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2日目ー2

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少し気まずいと感じたあと、ふとあることを思い出した。
「あ、ロビーいかないと……」
「そう言うと思った!でもざんねーん、その必要はありませーん★」
「えっ!?」
もしかして、デスゲームだから……?こいつ、なにか仕掛けた……?やっぱ雷田さんが運営側……?
「いや、早く起きすぎたっぽくて。」
「……どういうこと?」
「あれれ、ルール知らない?」
「………?」
時間に関するルールはなかったはずだ。
「ほらこれ!」
雷田さんが本を押し付けてくる。そこには

夜の11時~朝の6時までは部屋を出ることを禁ずる。

と書いてあった。
「……ルールが、追加されてる?」
「そーそー、そうっぽいのよ。」
「…………何で…………?」
「うん?」
「…………何でわかったの?」
「あぁ、そのことね。朝早く起きて見てたからだよ。」
ほんとかなぁ。怪しい。運営側だから、知っていたのでは他にもボロを出すかもしれない。もう少し話を聞いてみよう。話すことは嫌いだけど。
「ところで今何時?」
「5時半だよ♪」 
早すぎる。もしかして、知っていたから、早く起きたのでは?
「早!?」
「そう?あたしとしては遅いくらいなんだけど。」
「嘘!?」
「ほんとほんと。だからー、30分話さなーい?」
「え、あ、うん。」


ーー何だかんだで30分経ったが、なにもおきなかった。
「それじゃ、ロビーいこっか。」
「う、うん。」
ロビーには、風見さんと雲城さんがいた。それぞれ紅茶とジュースを飲んでいる。
「やっほー!ご飯もう食べた?」
「いえ、まだです。」
「さっき食べたでしょ。」
「あれは前菜です。」
「ラーメン2杯と餃子10個が前菜!?」
そんな馬鹿な!?どんだけ大食いなんだ、風見さんは。
「えー、そんな食べんの?綾っちすごーい!!」
雷田さんが驚いてる。……本当に驚いてるのかな。
1度疑い出すと、全ての行動が信用できなくなる。
決めつけはよくない。よくないけど、疑っちゃう。
そんなことを考えていたら、ロボットが朝食を運んできた。
「わあ、美味しそうなうどん!」
確かに美味しそうだ。だが、私の鍋もなかなかだ。
「わぁ、美味しそうな小籠包と肉まん!!」
風見さんの方を見る。確かに美味しそうだ。美味しそうだが……。量がやべぇ!!無数の肉まんと小籠包が皿に積んであった。まるでウェディングケーキだ。
そしてそれを5分程度でたいらげた。こいつ人間か……?
私たちも、朝御飯を美味しく食べたあと、四人で少し話した。
2人は晴樹さんを疑っていたようだ。しかし、本当かどうかはわからない。
なぜなら私も雷田さんにごまかしたからだ。
他のみんなはどう思っているのだろう。
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