19 / 52
第2章「未来はなにも分からない」
第19話「王国の竜」
しおりを挟む
ニアって、お姉ちゃん? そういえば、去年から生徒会に入ったとか言っていたような気がする。まさか、代表の挨拶をするなんて。
今日のこと、何も聞いていなかった。
学園長の代わりに壇上へ上がったのは一人の女子生徒。暗がりから姿を現わす。かつかつと靴音を鳴らし、ショートカットの黒髪を揺らしていた。なぜか白く細い剣を鞘に入れて持っていた。
目鼻立ちのはっきりとした顔、高い身長。会場内が息を呑んだのが分かった。
ズボンではなく、スカートを履いていなければ男子生徒だと見間違えるかもしれない。身内であるミアでさえ、息を呑む美しさとカッコよさだった。
おー、王子モードだ。キリッとしている。
後ろからヒソヒソと話し声が聞こえてきた。
「ねえ、あれがニア様? 噂通り、カッコいいね」
「うん。私も生で初めて見たけど……」
さっそくモテてる。この分だと、家でニアが愚痴っていたのは本当のことだったのか。やれプレゼントだの、ラブレターだの。学園に入学して一年くらい経ってから毎日のように貰ってきていた。
家での「ミラー、構ってー」とふにゃふにゃしてる姉ばかり知っている身としては、半信半疑だったのだけど。ニアが『学園の王子様』と言われているらしい噂とそれにまつわるニアの愚痴。後ろの彼女らが、家でのニアの様子を知ったら、落差が酷すぎて風邪を引くかもしれない。
ニアの王子モードは知らないわけでもなかったが、いざ改めてみるとドキッとする。身内でもこれなのだから、他の人間はきっともっと凄いのだろう。
彼女はまだ十四歳。まったく末恐ろしい。一応ゲームの中で将来の姿は知っているわけだが、直視できるのだろうか。……家の姉の状態なら大丈夫か。
ニアは壇上の中央に立つと、校長と同様に剣先を床についた。学園長とはまた異なり、彼女の美しさ、清廉さを表すような美しい剣。
……この学園では、演説する時に剣を持つことが流行っているのだろうか。
「皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生一同、嬉しく思っております」
ハキハキとニアが在校生の挨拶を始める。普段からは信じられない爽やかさだ。
「今年も、また、この祝福すべき瞬間がやってきました。えー、これは毎年話していることですが、……皆さんは竜を知っていますでしょうか」
竜。息が一つ上がる。今の自分の人生では意識せずにいられない存在、象徴。
「ふふっ、みなさん知っていて当然という顔をしていますね。この国の方はそうでしょう。ですが、ここには異国の方もいらっしゃいます」
ニアは白い鞘に収まっている剣をすっと抜いた。照明に煌めく銀色の輝き。それが、上空に向かって一閃された。
ぼうっと、赤い炎が空中に現れる。無秩序にも思えたその炎は、形を成し、竜の姿へと変貌する。
四足歩行の巨獣。爬虫類に似ているその体躯、しかし、両羽が異質さを醸し出している。恐竜のような羽がバサッと羽ばたき、竜の頭は口を開けて新たな炎を吐いた。
壇上以外は暗いのだが、それが一瞬にして炎に照らされる。
「これが竜です。実際はもっと大きいらしいですけどね」
空中に羽ばたいていた竜は、ニアの隣へと降り立った。まるでペットのように彼女の隣に佇む。
「この国の守り神であり象徴。竜教というのは、他の国の方でも聞いたことがあるのではないでしょうか?」
会場が炎の竜に集中している。絵に描いたような鮮烈な光景に、咳一つ聞こえてこない。
「一つ、異国の方々に今後の友好のため忠告しておきます。竜教には、竜巫女という存在がいます。もっとも、今は先代が亡くなりまして、次代を探している最中らしいのですが――」
竜の顔がこちらを向く。ニアの顔は違う場所を向いているというのに、彼女が自分の方へ向いたような気がした。
「竜巫女をバカにしてはいけません。まあ、そんな場面は無いとは思うのですが、この国において竜巫女への冗談は通じません。最悪、殺されてしまいます。ああ、これは本当ですよ?」
ふっと、ニアが笑う。だが、それは妙な凄みを増させるだけだった。だから、やめておけ、と雄弁に語っているように思える。
「ですから、竜巫女には注意してください。他国には、他国の宗教があります。宗教で争うほど、不毛なものはありません。だって、どちらも譲るなんてことは不可能ですから」
