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第3章「幻蝶、不機嫌ミア」
第25話「結婚しちゃう?」
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お見合い当日。満月の美しい夜だ。ただし、相も変わらず蝶が川をなして飛んでいる。紫色に光輝くそれらが妖しく見えた。誰も見向きもしていないけど。
気にするだけ無駄なので、最近は日常になりつつあった。ため息を吐き、馬車の中に視線を戻す。
「なーに、ため息なんかついてるの?」
お見合いの会場である、高級ホテルまでの道中――その馬車の中で、向かいの席にはドレス姿のルーシーがいた。
最近はメイド服を見慣れてきていたため、妙にどぎまぎする。深紅のドレスは彼女の体にぴったりと合っており、可憐さを増していた。普段はしていない、雫のような形をしたイヤリングが眩しい。
「じっと見つめて、なに? 惚れちゃった?」
そんな格好しているからか、仕草まで艶やかに感じる。どちらかというと子供っぽさが目立つルーシーだが、かなり心にぐっとくるものがあった。
顎に人差し指をあてて悪戯っぽく訊いてくる様子は、もはやこちらを殺しに来ているとしか思えなかった。
本人にそんな気はないのだろうけど。
「……知らん。そんな可愛いのが悪い。話しづらい」
「話しづらいって酷いなぁ。ふふっ、でも可愛いかあー。ありがとう、ロルフ」
頼むから、そんなに嬉しそうにしないで欲しい。本当に調子が狂う。
「なあ、なんでお前までいるんだ?」
「んー、ミアから監視するようにって言われたんだ。悪い虫が付かないようにって」
監視役か……。まあ気にしている余裕なんかないんだけど……。
なにしろ相手のことが一切分からない。ギルド長がああいうものの、情報はくれるんじゃないかなと半ば期待していたのだが。……本当になにも知らないまま当日を迎えてしまった。
そんなお見合い、聞いたことがない。
「ねえ、やっぱり緊張する?」
「ん? そりゃそうだろ。なにも分からないんだぞ。なにを話せばいいんだよ……」
「ふーん……。そういうものかー。私は楽しみだけどなー」
「そりゃ、見ている分には楽しいだろうけどさ……」
馬車が止まる。どうやら目的地に着いたようだ。御者が外からノックをして、到着を知らせる。
「開けてもよろしいですか?」
「ああ、頼む」
扉が開いた。向こうには煌びやかな照明が待ち受けているのが見える。
「ロルフ、エスコートして」
「え? なんでだよ? レストランに相手がいるのに」
「そこまででいいから、ね。せっかくだから、気分を味わいたいのっ!」
突然駄々っ子のように言い始めるルーシー。うーん、まあそれくらい、いいか。この方がいつもの彼女らしい。ほっとする。
「はあ、分かったよ……」
「やった!」
ルーシーの希望通りにするべく、先に馬車を降りて、彼女が降りるのを手伝う。
「……では、お嬢様。この手をお取り下さい」
「うふふ、はい」
小さくてもしっかりと女の子らしい柔らかい手が、ロルフを掴む。ルーシーは危なげなく地表に降り立った。
「じゃっ、レストランまでお願いねっ!」
ルーシーお嬢様は、ロルフの腕を抱いてホテルを指差す。柔らかいものが腕に当たっているが、きっと気のせいだろう。そのはずだ。柑橘系の好ましい香りがするのも、きっと気のせいだ。
「承知しました、お嬢様」
「ふふっ、なんか変な感じ」
「笑うなよ。こっちは恥ずかしいってのに……」
「ごめん、ごめん。楽しくって、じゃ、行こっ!」
「はいはい」
ちらっと御者を見ると、にこにことしており、笑うのを堪えていた。
あー、これは絶対に屋敷でからかわれる。
御者は、ミアの学校への送迎を担当している者なので、顔見知りだった。屋敷内に広まるということは、ミアやレイラの耳にも入るということで――同じことをせがまれる未来が、一瞬にして想像出来てしまった。
「ロルフー?」
「ああ、ごめん。行くか」
「なにー、緊張しすぎだよ。もっと気軽に考えなきゃ」
「それができれば苦労しないって……」
お見合いの場所は王国内にある高級ホテル、その最上階にあるレストランだ。
どの世界でもこういうのは変わらないな。
エントランスからホテル内に入り、無駄にふかふかな絨毯を二人で進む。異世界とは思えない。前の世界に戻った気分になる。
豪華絢爛。
ホテルを一言で要約すればそうなるのだろう。あいにくと小市民のロルフには、飾られている調度品の数々や、建物の素晴らしさは分からなかったが。ただただ、凄いなという感想しか湧いてこない。
エレベーターの中までそんな調子なのだから、恐れ入る。
場違い感が凄い。
