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1.もらってくれたら、命を捧げます
わだかまりと誰だお前?②
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眠れなかった、だが朝はやって来る。
昨晩のことが嫌な思い出として思い出されるが、ラミアが横に居ることで安堵する俺。
朝のコーヒーすら出せない、ラミアがラクちゃんを思い出すのではと考えてしまう。
昨晩のことは何も思い出したくないしラミアに何も思い出させたくない。
俺は馬鹿なのだろう、今更後悔していた。
『本当にラミアを引き留めて良かったのか?』
彼女は俺に自分が人でない姿を見られて、一緒に居ること自体が嫌なのでは無いか?
そうだ引き留めたのは俺のワガママなのでは無いだろうか?
考えは答えが出無いまま、同じことを繰り返し考えてしまう。
「彼女の気持ちを確かめたい」
でもそれは聞けることでは無かった。
そして、その日から数日経つ間に分かったことは、二人の間にはわだかまりが残っていること。
二人はあの日のことに触れないように、二人ともが気を使っていた。
それでも変わったことがある、ラミアは積極的に行きたいところを言うようになったのだ。
どこかに案内してくれるのだろうか、唯一の楽しみである。
俺はいつもの様に昼間は一人で狩りに出た。
一人になって俺は考えられる戦闘に関する魔法や訓練を始めた。
「もうこんな思いは嫌だ、絶対にこんな思いはしたくはない。だからラミアを守れる力が欲しい」
たぶん無茶苦茶な訓練と連続魔法の実験を繰り返していたのだろう。
そう、狩りになんかなってなかった。
なぜなら獲物を塵すら残さず消し飛ばすのだ。
「命を何だと思っているんだ俺は…今の俺は悪魔かもしれない」
術を放つ手をジッと見つめた。
「でもそれでも良い。ラミアと同じか釣り合う存在になれるなら、そうだ俺は化け物になりたい、違うラミアは化け物じゃないんだ・・・」
前回の戦闘の中で分かったが、並列意思はマクロ化され多重化されることで高速化思考として利用できる。
これを究極まで早くすることにした。
そして結界を結界鎧として纏うことで身体保護と並列マクロの間で情報交換をすることで神経伝達を高速化した身体高速を術式として構築した。
それでも戦闘速度は遅いだろう、そこで電気を利用することにした。
物理の時間に習ったことだが電気を流すとフレミングの法則で磁力線が出て磁場が出来る。
簡単に説明すると、右ねじの法則で同一方向への向かう二つの電子の動きはその電子間に引力が発生する。
そして逆方向に動く二つの電子は斥力を発生させるのだ。
そこで自分の進行方向に雷を流す、その上に結界ボードに電気を纏わせてタイヤのように雷を回すのだ。
そう雷に乗る、つまりサンダーボードだ。
そしてそれは一種のリニアモータであるため簡単に時速300キロ以上出せる。
でも実は未だに怖くてそんな高速は出せてない・・・
高速で砂の上を滑るように高速移動し雷だ、爆雷だ、炎だ、水柱だと色々暴れまわる。
一通り暴れて荒れ果てた砂漠の中、獲物は塵も残っていないだろう思ったのだが?
