異世界でのんきに冒険始めました!

おむす微

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49:獣人の国…その2

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 獣人の案内でやって来た建物は、唯一地面に建てられた木造の大きな建物で、中からは数人の会話する声が微かに聞こえる。建物の前でしばらく待たされ中に通された。入ってすぐ広間になっており円卓を囲んで数人が座って此方を見ている。中央の若い男が声を掛けてきた。

「我々に、協力したいとの事だが?」

「始めまして。俺は、ソラと言う冒険者だ。その話は本当だ、どうか協力させてほしい。」

「あぁ…始めましてだなソラ殿。私の名は…ガウル・ガウディオ・エルン、…この国の第二王子だった者だ。今は只のガウルだ宜しくッ!まぁ~ガウルと呼んでくれ。」

「早速だが今の状況を教えて頂きたいガウル王子」

「もう王子は付けなくていいよ!堅苦しいのは無しでいい。それと、君達を信用して無い訳ではないが…其は出来ない申し出だ。」

「まぁ確かに…そうでしょうね…」

「言う迄もないが、ハイそうですかと君達を受け入れる訳には行かないし…認めたくもないがもうこの国は滅んだ様なものだ、今更君達を受け入れた処でどうにもならないよ。折角だがお引き取り願う。」

(諦めるの早すぎでしょ~)

「其は出来ない!」

 ソラは、迷いなく即答すると、隣で話を聞いていた一人が声を荒げた、

「何だと貴様ッ!只の冒険者風情がッ!自分勝手な…」

「まぁまぁ…ソラ殿どうして其所までする?今更、参加した所で戦況は変わらん、はっきり言って無駄死にだぞ?」

 ガウルは、直ぐにその男を静止ながらソラに問い掛けた、その表情は、笑顔だが明らかに内心は先程の者と同じであり、作り笑いだと、すぐ分かりそうなものだが…ソラは、空気を読むスキルを持ち合わせていないため、普段通りに何も考えず返答した。

「確かに身勝手な話だか、諦めるの早すぎないか?こっちは、協力してやるって言ってるだけだろ…少しでも戦力が増えた方がいいんじゃ無いのか?断る理由が分からん?」

 めっちゃ上から目線である。しかし、ガウルは其の態度が、何かスゴい策に対する自信でもあるのか?と、とらえ…

「強気だなオイ…何故其処まで自信を持てる!まぁ仕方ない…其処まで言うなら教えてやる!現在、我々は1000人程いるが、その内、戦闘可能な者は600程しかいない。対する帝国は7000以上だ、まだ増える可能性さえある。この状態で君達数人加わったくらいでどうにかなるか?しかも、こんな幼い子供まで連れてきて…貴様は何故其処までする?いったい何が目的なんだ?」

(マジ、ギリじゃんッ!急いで正解だな~)

 ソラは、少し考える素振りを見せたが、此方の誠意を見せるためにはここであの事を、話しておくのが良いと判断して自分の目的を正直に話した。

「目的か…目的は~そうだな言っておこうか…滅ぶのは勿体ないから救いたいのが救う理由だ。目的は…もし救う事が出来たなら、自由に出来る土地と家、出来れば俺達の存在を秘密にして、束縛せず放置して貰いたい、其なりの身分でもいい。」

 ソラの言葉に対してガウルは、呆れと困惑を示し、周りの者達は、自分達が必死なこの状況を、馬鹿にされたと思い怒りを露にした。

「勿体ないからだと?たった其れ丈の理由か?」

「何を馬鹿なことをッ!」

「そうだ、俺達を馬鹿にしているのか!」

「アハハハッ!本気か?」

 ソラは、その光景を前に、若干面倒になってきていた…

「もし、要求をのむなら明日の朝にでも帝国を追い払って見せるがどうする?」

(何も考えてないけどなッ!)

 ソラの、少しイラッとした不機嫌な口調に、一同は一瞬、只ならぬ威圧を感じとり黙り混んでしまったが、ガウルは、先程の考えがよみがえり思案するように答えた。

「…まさかな…いや…万が一…」

「……」

「根拠は?何故そんな事出来るのか知りたい?」

「今の時点で其を教える事は出来ないな…よく考えろ?そして選択しろ?」

(何か俺悪役みたいじゃないか俺?気のせいかな…あぁ~何か面倒になってきた…そもそも俺の気紛れだし、受け入れられないのなら、こっちはこっちで勝手に動くか?其だと報酬がな…)

しかし、ソラはその事に答える事は無かった。其は、今ここでソラの力を言った処で、今までの様子では、到底信じるとも思えず…仮に信じたとしても、絶対秘密にすると約束していないし、後で言いふらされたり、バラされたくなければ…とか言ってこられる可能性が有るため、最後まで教える気は無かったのである。

「断ったら?他の条件では?策も無しに決められないぞ?」

「そうだッ!何か策でもあるのか?それすら言えないのか?」

「信用ならん!帝国の手先では無いのか?」

 ソラの返答に、しびれを切らした者達が一斉に自分達の考えや、疑念を口に出し初め口論を始めた。その光景にソラは我慢できず、なげやりにいい放った。

「無いなッ!断ったら其までだ…残念だが…君達が死んで帝国が占領したあと…そうだな…其を追い払って新たな国をここに建国でもするさ。まぁ一般人くらいは助けてやるさ…俺は、国が欲しい訳じゃないからな…適当に国の運営はその中から出来る奴を選んで任せてもいいな~」

(ん?名案じゃないか?これなら面倒事は避けられるし、報酬の件も何とかなりそうだ!閃いたぞ…!)

 流石にソラの横暴とも取れる発言に、今までの尊大な態度を取っていたガウルも我慢の限界に達してしまい、怒りにまかせ声を荒げいい放った。

「アッハハハッ!世迷い言を…そんな事出来ない、出来てたまるかッ!」

 そんなどちらも一方的な意見をぶつけるのみで歩み寄りを見せない中で、今まで皆の会話を黙って聞いている女性が一人、彼女は幼かった…しかし、諦めずに自分の未熟な事を自覚し、大人には自分の意見など聞いて貰える機会は限られる、ならその時を無駄にしないためにも、相手側…ソラの本質を見抜こうと、一生懸命に幼いながらも国の為になるならと、大人の話は難しいので、言葉で無くソラの行動や仕草、後ろに控えている者達のようす等を観ていた少女が、何度か状況を覆そうと、ガウルに反論していた!

「兄様ッ!ここは彼を頼ってみても良いと、私は、思います」

「バカを申すなッ!父上も母上も、兄上迄もが戦って死んだのだ!勝てる見込みもないが我々は、戦って死ぬ事を選んだのだ!其をどこぞの訳の分からん世迷い言をほざく輩に頼って生き延びたとなったら、彼等死んでいった者達の誇りに傷が付く、我らの覚悟が無に帰すのだ。」

「そんな…そんな事無いです!父上達は、私達を生かすために散っていったのです。ここは何としても生きねばッ!それこそ彼等がうかばれません!」

「え~い、兄の意見に逆らうのかッ!」

「そんなっ…兄様どうかお考えなおしを…彼等なら何とかしてくれるかも…」

「もういいッ!お前達、妹を連れていけッ!」

「「はっ!」」

「待って…お兄様ッ!」

「姫様どうか我々を困らせないで…」

「嫌ッ!離してッ!」

 しかし、少女には兄に反論して考えを覆す程の確信もソラから感じる只ならぬ力や女性だからこそ分かる惹き付ける何か…を表現する言葉はまでは思い至らなかった。そして、無情にも少女は兵士に連れていかれてしまった。其を眺めていたソラだが、
 
(何か、頑固で昔ながらの老兵と新兵のやり取りみたいだったな…)

「いいのか?兄妹喧嘩みたいだが…?それで、返答は?」

「決まっているッ!到底受け入れられる話ではないッ!」

「そうか…残念だ。」

「悪く思わんでくれソラ殿…コレは俺達の国の誇りの問題だッ!助けて欲しいのは山々だが既に詰んでいる。君達を巻き込む訳にはいかんのだ…」

 ガウルは、先程の威勢をなくし、気力なくソラに話しかけた。そして、振り返り歩き出そうとしたソラを一旦呼び止め。今度はさっきまでと何処か雰囲気が変わり、姿勢を正しソラの目を真っ直ぐに見つめ呼び止めた。

「そうかい…皆行くぞッ!」

「待ってくれ…先程は済まなかった…立ち去る前にソラ殿ッ!1つ頼まれてくれないか?」

「何だ?この期に及んでやっぱり今の無しってのは無いぞ流石に…?」

「あぁ、コレは私の我儘で、国とは関係無い一人の兄として頼みがある。君は一般人は助けると言っていたな…もし…もしも本当に其が可能なら…妹達も救ってやってくれないかッ!」