こほん、とニアが咳払いする。それは語りの終わりの合図だった。場が少し弛緩する。
「以上が先輩からの忠告、というか助言ですね。私達も他国の方とは友好にしたいので……。あ、そうでした。あともう一つ」
ニアは両手をポンと叩くと、話し出した。
「今年は私の妹が入学しまして――不埒なことをする奴がいたら、ぶっ殺しますのであしからず。だから、安心してね、ミラちゃん」
ニアはそう言うと、ミラに向かって手を振った。周りの視線が一気にこちらに向く。ざわざわと、ミラの周りがうるさくなる。
バカ姉。友人が出来なくなったらどうするのだ。心配してくれるのはありがたいが、これは過干渉だ。やり過ぎである。
「あと、そう――ジャン王子も今年でしたねー。知ってましたか、みなさん。私の妹とジャン王子は婚約者なんですよ、……憎たらしいことに」
後半だけ、冷え冷えとする声音。毒が含まれている。
「私はとーっても不愉快なので、二人の仲はじゃんじゃん邪魔しちゃってください」
「おいっ! ニアっ」
さすがに公衆の面前で、二人の仲を邪魔してもいいと言われて、たまりかねたらしい。隣のジャン王子が立ち上がり、声を荒げる。
「あっ、ほら見てください。あの男がジャン王子。嫌ですねー、きゃっ」
「ニアくん、いつまで茶番を続けるのかな」
いつの間にかニアの首元に黒い靄みたいのが巻き付いていた。彼女が剣を落とす。
靄は学園長の剣から伸びていた。ニアが引き剥がそうと、靄を掴むがすり抜ける。相当苦しいようで、彼女は一言も発せていない。
「もう終わりにしなさい。いいね」
コクコクとニアが頷く。学園の王子様が形無しである。
「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ、……ん゛んっ」
靄が離れ、学園長の剣に収まる。ニアは咳き込み、呼吸を整えると、何事もなかったかのようにキリッとした。王子様モードに戻る。
今更、遅いんだけど……。
「えー、取り乱しまして失礼いたしました。何分、妹が可愛いものでして……」
なにしてんの、ニア……。キリッとしてて格好いいと思ってたのに。ミラは恥ずかしさで頭を抱えた。どうしよう、本当に友人ができるか不安になってきた。
ニアの挨拶はそこからすぐに終わった。残りは入学生の代表挨拶をするのだが――
「大丈夫、ジェイ? なんか、ごめんね」
「いや、ミラは謝る必要ない。全部ニアが悪いんだ。後でしっかりこの分の借りはもらう」
「……ジェイ、お前喜んでないか?」
「そんなことはない」
ジェイが入学生代表の挨拶のため、姉と入れ替わりに壇上に向かう。だがニアの挨拶に毒気を抜かれたのか、会場は弛緩していた。ジェイは滞りなく挨拶を終えたのだが、さすがに少々可哀想だった。
しかし、当の本人は気にしておらず、ニアに借りが出来たことを喜んでいるようだった。デートでもしてもらうのかもしれない。
主にニアが鈍いというか、関心が無さ過ぎるせいで、今のニアとジェイは付き合うまでに至ってなかった。
ジェイも告白してしまえばいいのに。
その後の入学式の最中、ミラはそんなことを考えていた。ミラの見立てではニアがその手のことに意識が無さ過ぎるだけで、一度意識すれば別だと思うのだ。ただ外野がそれを言うのは違うので、なんとももどかしかった。
これからゲームの主な舞台である学園に入り、本格的に婚約破棄の破滅フラグを意識しなければならない。だが、それはそれだ。他人の恋路ほど楽しいものはないのだから。……自分のは、感情がぐちゃぐちゃになるので、このまま平穏でいて欲しいと思う。
そんなことを考えている内に、入学式はニアの暴走以外は滞りなく終わった。
今日のこと、何も聞いていなかった。
学園長の代わりに壇上へ上がったのは一人の女子生徒。暗がりから姿を現わす。かつかつと靴音を鳴らし、ショートカットの黒髪を揺らしていた。なぜか白く細い剣を鞘に入れて持っていた。
目鼻立ちのはっきりとした顔、高い身長。会場内が息を呑んだのが分かった。
ズボンではなく、スカートを履いていなければ男子生徒だと見間違えるかもしれない。身内であるミアでさえ、息を呑む美しさとカッコよさだった。
おー、王子モードだ。キリッとしている。
後ろからヒソヒソと話し声が聞こえてきた。
