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第一章 エレンシア
騎士の街
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翌日、目が覚めた私はゼラと共に山を下っていた。山は様々な猛獣や魔物がいて、襲われる度にゼラの力で討伐した。
「……ゼラ、まだ山から抜けれないの?」
そうゼラに聞いてみる。なぜならもう何時間も歩いているのに一向に山の終点が見えない。この山は私が想像しているより巨大な山のようだった。
「喜べ主!たった今完成したぜ!この辺りの地形を解析した地図だ、しかも現在地が更新され続ける親切設計なんだぜ!」
そう言うとゼラは私の目の前でページをめくっていく。そしてピタッと止まったかと思えばそのページにはこの山の地図と思われる物が記されていた。さっきからしゃべらなかったのはこの地図を作っていたかららしい。
「ありがとうゼラ。これを読む限りもう少しみたいだね……」
地図が正しければどうやらあとほんの数キロ歩いていけば山を抜けられるようだ。これには私も思わず足取りが軽くなる。
「おい主。この山抜けたらどうするつもりだ?俺としちゃあまずデカい街に拠点でも作ってそこで情報収集しながら二、三年金貯めて暮らしてその後旅に出るってのが理想的なんだが。」
お金……そういえば歩いているときにゼラがお金は何にでも使うから何より重要視しとけと言っていた。
「お金が重要というのは理解したけど、どう重要なの?私としては二、三年も同じ街に拘束されたくないけど。」
私がそう聞くとゼラはお金の重要性について語り始めた。十分ほどの講義が終わって私はお金の重要性を理解できた。……生きていくのにここまでお金が重要だとは正直思わなかった。お金がないと今日食べるものにすら困るとは……食べ物?
ぐぅ~
「ん?何の音だ主?」
そうだ……私は昨日から何も口にしていない。討伐した猛獣や魔物もゼラが消し飛ばしてしまって調理することも出来なかった。急激に襲ってきた空腹に耐えられず私は膝をつく。
「おい!おい!!主どうしたんだ!?なんか攻撃受けたのか?」
「ゼラ……本の貴方には理解できない………空腹は……火傷より辛い……!!」
「腹減っただけかよ!?」
………
「お、おい主手に力入りすぎだだだだだ!!分かった!近くの動物探すから優しく握れ!!」
そういうとゼラは黙る。どうやらさっきのように解析して探しているようだった。なんて頼りになる本なのだろう。一瞬でも投げようと思った自分が情けない。
「食えそうなもんねぇな。」
数分待ってゼラの口から出た結論はそれだった。
「あだだだだだ!!力入れんな!話を聞け主!!」
「…………」
私は力を緩める。ゼラはやれやれといったように私の手から抜け出しふわふわと目の前を飛ぶ。
「どうやら昨日の建物の爆発でこの土地が汚染されてるみたいだ。そのせいで動物がほとんどいやがらねぇ、残ってるのは汚染されまくった汚ねぇ猛獣と魔物だ。この森に食料と呼べるものは存在しないと思っていいな。」
「その汚い猛獣と魔物を食べればいい……」
「死にてぇのか!?腹壊すってレベルじゃねぇぞ!!」
私は衝撃のあまり膝から崩れ落ちた。食べられない……!?しかしこの森が汚染されているとするのなら不可解な点がある。
「……なんで私は汚染されてないの?あの爆発のすぐ近くにいたし、今もこの森にいる。」
そうゼラの話が正しければ私も汚染されているはずなのだ。なのに私の身体には不調が一つもない。もしやゼラは探すのがめんどくさいから嘘をついてるのでは?そんな思考が私の頭の中を駆け巡る。
「お前の体が汚染されないのは俺がずっと魔力で防護してるからだ。昨日の時点で汚染物質が飛び回ってるのは分かってたし。今の解析で動物がほとんどいないことで確信を得たって感じだなぁ。現にお前昨日俺に触れるまでずっと体重かったんじゃないか?」
「!!」
心当たりはある。ゼラに触れてから体が驚くほど軽くなったし気分も良くなった。でもそれはゼラの回復のおかげだと思ってた。
ぎゅるる~~
さっきよりも大きくおなかが鳴る。正直限界だ、もう一歩も歩けそうにない。
「な!?主!!もうすぐ山を下りれるんだぞ!?こんな所で動けなくなるなんて馬鹿じゃねぇか!?」
私はうつ伏せになって倒れる。おなかすい……た……
「おい主!!お…い…るじ!……お……」
私の意識は暗闇に落ちていった。
何かいい匂いがする。それが何の匂いなのか私には分からないけど一つだけ分かる。この匂いは……
「食べ物……!!」
がばっと起き上がると私は知らないところにいた。ふかふかの感触がすると思ったらどうやら私はベッドの上に寝ていたらしい。
「やぁ、起きたようだね。」
私が匂いのする方を見るとそこには鍋があり火でぐつぐつと煮込まれていた。その中には白いドロッとした液体が入っている。どうやら匂いの正体はあの液体らしい。私はベッドから降りようとすると。
「ははっ、シチューしか見てない。相当食い意地の張った子だ。」
ようやく私は声の主を認識した。その姿は金色の美しい髪に青く澄み渡る目。短く切られた髪に、誰に対しても優しそうな甘い顔立ちをしていた。そしてなにより私の目を引いたのは、身に着けている銀色の甲冑に腰に差した剣である。
「ごめんね、室内でこの格好はちょっとあれだけど許してほしい。僕の恰好より君のおなかのほうが重要じゃないか。」
そういうとその男はお椀に液体を盛りスプーンと共に渡してきた。
「……これは?」
私がそう聞くと男は不思議そうな顔をしていた。
「シチューを知らないのかい?一般的な料理なんだけど……あの森で倒れたことといい、君は何者なんだ?」
「おかわり……」
「早いな!?」
男はもう一度シチュー?というものをよそって渡してくれた。私はそれを無我夢中で食べ続けた。
「余程お腹が空いていたんだね。まさか全部平らげるなんてね。」
「ごちそうさま……」
満腹になった途端に思考が回り始め疑問が次々と湧いてくるのを感じた。
「………ここは何処であなたは誰?」
「そうだね、君にはそれを聞く権利がある。僕の恰好でなんとなく察していると思うけどここはエレンシア。そして僕はしがない騎士ジーク・アイルウッド、ジークでいいよ。」
……何一つ分からなかった……多分常識なのだろう。
「……申し訳ないけどジーク、私は記憶喪失だから丁寧に教えてほしい。ここがどんな街なのか。」
私がそう言うとジークは驚いた顔をした。
「そうなのかい!?分かった、丁寧に一から説明するよ。ここは君が倒れていた山の近くにある街エレンシア。この街には騎士団の本部があることで有名なんだ。」
「騎士団……?」
「騎士団というのは依頼を受けてそれを達成して報酬を受けとる。そういう集団なんだ。あちこちに支部があってかなり大きい組織なんだよ。騎士団は皆僕と同じ甲冑を着て腰に剣を差している。そしてなによりこのワッペンこそが騎士の印であり誇りなんだ。」
そういうとジークは右腕を見せる。二の腕の辺りに竜が施されたワッペンがあった。
「さらに騎士団で優れた者達は各地の王から直々に命令を受けて護衛などを任される。僕はそんな誉ある騎士になりたいんだ。」
そう語るジークの目はキラキラと光っていた。
「ああごめん、脱線しすぎたね。まぁそんな感じでこの街は騎士団の本部があるっていうのが一番の特徴かな。」
「ありがとう……大体わかった……」
私はベッドから降りて外に出ようとする。
「待ってくれ。」
「何……?」
ジークが呼び止める、これ以上私に用があるのだろうか?
「君は記憶喪失なんだろう?一人で外に出ても何もわからずにまた倒れてしまうかもしれない。しかもそんな恰好でうろつかれるとね……」
ジークが苦笑いしながら私を指さす。私は今一度自分の服装を見てみる。土で茶色くなった元白いワンピースに裸足という森をさまよう分には問題なかったが、確かに人前には出れない格好だった。
「僕がしばらく君を引き取るからこの街のことを深く知ったりこれからどうするのか決めていかないかい?」
私はしばらく考える。確かに美味しい話だし乗らない理由は無いのだろう。でも初対面の男が何故ここまで優しくしてくれるのだろう?それが私には引っかかる、もしかしたら私を騙そうとしているのかもしれない。
「引き取ってる間は当然君の衣食住は僕が保証するよ。」
衣食住……衣…食…住……食!!
「分かった。」
「良かった、しばらくの間よろしく。君の名前は……分からないのかな?」
私は思い出そうとしてみる、やはりなにも浮かんでこない。
「そうか……これから先名前が無いと不便だからね……僕が名前を付けてあげるよ。」
「それは助かる……」
そう言うとジークは首を捻って考え始める。これは長丁場になるかもしれないと思った瞬間ジークははっとしたような顔をする。
「リア……君の名前はリアでどうかな?」
「……リア。」
リアと何度も心の中で呼んでみる。記憶に、魂に刻み付けるように何度も。
「ありがとう、ジーク……気に入った。」
「それは良かった。」
先行きは少し不安だがとりあえず衣食住が保証された。私はこの騎士の街で記憶を取り戻せるのだろうか……
「……ゼラ、まだ山から抜けれないの?」
そうゼラに聞いてみる。なぜならもう何時間も歩いているのに一向に山の終点が見えない。この山は私が想像しているより巨大な山のようだった。
「喜べ主!たった今完成したぜ!この辺りの地形を解析した地図だ、しかも現在地が更新され続ける親切設計なんだぜ!」
そう言うとゼラは私の目の前でページをめくっていく。そしてピタッと止まったかと思えばそのページにはこの山の地図と思われる物が記されていた。さっきからしゃべらなかったのはこの地図を作っていたかららしい。
「ありがとうゼラ。これを読む限りもう少しみたいだね……」
地図が正しければどうやらあとほんの数キロ歩いていけば山を抜けられるようだ。これには私も思わず足取りが軽くなる。
「おい主。この山抜けたらどうするつもりだ?俺としちゃあまずデカい街に拠点でも作ってそこで情報収集しながら二、三年金貯めて暮らしてその後旅に出るってのが理想的なんだが。」
お金……そういえば歩いているときにゼラがお金は何にでも使うから何より重要視しとけと言っていた。
「お金が重要というのは理解したけど、どう重要なの?私としては二、三年も同じ街に拘束されたくないけど。」
私がそう聞くとゼラはお金の重要性について語り始めた。十分ほどの講義が終わって私はお金の重要性を理解できた。……生きていくのにここまでお金が重要だとは正直思わなかった。お金がないと今日食べるものにすら困るとは……食べ物?
ぐぅ~
「ん?何の音だ主?」
そうだ……私は昨日から何も口にしていない。討伐した猛獣や魔物もゼラが消し飛ばしてしまって調理することも出来なかった。急激に襲ってきた空腹に耐えられず私は膝をつく。
「おい!おい!!主どうしたんだ!?なんか攻撃受けたのか?」
「ゼラ……本の貴方には理解できない………空腹は……火傷より辛い……!!」
「腹減っただけかよ!?」
………
「お、おい主手に力入りすぎだだだだだ!!分かった!近くの動物探すから優しく握れ!!」
そういうとゼラは黙る。どうやらさっきのように解析して探しているようだった。なんて頼りになる本なのだろう。一瞬でも投げようと思った自分が情けない。
「食えそうなもんねぇな。」
数分待ってゼラの口から出た結論はそれだった。
「あだだだだだ!!力入れんな!話を聞け主!!」
「…………」
私は力を緩める。ゼラはやれやれといったように私の手から抜け出しふわふわと目の前を飛ぶ。
「どうやら昨日の建物の爆発でこの土地が汚染されてるみたいだ。そのせいで動物がほとんどいやがらねぇ、残ってるのは汚染されまくった汚ねぇ猛獣と魔物だ。この森に食料と呼べるものは存在しないと思っていいな。」
「その汚い猛獣と魔物を食べればいい……」
「死にてぇのか!?腹壊すってレベルじゃねぇぞ!!」
私は衝撃のあまり膝から崩れ落ちた。食べられない……!?しかしこの森が汚染されているとするのなら不可解な点がある。
「……なんで私は汚染されてないの?あの爆発のすぐ近くにいたし、今もこの森にいる。」
そうゼラの話が正しければ私も汚染されているはずなのだ。なのに私の身体には不調が一つもない。もしやゼラは探すのがめんどくさいから嘘をついてるのでは?そんな思考が私の頭の中を駆け巡る。
「お前の体が汚染されないのは俺がずっと魔力で防護してるからだ。昨日の時点で汚染物質が飛び回ってるのは分かってたし。今の解析で動物がほとんどいないことで確信を得たって感じだなぁ。現にお前昨日俺に触れるまでずっと体重かったんじゃないか?」
「!!」
心当たりはある。ゼラに触れてから体が驚くほど軽くなったし気分も良くなった。でもそれはゼラの回復のおかげだと思ってた。
ぎゅるる~~
さっきよりも大きくおなかが鳴る。正直限界だ、もう一歩も歩けそうにない。
「な!?主!!もうすぐ山を下りれるんだぞ!?こんな所で動けなくなるなんて馬鹿じゃねぇか!?」
私はうつ伏せになって倒れる。おなかすい……た……
「おい主!!お…い…るじ!……お……」
私の意識は暗闇に落ちていった。
何かいい匂いがする。それが何の匂いなのか私には分からないけど一つだけ分かる。この匂いは……
「食べ物……!!」
がばっと起き上がると私は知らないところにいた。ふかふかの感触がすると思ったらどうやら私はベッドの上に寝ていたらしい。
「やぁ、起きたようだね。」
私が匂いのする方を見るとそこには鍋があり火でぐつぐつと煮込まれていた。その中には白いドロッとした液体が入っている。どうやら匂いの正体はあの液体らしい。私はベッドから降りようとすると。
「ははっ、シチューしか見てない。相当食い意地の張った子だ。」
ようやく私は声の主を認識した。その姿は金色の美しい髪に青く澄み渡る目。短く切られた髪に、誰に対しても優しそうな甘い顔立ちをしていた。そしてなにより私の目を引いたのは、身に着けている銀色の甲冑に腰に差した剣である。
「ごめんね、室内でこの格好はちょっとあれだけど許してほしい。僕の恰好より君のおなかのほうが重要じゃないか。」
そういうとその男はお椀に液体を盛りスプーンと共に渡してきた。
「……これは?」
私がそう聞くと男は不思議そうな顔をしていた。
「シチューを知らないのかい?一般的な料理なんだけど……あの森で倒れたことといい、君は何者なんだ?」
「おかわり……」
「早いな!?」
男はもう一度シチュー?というものをよそって渡してくれた。私はそれを無我夢中で食べ続けた。
「余程お腹が空いていたんだね。まさか全部平らげるなんてね。」
「ごちそうさま……」
満腹になった途端に思考が回り始め疑問が次々と湧いてくるのを感じた。
「………ここは何処であなたは誰?」
「そうだね、君にはそれを聞く権利がある。僕の恰好でなんとなく察していると思うけどここはエレンシア。そして僕はしがない騎士ジーク・アイルウッド、ジークでいいよ。」
……何一つ分からなかった……多分常識なのだろう。
「……申し訳ないけどジーク、私は記憶喪失だから丁寧に教えてほしい。ここがどんな街なのか。」
私がそう言うとジークは驚いた顔をした。
「そうなのかい!?分かった、丁寧に一から説明するよ。ここは君が倒れていた山の近くにある街エレンシア。この街には騎士団の本部があることで有名なんだ。」
「騎士団……?」
「騎士団というのは依頼を受けてそれを達成して報酬を受けとる。そういう集団なんだ。あちこちに支部があってかなり大きい組織なんだよ。騎士団は皆僕と同じ甲冑を着て腰に剣を差している。そしてなによりこのワッペンこそが騎士の印であり誇りなんだ。」
そういうとジークは右腕を見せる。二の腕の辺りに竜が施されたワッペンがあった。
「さらに騎士団で優れた者達は各地の王から直々に命令を受けて護衛などを任される。僕はそんな誉ある騎士になりたいんだ。」
そう語るジークの目はキラキラと光っていた。
「ああごめん、脱線しすぎたね。まぁそんな感じでこの街は騎士団の本部があるっていうのが一番の特徴かな。」
「ありがとう……大体わかった……」
私はベッドから降りて外に出ようとする。
「待ってくれ。」
「何……?」
ジークが呼び止める、これ以上私に用があるのだろうか?
「君は記憶喪失なんだろう?一人で外に出ても何もわからずにまた倒れてしまうかもしれない。しかもそんな恰好でうろつかれるとね……」
ジークが苦笑いしながら私を指さす。私は今一度自分の服装を見てみる。土で茶色くなった元白いワンピースに裸足という森をさまよう分には問題なかったが、確かに人前には出れない格好だった。
「僕がしばらく君を引き取るからこの街のことを深く知ったりこれからどうするのか決めていかないかい?」
私はしばらく考える。確かに美味しい話だし乗らない理由は無いのだろう。でも初対面の男が何故ここまで優しくしてくれるのだろう?それが私には引っかかる、もしかしたら私を騙そうとしているのかもしれない。
「引き取ってる間は当然君の衣食住は僕が保証するよ。」
衣食住……衣…食…住……食!!
「分かった。」
「良かった、しばらくの間よろしく。君の名前は……分からないのかな?」
私は思い出そうとしてみる、やはりなにも浮かんでこない。
「そうか……これから先名前が無いと不便だからね……僕が名前を付けてあげるよ。」
「それは助かる……」
そう言うとジークは首を捻って考え始める。これは長丁場になるかもしれないと思った瞬間ジークははっとしたような顔をする。
「リア……君の名前はリアでどうかな?」
「……リア。」
リアと何度も心の中で呼んでみる。記憶に、魂に刻み付けるように何度も。
「ありがとう、ジーク……気に入った。」
「それは良かった。」
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