「いやーすごいね。目がぐるぐるしそう」
「……同感だ」
レストランの最上階までは数分もかからなかった。しかし、エレベーターを降りる頃には、ロルフたちともう一組の夫婦らしき者しかいなくなっていた。
エレベーターが開くと、正面にはレストランの受付があった。その向こうには従業員がいる。
夫婦は受付をしているようだった。その様子から見て、ここがすでにレストランの入口らしい。
「じゃあ――」
ルーシーとはここで別々に分かれ、入るのだろうと思っていた。しかし、腕が離れることは無かった。
それどころか、訝しむロルフを連れて受付に進む。夫婦を受付しているのとは別の従業員だ。
「ルーシー?」
「あっ、今夜予約していたルーシー・イングリスとロルフ・ダールです」
従業員が手元を確認し、こちらを見る。
「……確認いたしました。こちらへどうぞ」
疑問を訊こうとして、従業員とのやり取りに驚く。その言い方ではまるで、ルーシーと自分が二人で食事するみたいだ。
従業員の後ろをルーシーが歩き始める。腕を組まれているロルフも、状況が把握出来ないながらも付いていくしかない。
「……おい、これはどういうことだ?」
「えへへー」
いや、えへへーじゃないんだが。うっすらと確かなリアルさを持って、ある可能性が頭を駆け巡る。
流石にそれはないか――だけど、状況がそうとしか思えない。唯一の情報である、貴族令嬢。今日の服装。予約名。なにより、今一緒にいる。
――すべて、ルーシーがお見合い相手であることを指し示していた。
「こちらになります」
店内の通路を歩き、案内された部屋は個室だった。だが、中に入ると窓もあって、街のきらめく夜景が一望できた。紫色の蝶と満月もあいまって、幻想的な風景を醸し出している。
椅子を引かれ、ロルフもルーシーも座る。あまりに場慣れしなさ過ぎて落ち着かないが、そこはしょうがない。問題は――
「で、ルーシー」
「なぁに?」
ルーシーは憎たらしい程の笑顔で、ロルフの向かい側に座っていた。両肘をつき、顔を両手で支えながら、こっちをニヨニヨと見ている。
ここに来るまでで大体想像はついているが――
「……お見合い相手ってお前か?」
「せーかいっ!」
ルーシーはお茶目たっぷりに、両腕で丸を作る。ここまで隠されたことよりも、安心が勝って一気に脱力した。
「お前な……、俺が悩んでいた時間を返せ。はぁー……」
「いやー、ごめんね。私も口止めされてたんだよねー。で、どうする?」
「どうするって……、なんだよ?」
安心感から顔を覆っていた手を、ルーシーに剥がされる。きゅっと握られた両手は、さっきよりも温かい。
「結婚、する?」
気にするだけ無駄なので、最近は日常になりつつあった。ため息を吐き、馬車の中に視線を戻す。
「なーに、ため息なんかついてるの?」
お見合いの会場である、高級ホテルまでの道中――その馬車の中で、向かいの席にはドレス姿のルーシーがいた。
最近はメイド服を見慣れてきていたため、妙にどぎまぎする。深紅のドレスは彼女の体にぴったりと合っており、可憐さを増していた。普段はしていない、雫のような形をしたイヤリングが眩しい。
「じっと見つめて、なに? 惚れちゃった?」
そんな格好しているからか、仕草まで艶やかに感じる。どちらかというと子供っぽさが目立つルーシーだが、かなり心にぐっとくるものがあった。
顎に人差し指をあてて悪戯っぽく訊いてくる様子は、もはやこちらを殺しに来ているとしか思えなかった。
本人にそんな気はないのだろうけど。
「……知らん。そんな可愛いのが悪い。話しづらい」
「話しづらいって酷いなぁ。ふふっ、でも可愛いかあー。ありがとう、ロルフ」
頼むから、そんなに嬉しそうにしないで欲しい。本当に調子が狂う。
「なあ、なんでお前までいるんだ?」
「んー、ミアから監視するようにって言われたんだ。悪い虫が付かないようにって」
監視役か……。まあ気にしている余裕なんかないんだけど……。
なにしろ相手のことが一切分からない。ギルド長がああいうものの、情報はくれるんじゃないかなと半ば期待していたのだが。……本当になにも知らないまま当日を迎えてしまった。
そんなお見合い、聞いたことがない。
「ねえ、やっぱり緊張する?」
「ん? そりゃそうだろ。なにも分からないんだぞ。なにを話せばいいんだよ……」
「ふーん……。そういうものかー。私は楽しみだけどなー」
「そりゃ、見ている分には楽しいだろうけどさ……」
馬車が止まる。どうやら目的地に着いたようだ。御者が外からノックをして、到着を知らせる。
「開けてもよろしいですか?」
「ああ、頼む」
扉が開いた。向こうには煌びやかな照明が待ち受けているのが見える。
「ロルフ、エスコートして」