「ねえ、あれがニア様? 噂通り、カッコいいね」
「うん。私も生で初めて見たけど……」
さっそくモテてる。この分だと、家でニアが愚痴っていたのは本当のことだったのか。やれプレゼントだの、ラブレターだの。学園に入学して一年くらい経ってから毎日のように貰ってきていた。
家での「ミラー、構ってー」とふにゃふにゃしてる姉ばかり知っている身としては、半信半疑だったのだけど。ニアが『学園の王子様』と言われているらしい噂とそれにまつわるニアの愚痴。後ろの彼女らが、家でのニアの様子を知ったら、落差が酷すぎて風邪を引くかもしれない。
ニアの王子モードは知らないわけでもなかったが、いざ改めてみるとドキッとする。身内でもこれなのだから、他の人間はきっともっと凄いのだろう。
彼女はまだ十四歳。まったく末恐ろしい。一応ゲームの中で将来の姿は知っているわけだが、直視できるのだろうか。……家の姉の状態なら大丈夫か。
ニアは壇上の中央に立つと、校長と同様に剣先を床についた。学園長とはまた異なり、彼女の美しさ、清廉さを表すような美しい剣。
……この学園では、演説する時に剣を持つことが流行っているのだろうか。
「皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生一同、嬉しく思っております」
ハキハキとニアが在校生の挨拶を始める。普段からは信じられない爽やかさだ。
「今年も、また、この祝福すべき瞬間がやってきました。えー、これは毎年話していることですが、……皆さんは竜を知っていますでしょうか」
竜。息が一つ上がる。今の自分の人生では意識せずにいられない存在、象徴。
「ふふっ、みなさん知っていて当然という顔をしていますね。この国の方はそうでしょう。ですが、ここには異国の方もいらっしゃいます」
ニアは白い鞘に収まっている剣をすっと抜いた。照明に煌めく銀色の輝き。それが、上空に向かって一閃された。
ぼうっと、赤い炎が空中に現れる。無秩序にも思えたその炎は、形を成し、竜の姿へと変貌する。
四足歩行の巨獣。爬虫類に似ているその体躯、しかし、両羽が異質さを醸し出している。恐竜のような羽がバサッと羽ばたき、竜の頭は口を開けて新たな炎を吐いた。
壇上以外は暗いのだが、それが一瞬にして炎に照らされる。
「これが竜です。実際はもっと大きいらしいですけどね」
空中に羽ばたいていた竜は、ニアの隣へと降り立った。まるでペットのように彼女の隣に佇む。
「この国の守り神であり象徴。竜教というのは、他の国の方でも聞いたことがあるのではないでしょうか?」
会場が炎の竜に集中している。絵に描いたような鮮烈な光景に、咳一つ聞こえてこない。
「一つ、異国の方々に今後の友好のため忠告しておきます。竜教には、竜巫女という存在がいます。もっとも、今は先代が亡くなりまして、次代を探している最中らしいのですが――」
竜の顔がこちらを向く。ニアの顔は違う場所を向いているというのに、彼女が自分の方へ向いたような気がした。
「竜巫女をバカにしてはいけません。まあ、そんな場面は無いとは思うのですが、この国において竜巫女への冗談は通じません。最悪、殺されてしまいます。ああ、これは本当ですよ?」
ふっと、ニアが笑う。だが、それは妙な凄みを増させるだけだった。だから、やめておけ、と雄弁に語っているように思える。
「ですから、竜巫女には注意してください。他国には、他国の宗教があります。宗教で争うほど、不毛なものはありません。だって、どちらも譲るなんてことは不可能ですから」
こほん、とニアが咳払いする。それは語りの終わりの合図だった。場が少し弛緩する。
「以上が先輩からの忠告、というか助言ですね。私達も他国の方とは友好にしたいので……。あ、そうでした。あともう一つ」
ニアは両手をポンと叩くと、話し出した。
「今年は私の妹が入学しまして――不埒なことをする奴がいたら、ぶっ殺しますのであしからず。だから、安心してね、ミラちゃん」
ニアはそう言うと、ミラに向かって手を振った。周りの視線が一気にこちらに向く。ざわざわと、ミラの周りがうるさくなる。
バカ姉。友人が出来なくなったらどうするのだ。心配してくれるのはありがたいが、これは過干渉だ。やり過ぎである。
