僕は空「気」になりました

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6章 淀んだ空気

僕は空「気」になりました

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太陽の周りを冷気となって漂い始めてから、何日が経ったのだろうか。

レンガと土塀でできた君の部屋は、地震によって荒れ果てていた。

壁には大きな亀裂が生じ、小さく歪んだ窓から朝日が差し込む。埃がカーテンのように白く浮かび上がり、薄暗い部屋をぼんやりと照らしていた。

亀裂からは水が滴り落ち、湿気を帯びた部屋はもはや人が住める状態ではなかった。君は数日間の疲労が限界に達したのか、ベッドに倒れ込むようにして眠りについていた。  

そこへ、数年前に出会った別の空気が、地震で傾いた窓の隙間からそっと入り込んできた。

「久しぶりだな」と挨拶を交わし、彼は言った。「空を殺した相手を見つけたようだな」と。

「ああ、やっと見つけたんだ」と僕は答える。「今だよ。寝ている間に殺してしまおう」とその空気は僕をけしかけた。

「君なら簡単だろう? さあ、早く止めを刺してしまえ。手伝おうか?」と畳み掛けるが、僕はためらっていた。あの夏の記憶が鮮やかに蘇ってきたからだ。君が耳元で囁いた「好きだよ」という吐息が、今も胸の奥で響いていた。  

その空気がふと尋ねた。「あの棚にある写真、君が空気になる前のものだろ? 二人とも可愛い顔をしてるじゃないか」

僕もその写真に目をやると、それは懐かしい教室での一枚だった。

それだけではない。棚には、僕と君が一緒に写った写真がいくつも大切そうに飾られていた。空気が冷たく言う。「こいつ、サディストだな。殺した相手の写真を記念品みたいに飾るなんて、悪趣味な奴だ」

その言葉は僕を諫めるためのものだと感じたが、心に刺さる言葉だった。  

「よく考えるんだな」と言い残し、その空気は部屋から流れ出ていった。

今、部屋には僕と太陽だけがいる。僕は君の体の埃を払うようにそっと撫で、ベッド脇の壁に貼られた新聞の切り抜きに目を奪われた。

そこには、「溺れた同級生を助けようとした友人が死亡」という見出しと共に、その詳細が記されていた。

――僕が、太陽を助けようとして死んだ?

僕は名残惜しいが太陽の元を去った

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