私の愛した王子様

山美ハル

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愛の稲妻迷宮編

食堂

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血まみれの男が食堂に入ってきた

「おい大丈夫かよ」

タルトは男に駆け寄る

「うううぅぅぅ」

男は安心したのかその場で気を失った

「死んだのか?」

「気を失っただけね」

マドレーヌは答える

「すごい怪我ですね」

キャサリンは言う

「魔獣に襲われたのかな」

「魔獣以外にも危険な事はたくさんあるわ」

「魔獣以外に何があるんだよ?」

タルトはマーガレットに聞く

「人間よ」

「人間?」

そう

貴重な宝や財宝を、見つけたとしても、周りはそれを目当てに、集まった者達

後ろから攻撃されても

裏切られても分からない

「裏切らないでよ?」

マドレーヌは周りに伝える

「私たちは紅茶が欲しいだけだよ」

「なら良いけど」

男は目を覚ます

「ここは?」

「食堂よ何があったの?」

マーガレットは男に質問する

「はいどうぞ」

キャサリンは水を男に与えた

「ありがとう」

男は水を一気に飲み干し

語り始めた

仲間と一緒にこの城の探索をしていたんだが

獣や魔獣に襲われ

ここまで逃げてきたんだ

「たぶん仲間は皆死んだ」

「俺は城から出ていくよ」

男は天井に空いた穴に通っているロープを掴み

地上へと昇っていく

「すごい表情でしたね」

キャサリンは男がいなくなってから声にした

「そうね行きましょうか」

「はい」

マーガレットとキャサリンは歩き始める

「この状況でもいくのかよ」

タルトはつぶやく

「帰りたければ帰れば?」

マーガレットは言う

「行くわよ」

マドレーヌは二人について行く

「ここまで来たら行くよ」

タルトは三人の後を追う

キャサリンは扉を開けた

「誰もいませんね」

食堂を出た四人は周りを警戒する

「この辺りは魔獣がいないのかしら?」

「用心したほうが良いな」

タルトは言う

「右と左どっちに進む?」

「とりあえず右にしましょう」

マーガレットは指さす

「分かった」

タルトは剣を抜き一番前に出た

曲がり角が見える

タルトが壁に沿うように歩く

曲がり角にタルトが差し掛かった時

キャサリンは弓を手に取り

タルトに向ける

「おいやめろよ」

タルトは止まる

キャサリンは行き良いよく

曲がり角に出る

そして矢を放った

シャァァギュウ

タルトが音に反応し曲がり角に向かう

「蛇?」

「ジャイアンスネークよ」

「ジャイアンスネーク?」

マーガレットは説明する

ジャイアンスネーク

曲がり角や死角に隠れ獲物を攻撃する蛇

大きさは40センチ程

キャサリンは蛇の頭を踏みつけ剣で首を切る

「あのまま歩いていれば・・」

タルトの顔が青くなる

「噛まれていたわね」

「大きな猛獣が出てくると思ってる人間はすぐにやられる」

マーガレットはタルトに忠告する

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