 他の者達は、二人のやり取りを黙ってみているが、気になる様子で皆動かずに、二人の会話を聞いている。

「……」

「妹ってさっきのか?」

「あぁ…さっきのともう一人いる…アイツは今年で12才になるが…もう一人はまだ3才だ、頼むこの通りだッ!」

 今まで二人を静観していた者達まで口々に、ソラに懇願するように頼みだした、兵士までも…

「俺達からも頼むッ!」

「そうだッ!姫様達を助けてやってくれッ!」

「あぁ…あの子達をおら達、大人の戦に巻き込みたくないワンッ!」

「頼みますッ!」

(…答は決まっているッ!勿論、美少女と幼女は人類の宝だッ!)

 其を聞いたソラは、表情を緩め一度、家族達を見渡して、頷いた後振り返りガウル達に伝えた。

「ハハッ!兄としてか…いいぞッ!その願い叶えてやろう、特別だぞッ!」

 その言葉に、皆感謝の言葉をかけて、皆覚悟を決めた目付きになり先程までの険悪な雰囲気は無く、兵士達にいたっては、ソラに握手を求める程であった。

「ありがとう!」

「感謝するワン!」

「上手く逃げてくれよッ!」

「「ありがとう御座います!」」


「じゃあなッ!あの大樹の場所で待つ!さっさと連れて来いよ?必ず助けてやる!」

 それからソラ達は、最初に降り立った場所で、彼等との約束の為に待っていた。皆は、馬車の中で待たせ子供達は寝ている。ソラとメルだけ外で待っている。しばらくしてガウル達が、少女達を抱えて現れた。
 
「眠っているのか?」

「あぁ…話は上の子にちゃんとしてある。少し強情な処があるからな…1日以上は眠ったままだ…どうか妹達を頼む。」

「あぁ…任された!メルそっちの子を頼む。」

「はいマスター」

「本当に考えなおさないのか?」

(やっぱりコイツ良い奴じゃん…)

 我慢できずソラは、もう一度声をかけたが…

「兄達に約束したからな…立派に戦って散ると…只で死ぬ気は無いッ!帝国に目にもの見せてやるつもりだ。」

 ガウルは、其のつもりはいっさい無いと、強く言い張った。

「も~分かったよッ!」

(口ではあぁ言ったけど、そう簡単に納得出来る訳無いだろ~何でだよ…でも、止めちゃいけないのは…何と無く…そんな気がする。コレでうっかり助けても彼等は納得しないのかな…)

「じゃあッ!妹達をたのんだッ!」

「あぁ…」

 そう言ってガウル達は、森の中に消えていった…その生きている姿を見る事はもう無かった。翌朝、俺達が目を覚まし朝日が上る頃には、戦いは決着がついていた。あの後、彼等は帝国軍に夜襲をかけたらしい、帝国兵を2.000人も道連れに玉砕していた。

〔計画通りですねマスター〕

(オイ、もう一度言ってみろ…流石に…お前でも許さないぞ…)

〔ヒッ!申し訳ありませんマスター私の思い違いでした御許しくださいッ!〕

〔わ~メルが怒られてる~ガチのやつじゃない?めっずらし~〕

(茶化すなスレイブッ!俺は、今機嫌が悪い…少し黙ってろ)

〔はいマスター…御免なさい…〕

(メル、他の獣人達はどうなっている?)

〔はい!マスター非戦闘員達は昨日の集落に集められているようです。彼等の数は400人程です。〕

(戦闘で生き残った者は居ないのか?)

〔…先程迄は数人いたのですが…男はリンチ、女性は〕

(言うなッ!分かった…生き残った者はいないんだな?)

〔はいマスター〕

(そうか…初めは、ビビらせて追い払うつもりだったが、そうも言っていられないな…生き延びさせても次に狙われる他の国が可愛そうだ。)

〔御命令をッ!我が主よ〕

(はぁ…俺は、無双とかする気は無かったのにな…何処の世界も戦争って無くならないのかな…俺は、のんびり冒険したいだけなのに…カレン達を起こしてくれッ!子供達はそのままでいい、集落に行くぞッ!)

〔〔〔了解〕は~い〕御意〕




最後まで読んで下さりありがとうございます。このまま主人公はダークサイドへ堕ちてしまうのか?それとも?次回も是非暇潰ししていって下さい。

    
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