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英雄と魔王の食事会
しおりを挟むカルサスシャロンは向かいあい互いを見つめている
シャロンから闇の気配がする、しかも強大な力を宿している・・
朝出かける前は優しい瞳をしていたのに何者かに乗っ取られたのか?
カルサス兄さまから光の力を感じる
朝出かける前の姿と全然ちがう、頼りないけど優しい兄さまとは違う
何かの力に目覚めた?
「二人とも食事にしよう」
父エリルの言葉を受け二人は椅子に座り母の作った食事を食べる
「今日はめでたい日だな」
エリルは酒を飲みながら二人に話しかけた、落ちこぼれと言われた息子は一様はギルドのメンバーになり、娘は貴族の婚約者、彼の人生の中では一番幸せな時間だった
「お父様実は・・・」
「どうした?」
「婚約破棄されましたの」
「どういう事だ」
貴族の息子と結婚して、これからは我が家は安泰と考えている時に娘からの言葉は受け入れたくない思いだった
「実は違う女性と結婚されるみたいで・・」
「なぜだ!!!」
父エリルより先に兄のカノンがテーブルを叩き怒りを表した
「兄さま」
「シャロンお前なんて私の娘じゃない」
「そんな・・」
「なぜです シャロンは」
「お前は貴族と結婚するからお前のことを気にかけていたんだ」
カルサスとシャロンは出来が悪く本当ならすぐに家を追い出したかったが貴族と結婚するのなら良いと思っていたのだ
「ついでにカノンお前も家から出ていけ」
その時シャロンはテーブルを叩き破壊した
「なぜ兄さまが出ていく必要があるんですか」
「もともと出来損ないの息子だ家の恥になるに決まってる」
母は何も言わずに散らかった食器をかたずけている
「今すぐに出ていけ」
「お前らは追放だ」
いきなりの言葉だが二人は冷静に考えていた
「分かりました」
二人は椅子から立ち上がり家から出ていく
もともとカノンもシャロンも落ちこぼれと言われそれでも育ててくれたことには感謝しており、過去の記憶がよみがえった二人は旅に出ようと決めていたのだ
「長い間お世話になりました」
二人は同時に感謝の言葉を言うとドアを開け外に出た
「ごめんなさいお兄さん私の所為で」
「良いんだよシャロン・・ところでお前は誰だ」
カノンの言葉を聞いた瞬間にシャロンは後ろに飛ぶ
「我の正体に気づいたのか」
「闇の気配が強すぎる俺は気づいたが他の人間には分からないだろうな」
「お前も忌々しい光の気配がするぞ」
「俺は昔に魔王を封印した戦士だよ」
「お前かカルサス」
「なぜ俺の名を知っている?」
「この魔法陣を忘れたのか?」
シャロルの右手に黒い魔法陣が現れる
「お前 妹をシャロルに何をした!!!」
「何もしてないわよお兄さん」
シャロルは笑みを浮かべる
「よくも俺の妹を」
カノンは剣を抜きシャロルに切りかかる
「危ないですよお兄さん」
シャロルは剣を避ける
「私の前世の記憶がよみがえっただけですよ」
「そう前世の記憶お兄さんに封印された記憶がね」
「シャロルの記憶はなぜあるんだ?」
「ある者は仕方ないですよ」
「嘘だ!!!」
「本当ですよお兄さんの事慕ってましたのに残念ですわ」
「なぜ魔王の癖に父と母の前で何もしなかった」
「自分を育ててくれた恩ですよ」
「私も前世ではやり過ぎましたからな」
「魔王の癖に優しくなったな」
「お兄さんも一緒ですよ昔なら話も聞かずに切り殺したでしょうに」
シャロルの言葉に素直に受け入れてしまった、昔の俺ならすぐに切り殺したはずだ
妹だから
争いをしたくないからか
「敵ではないのか?」
「そうですわ 私はゆっくりとのんびりと過ごしたいのです」
「俺もそうだ」
「なら一緒に旅に出ますか?」
「なぜ魔王と一緒に旅に」
「兄妹ですから」
確かにもう争いは疲れた、追放された二人は他に身寄りがない・・
「分かった だが人を襲うなよ」
カノンは剣っを収めた」
「では行きましょうお兄さん」
元英雄と元魔王の不思議な冒険が始まる
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