「え? なんでだよ? レストランに相手がいるのに」
「そこまででいいから、ね。せっかくだから、気分を味わいたいのっ!」
突然駄々っ子のように言い始めるルーシー。うーん、まあそれくらい、いいか。この方がいつもの彼女らしい。ほっとする。
「はあ、分かったよ……」
「やった!」
ルーシーの希望通りにするべく、先に馬車を降りて、彼女が降りるのを手伝う。
「……では、お嬢様。この手をお取り下さい」
「うふふ、はい」
小さくてもしっかりと女の子らしい柔らかい手が、ロルフを掴む。ルーシーは危なげなく地表に降り立った。
「じゃっ、レストランまでお願いねっ!」
ルーシーお嬢様は、ロルフの腕を抱いてホテルを指差す。柔らかいものが腕に当たっているが、きっと気のせいだろう。そのはずだ。柑橘系の好ましい香りがするのも、きっと気のせいだ。
「承知しました、お嬢様」
「ふふっ、なんか変な感じ」
「笑うなよ。こっちは恥ずかしいってのに……」
「ごめん、ごめん。楽しくって、じゃ、行こっ!」
「はいはい」
ちらっと御者を見ると、にこにことしており、笑うのを堪えていた。
あー、これは絶対に屋敷でからかわれる。
御者は、ミアの学校への送迎を担当している者なので、顔見知りだった。屋敷内に広まるということは、ミアやレイラの耳にも入るということで――同じことをせがまれる未来が、一瞬にして想像出来てしまった。
「ロルフー?」
「ああ、ごめん。行くか」
「なにー、緊張しすぎだよ。もっと気軽に考えなきゃ」
「それができれば苦労しないって……」
お見合いの場所は王国内にある高級ホテル、その最上階にあるレストランだ。
どの世界でもこういうのは変わらないな。
エントランスからホテル内に入り、無駄にふかふかな絨毯を二人で進む。異世界とは思えない。前の世界に戻った気分になる。
豪華絢爛。
ホテルを一言で要約すればそうなるのだろう。あいにくと小市民のロルフには、飾られている調度品の数々や、建物の素晴らしさは分からなかったが。ただただ、凄いなという感想しか湧いてこない。
エレベーターの中までそんな調子なのだから、恐れ入る。
場違い感が凄い。
「いやーすごいね。目がぐるぐるしそう」
「……同感だ」
レストランの最上階までは数分もかからなかった。しかし、エレベーターを降りる頃には、ロルフたちともう一組の夫婦らしき者しかいなくなっていた。
エレベーターが開くと、正面にはレストランの受付があった。その向こうには従業員がいる。
夫婦は受付をしているようだった。その様子から見て、ここがすでにレストランの入口らしい。
「じゃあ――」
ルーシーとはここで別々に分かれ、入るのだろうと思っていた。しかし、腕が離れることは無かった。
それどころか、訝しむロルフを連れて受付に進む。夫婦を受付しているのとは別の従業員だ。
「ルーシー?」
「あっ、今夜予約していたルーシー・イングリスとロルフ・ダールです」
従業員が手元を確認し、こちらを見る。
「……確認いたしました。こちらへどうぞ」
疑問を訊こうとして、従業員とのやり取りに驚く。その言い方ではまるで、ルーシーと自分が二人で食事するみたいだ。
従業員の後ろをルーシーが歩き始める。腕を組まれているロルフも、状況が把握出来ないながらも付いていくしかない。
「……おい、これはどういうことだ?」
「えへへー」
いや、えへへーじゃないんだが。うっすらと確かなリアルさを持って、ある可能性が頭を駆け巡る。
流石にそれはないか――だけど、状況がそうとしか思えない。唯一の情報である、貴族令嬢。今日の服装。予約名。なにより、今一緒にいる。
――すべて、ルーシーがお見合い相手であることを指し示していた。
「こちらになります」
店内の通路を歩き、案内された部屋は個室だった。だが、中に入ると窓もあって、街のきらめく夜景が一望できた。紫色の蝶と満月もあいまって、幻想的な風景を醸し出している。
椅子を引かれ、ロルフもルーシーも座る。あまりに場慣れしなさ過ぎて落ち着かないが、そこはしょうがない。問題は――
「で、ルーシー」
「なぁに?」
ルーシーは憎たらしい程の笑顔で、ロルフの向かい側に座っていた。両肘をつき、顔を両手で支えながら、こっちをニヨニヨと見ている。
ここに来るまでで大体想像はついているが――
「……お見合い相手ってお前か?」
「せーかいっ!」
ルーシーはお茶目たっぷりに、両腕で丸を作る。ここまで隠されたことよりも、安心が勝って一気に脱力した。
「お前な……、俺が悩んでいた時間を返せ。はぁー……」
「いやー、ごめんね。私も口止めされてたんだよねー。で、どうする?」
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