「あと、そう――ジャン王子も今年でしたねー。知ってましたか、みなさん。私の妹とジャン王子は婚約者なんですよ、……憎たらしいことに」
後半だけ、冷え冷えとする声音。毒が含まれている。
「私はとーっても不愉快なので、二人の仲はじゃんじゃん邪魔しちゃってください」
「おいっ! ニアっ」
さすがに公衆の面前で、二人の仲を邪魔してもいいと言われて、たまりかねたらしい。隣のジャン王子が立ち上がり、声を荒げる。
「あっ、ほら見てください。あの男がジャン王子。嫌ですねー、きゃっ」
「ニアくん、いつまで茶番を続けるのかな」
いつの間にかニアの首元に黒い靄みたいのが巻き付いていた。彼女が剣を落とす。
靄は学園長の剣から伸びていた。ニアが引き剥がそうと、靄を掴むがすり抜ける。相当苦しいようで、彼女は一言も発せていない。
「もう終わりにしなさい。いいね」
コクコクとニアが頷く。学園の王子様が形無しである。
「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ、……ん゛んっ」
靄が離れ、学園長の剣に収まる。ニアは咳き込み、呼吸を整えると、何事もなかったかのようにキリッとした。王子様モードに戻る。
今更、遅いんだけど……。
「えー、取り乱しまして失礼いたしました。何分、妹が可愛いものでして……」
なにしてんの、ニア……。キリッとしてて格好いいと思ってたのに。ミラは恥ずかしさで頭を抱えた。どうしよう、本当に友人ができるか不安になってきた。
ニアの挨拶はそこからすぐに終わった。残りは入学生の代表挨拶をするのだが――
「大丈夫、ジェイ? なんか、ごめんね」
「いや、ミラは謝る必要ない。全部ニアが悪いんだ。後でしっかりこの分の借りはもらう」
「……ジェイ、お前喜んでないか?」
「そんなことはない」
ジェイが入学生代表の挨拶のため、姉と入れ替わりに壇上に向かう。だがニアの挨拶に毒気を抜かれたのか、会場は弛緩していた。ジェイは滞りなく挨拶を終えたのだが、さすがに少々可哀想だった。
しかし、当の本人は気にしておらず、ニアに借りが出来たことを喜んでいるようだった。デートでもしてもらうのかもしれない。
主にニアが鈍いというか、関心が無さ過ぎるせいで、今のニアとジェイは付き合うまでに至ってなかった。
ジェイも告白してしまえばいいのに。
その後の入学式の最中、ミラはそんなことを考えていた。ミラの見立てではニアがその手のことに意識が無さ過ぎるだけで、一度意識すれば別だと思うのだ。ただ外野がそれを言うのは違うので、なんとももどかしかった。
これからゲームの主な舞台である学園に入り、本格的に婚約破棄の破滅フラグを意識しなければならない。だが、それはそれだ。他人の恋路ほど楽しいものはないのだから。……自分のは、感情がぐちゃぐちゃになるので、このまま平穏でいて欲しいと思う。
そんなことを考えている内に、入学式はニアの暴走以外は滞りなく終わった。
0
あなたにおすすめの小説
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」
この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。
けれど、今日も受け入れてもらえることはない。
私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。
本当なら私が幸せにしたかった。
けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。
既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。
アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。
その時のためにも、私と離縁する必要がある。
アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!
推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。
全4話+番外編が1話となっております。
※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる