が、目の前にある過去の産物に反応懐かしむように目を細める。どうやら、2人もカプセルの中身をちゃんと覚えていたようだ。
その事にホッとしていると、「カセットテープ……、ですか」と、たかのっぽくんが呟いた。
「……俺、カセットテープ、初めて見ました」
「うっそっ、マジで⁉」
ぽつりと続けられたたかのっぽくんの言葉に、思わず声を荒げた。
「えっ⁉」「はっ⁉」と拓弥と優作も弾かれたように、たかのっぽくんの方へ振り返った。
「初めてって、えっ、本気で⁉ 一度も⁉」
「あ、えっと、一応媒体としての存在は知っていましたが……。実物を目にしたことはなかったと言いますか……」
「あ~っ、そういやぁ、たかのっぽくんって確か、俺らの7つ下だっけか?」
「大学2年生って事で計算しても、2000年代の生まれである事は確かだよね。よく考えればさ、そのぐらいからだよね、カセットテープ見なくなり始めたのって」
「うわっ、俺今、ヒーロックの時より、ダメージ来てる」
知らない世代の差はでかいぞーっ、と頭を抱え呻く大人3人組を、たかのっぽくんがオロオロと見回す。
「す、すいません……」と、申し訳無さそうにしょんぼりとする年下のイケメン。
さすがに罪悪感がわいてきたので、「いいのよ、年の差はしかたないさ」と苦笑し返す。
「じゃあ、あれか。デモテープって単語も知らなかったりする感じか」
「……デモソング、じゃなくてですか」
優作の質問に、たかのっぽくんがキュッと眉間にしわを寄せながら答えた。
うーん、なっかなかのジェネレーションギャップだぜ、こりゃあ。
まさかここに来て、年の差という壁が俺達を襲ってくる事になるとは思わなかったわ。主に20代後半30代間近のおっさん達の方に、だけど。
「まぁ、デモテープもデモソングも意味合いはそんなに変わらないけどね」とちょっとだけ泣きたい気持ちを抑えながら、たかのっぽくんに説明する。「要はデモの音源をテープに吹き込んだものだよ」と続ければ、「はー……」と、感動するような相槌が返された。
「……これはね、俺達4人がさ、初めて撮ったデモテープなんだ」
ケースに入っていたおかげか、そんなに汚れているようには見受けられない。音源を撮った時とほぼなんら変わらない姿のテープを眺めながら、俺は当時の事を思い返す。
――それは中学に入って、半年程した時のこと。
言い出したのはやはりというか郁也で、ある日「デモテープを撮ってみないか」と、そう唐突に郁也が俺達に提案してきたのだ。
中学生になった俺達は、『部活動』という名目で『軽音部』を結成し、それ理由に大人達から自分達用の楽器を購入してもらっていた。
放課後は毎日部室にこもって練習をし、その甲斐があってか、郁也がデモテープについて言い出したぐらいの頃には、簡単な譜面のものであれば楽曲のカバーができるまでになっていたように思う。
今にして思えば、郁也の発言はそんな俺達の現状を見た上でのものだったのだろう。
なんでもいいからバンドとして形になりそうな何かを、きっと郁也は作ってみたかったのだ。
「デモテープとかって言われちゃあ、やっぱりかっこいいし、やってみたいって思っちゃうじゃん? 無論、満場一致で制作する事が決まったわけよ。それで、郁也がそう提案してきた数日後ぐらいには、このデモテープ撮って、それで、これをタイムカプセルにしないかって話になったんだ」
世界をアッと言わせるビックなバンド。そのバンドが最初に撮った音源が、タイムカプセルとして掘り返される――、そんなの面白いに決まっている。
一も二もなくテープを埋める事が決まり、そしてその入れ物としてヒーロックのペンケースが、埋める先としてあの秘密基地が、選ばれる事となった。
俺達が出会う事になったきっかけと、その青春時代を過ごした大切な場所として――。
「と言っても、結局のところバンドは解散しちゃったから、そんな面白い事にはならなかったんだけどね。これも、埋めた場所が開拓工事されるーって事にならなかったら、ずっと地面に埋まってたままだったかもだし」
しかも掘り返したはいいものの、皆が皆、それ以外の事に気を取られて、結局今日この日まで開けずに来るっていうねー。
これ掘り返してからもう2ヶ月ですよ。いい加減、放置しすぎだわってなるよね。
俺の話を全て聞き終えたたかのっぽくんが、困ったようにその視線をさまよわせた。
「あの、それ、本当に俺も聴いていいやつなんですか。今の話を聞いた感じ、皆さんの大切な思い出の品って事ですよね」
「俺、逆にいない方がいいんじゃ……」と、たかのっぽくんが不安そうに言葉を続ける。
うん、そうだよね、そう思っちゃうよね。君はそういう優しい子だよ。予想通りの返答に苦笑しながら、俺は「ううん」と首を横に振った。
「君にも聴いてほしいんだ。俺達のバンドの一員として、俺達のバンドの始まりを」
「!」
たかのっぽくんが目を見開く。
灰色の、俺達3人の誰とも違う色の瞳が、ぐるりと自身の周りにいるバンドメンバーを見回す。
優作が、まぁいいんじゃねぇの、というように肩をすくめた。拓弥が、穏やかな笑みを浮かべてたかのっぽくんを見返す。
そんな2人からの反応を見たたかのっぽくんが、やはり戸惑ったような表情を顔に浮かべながら俯いた。
だが少しすると、何かを決心したかのように顔をあげ、
「わかりました」
「聴きます」――そう言って、真っ直ぐな目を、俺の方へ向けてきた。
その言葉の力強さに、思わず口角があがる。「ありがとう」と、自然と言葉が口からこぼれ落ちた。
真っ直ぐで、純粋で、確かな熱意のある瞳。
なんだかちょっとだけ、あの頃の本気で音楽を追っていた頃の自分達が抱えていたものが、そこにあるような気がした。
「――じゃあ、かけるよ」
3人の顔を見回しながら尋ねる。こくりと、誰もが無言で頷き返してくれたのを確認し、俺はテープを持ってラジカセの方へ向かう。
ラジカセの前面部に設けられた、テープをセットする箇所のフタを開ける。テープをセットし、フタを閉め、ラジカセ上部に設置された再生ボタンへ手を伸ばした。
緊張と、一瞬の躊躇い。それらが交ざりあって、ボタンを押そうとした手が、ピタリと止まる。
だが、それも数秒のこと。軽く深呼吸をし、よし、と気合いをいれると、俺はボタンを押した。
そして――、
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