私の愛した王子様

山美ハル

文字の大きさ
26 / 42

最終局面

しおりを挟む

氷の壁に一か所だけ穴が開いている

その穴の周りには傷ひとつないまるで最初から穴が開いていたようだ

「はぁはぁぁ」

マドレーヌは膝をつく

マドレーヌの一撃はぶ厚い氷の塊を突き抜けることが出来たが身体への負担が大きかったようだ

氷の一部と煙は闘技場に舞っている

「大したものよ」

煙の中からマーガレットの声が聞こえる

「身体を突き抜けたのに」

肩で息をしながらマドレーヌが叫ぶ

「少しは危ないと思ったけど」

「まだまだ兄のようにはいかないんじゃない?」

煙は風に流されマーガレットの身体が姿を現す

「そんなバカな」

タルトはマーガレットの身体を見て驚く

マーガレットの身体に傷一つ見当たらない

「終わりね」

氷の粒よ降り注げアイスイン

空中から無数の氷がマドレーヌ向かって降り注ぐ

「うぐぅぅぅああぁあ」

マドレーヌの身体に氷が降り注いでいる

マドレーヌは地面から起き上がる事が出来ない

「降参しなさい?」

マーガレットは再度降参を呼びかける

「いやだ」

マドレーヌは氷に撃たれながら声を上げた

「困ったわね」

「ならもっと」

さらに氷は激しさを増しながらマドレーヌに降り注ぐ

「うぐうううう」

「私は絶対にあきらめない」

マドレーヌは身体を起こし立ち上がる

「負けないんだー」

マドレーヌは炎を纏いマーガレットに向かっていく

マドレーヌの炎とマーガレットの氷がぶつかる

「きゃぁぁぁっぁあーー」

飛ばされたのはマーガレットの方だった

「そんなバカな・・」

マーガレットの身体に纏っている氷が溶ける

「まだまだ」

マドレーヌはチャンスと見ると続けて炎で攻撃を続ける

「くぅぅぅうう」

マーガレット何とか氷の膜を張り炎を軽減する

マーガレットが防戦一方を強いられている中

マドレーヌは両手を広げ

提唱する

思いよ風に乗せ愛の炎を届けろぉぉぉフームレター

炎は不死鳥のようにマーガレットに向かい飛ぶ

二つの氷の壁ダブルアイス

マーガレットに向かう不死鳥の前に二つの巨大な壁が出来る

「いっけぇぇぇぇぇぇ」

氷の弾ける音がした

「あとひとつぅぅぅぅ」

「ぐぬぅぅぅぅ」

「あと一つだぁぁぁぁぁぁぁ」

二つ目の氷が弾けた!!!

「これで終わりだぁぁぁぁ」

愛の全てよあの人に届けぇぇぇフレームハート

不死鳥が形を変え一筋の光になった


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜

高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。 婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。 それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。 何故、そんな事に。 優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。 婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。 リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。 悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ

みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。 婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。 これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。 愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。 毎日20時30分に投稿

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

悪役令嬢の涙

拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。

処理中です...