狐のような耳の大きな動物が砂の中に居た。
晩飯だと思い早速捕まえる。
今の俺から逃げることは不可能さ、どんなに噛みついても大丈夫、俺は全くヘッチャラだ。
それは三十センチほどの小さい動物だったが妊娠中でお腹が大きかった。
「お前子供を宿しているのか、なら食べられないな。そうだコーヒーフレッシュほどで良いから乳を分けてくれないか?」
言葉が分かる筈の無い相手に話しかけた。
もちろん抵抗を続けるキツネみたいな動物。
「食われたくなかったら大人しくしろ!!」
そんなことを言いながら悪魔に成れない俺はその子を連れて帰った。
「なにフォグリス?、今日の晩御飯?えっ?まだ生きてるじゃない、そんなものを連れて帰ったら駄目よ」
流石にラミアはこの動物を知っているようだった。
「この子にコーヒーフレッシュを出してもらうことにしたから。明日からまた朝はコーヒーだよ、そうそう名前も考えてあるんだ」
「フェスリーという名前」
ラミアは俺の手からフェスリーを取り上げると、その顔をジロジロと見ていた。
フェスリーはラミアの正体が分かるのか小さくなっていた。
「おいしいミルクを沢山出すのよ、分かったわね」
ラミアはフェスリーを脅しているようだった。
「おいおい、脅かしたらダメだろう」
「脅かしてなんかいないわよ、今日から家族よ、お腹の子供も家族よ」
久しぶりにラミアの明るい声を聞いて嬉しい気分になった。
その晩、嬉しくなって俺はフェスリーにもごちそうを作ってしまった。
フェスリーは安心できる場所と安定したご飯が得られることが分かると子供を産むのに良い場所と考えたようだ。
それが証拠に結界内に定位置を見つけて寝そべっていた。
フェスリーは素早いのでラクちゃんのような悲劇は起きないだろう、いや悲劇は起きないことを願いたいし、そのための訓練だ、そう俺がこいつ等も守る。
翌日からコーヒーが再登場した。
コーヒーフレッシュ担当のフェスリーは大活躍だ。
しかしよく乳の出る動物だな?
シッポまで入れて三十センチのそこそこの大きさでこんなに乳が出るとは驚きだ。
驚きながらぼやっと乳絞りしていたらほぼ1リッター近く絞っていた?
自分の体より多くの乳が出せる?流石異世界だ俺は訳が分からなかった。
ところがラミアは何時の間にかブラックコーヒー派になっていた。
「苦みは大人の味わいよ」
などと意味深なことを言っていた。
ということで絞った乳は勿体ないのでケーキやバターにした。
「ケーキ美味しい!!」
満面の笑みを浮かべたラミアそこには前のままのラミアが居た。
俺は嬉しかった。
だがそれは、戻るはずの無い元の生活が戻ったんだと勘違いしていただけだった。
昨晩のことが嫌な思い出として思い出されるが、ラミアが横に居ることで安堵する俺。
朝のコーヒーすら出せない、ラミアがラクちゃんを思い出すのではと考えてしまう。
昨晩のことは何も思い出したくないしラミアに何も思い出させたくない。
俺は馬鹿なのだろう、今更後悔していた。
『本当にラミアを引き留めて良かったのか?』
彼女は俺に自分が人でない姿を見られて、一緒に居ること自体が嫌なのでは無いか?
そうだ引き留めたのは俺のワガママなのでは無いだろうか?
考えは答えが出無いまま、同じことを繰り返し考えてしまう。
「彼女の気持ちを確かめたい」
でもそれは聞けることでは無かった。
そして、その日から数日経つ間に分かったことは、二人の間にはわだかまりが残っていること。
二人はあの日のことに触れないように、二人ともが気を使っていた。
それでも変わったことがある、ラミアは積極的に行きたいところを言うようになったのだ。
どこかに案内してくれるのだろうか、唯一の楽しみである。
俺はいつもの様に昼間は一人で狩りに出た。
一人になって俺は考えられる戦闘に関する魔法や訓練を始めた。
「もうこんな思いは嫌だ、絶対にこんな思いはしたくはない。だからラミアを守れる力が欲しい」
たぶん無茶苦茶な訓練と連続魔法の実験を繰り返していたのだろう。
そう、狩りになんかなってなかった。
なぜなら獲物を塵すら残さず消し飛ばすのだ。
「命を何だと思っているんだ俺は…今の俺は悪魔かもしれない」
術を放つ手をジッと見つめた。
「でもそれでも良い。ラミアと同じか釣り合う存在になれるなら、そうだ俺は化け物になりたい、違うラミアは化け物じゃないんだ・・・」
前回の戦闘の中で分かったが、並列意思はマクロ化され多重化されることで高速化思考として利用できる。
これを究極まで早くすることにした。
そして結界を結界鎧として纏うことで身体保護と並列マクロの間で情報交換をすることで神経伝達を高速化した身体高速を術式として構築した。
それでも戦闘速度は遅いだろう、そこで電気を利用することにした。
物理の時間に習ったことだが電気を流すとフレミングの法則で磁力線が出て磁場が出来る。
簡単に説明すると、右ねじの法則で同一方向への向かう二つの電子の動きはその電子間に引力が発生する。
そして逆方向に動く二つの電子は斥力を発生させるのだ。
そこで自分の進行方向に雷を流す、その上に結界ボードに電気を纏わせてタイヤのように雷を回すのだ。
そう雷に乗る、つまりサンダーボードだ。
そしてそれは一種のリニアモータであるため簡単に時速300キロ以上出せる。
でも実は未だに怖くてそんな高速は出せてない・・・
高速で砂の上を滑るように高速移動し雷だ、爆雷だ、炎だ、水柱だと色々暴れまわる。
一通り暴れて荒れ果てた砂漠の中、獲物は塵も残っていないだろう思ったのだが?
狐のような耳の大きな動物が砂の中に居た。
晩飯だと思い早速捕まえる。
今の俺から逃げることは不可能さ、どんなに噛みついても大丈夫、俺は全くヘッチャラだ。
それは三十センチほどの小さい動物だったが妊娠中でお腹が大きかった。
「お前子供を宿しているのか、なら食べられないな。そうだコーヒーフレッシュほどで良いから乳を分けてくれないか?」
言葉が分かる筈の無い相手に話しかけた。
もちろん抵抗を続けるキツネみたいな動物。
「食われたくなかったら大人しくしろ!!」
そんなことを言いながら悪魔に成れない俺はその子を連れて帰った。
「なにフォグリス?、今日の晩御飯?えっ?まだ生きてるじゃない、そんなものを連れて帰ったら駄目よ」
流石にラミアはこの動物を知っているようだった。
「この子にコーヒーフレッシュを出してもらうことにしたから。明日からまた朝はコーヒーだよ、そうそう名前も考えてあるんだ」
「フェスリーという名前」
ラミアは俺の手からフェスリーを取り上げると、その顔をジロジロと見ていた。
フェスリーはラミアの正体が分かるのか小さくなっていた。
「おいしいミルクを沢山出すのよ、分かったわね」
ラミアはフェスリーを脅しているようだった。
「おいおい、脅かしたらダメだろう」
「脅かしてなんかいないわよ、今日から家族よ、お腹の子供も家族よ」
久しぶりにラミアの明るい声を聞いて嬉しい気分になった。
その晩、嬉しくなって俺はフェスリーにもごちそうを作ってしまった。
フェスリーは安心できる場所と安定したご飯が得られることが分かると子供を産むのに良い場所と考えたようだ。
それが証拠に結界内に定位置を見つけて寝そべっていた。
フェスリーは素早いのでラクちゃんのような悲劇は起きないだろう、いや悲劇は起きないことを願いたいし、そのための訓練だ、そう俺がこいつ等も守る。
翌日からコーヒーが再登場した。
コーヒーフレッシュ担当のフェスリーは大活躍だ。
しかしよく乳の出る動物だな?
シッポまで入れて三十センチのそこそこの大きさでこんなに乳が出るとは驚きだ。
驚きながらぼやっと乳絞りしていたらほぼ1リッター近く絞っていた?
自分の体より多くの乳が出せる?流石異世界だ俺は訳が分からなかった。
ところがラミアは何時の間にかブラックコーヒー派になっていた。
「苦みは大人の味わいよ」
などと意味深なことを言っていた。
ということで絞った乳は勿体ないのでケーキやバターにした。
「ケーキ美味しい!!」
満面の笑みを浮かべたラミアそこには前のままのラミアが居た。
俺は嬉しかった。
だがそれは、戻るはずの無い元の生活が戻ったんだと勘違いしていただけだった。
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