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遺書。
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私の命を、あなたに捧げます。
これが読まれているということは、私は無事に死ぬことができたのでしょう。
天国に逝けたのでしょう。
素晴らしいことです。
私は幸せです。
私が死んだ理由について書いておきましょう。
端的に言うと、「失恋」です。
「恋」のために死んだのです。
本当はそんな簡単な理由ではないのですが、万人が受け入れられるように書くにはこうするしかなかったのです。
私はあなたのことが「好き」でした。
それだけでした。
あなたに対して、「好き」以外の感情はなかったのです。
ただ、「好き」だったのです。
それだけだったのです。
私はあなたに告白しました。
「好き」だと伝えました。
「好き」だと言いました。
そうしたらあなたは答えたのです。
「ごめん」
私はそれに対して悲観して死んだわけではないのです。
先述と矛盾するようですが、この時は死のうなんてこれっぽっちも考えていなかったのです。
拒否されようとも、「好き」なままで生きていこうと思っていたのです。
人生に対して希望まではなくとも絶望はしていなかったのです。
言い訳ではなく本当の、偽りのない気持ちです。
生きたいと思っていたのです。
死にたくはなかったのです。
私はあなたのことが「好き」でした。
この気持ちに嘘はありませんでした。
そして私はこの気持ちを大事にしていました。
「好き」なことを認め、受け入れ、育んでいました。
私はあなたが「好き」でした。
この気持ちは今でも変わっていません。
あなたのことは死んでも「好き」です。
私は死ぬことを決意しました。
死ぬ理由など話しても無駄だとは思いますが、儀式的に書いておきます。
私は生きる意味を見失ったのです。
あなたに振られたことも間接的には関係しているでしょう。
私はあなたに振られたあと考えたのです。
私は何のために生きているのか、と。
答えは出ませんでした。
私の命に価値はなかったのです。
意味はなかったのです。
私の命に価値をあげたいと思いました。
私の命を誰かに捧げたいと思いました。
誰かのために命を使おうと思いました。
誰かのために死のうと思いました。
誰か、というのはあなた以外にいなかったのです。
私はあなたのために命を捧げるのです。
私の命はあなたのためにあったのです。
私の死をもって、私の存在をあなたの中に永遠に刻むことにしました。
一生消えないような傷を刻んで、忘れられないようにするのです。
そうして私はあなたの中で永遠に生き続けるのです。
それが私の命の意味なのです。
私が死ぬことで、あなたに私の存在が刻まれるでしょう。
消えない傷が残るでしょう。
嫌われても構いません。
私があなたの中にいればそれでいいのです。
それが私の幸せなのです。
そのために私は死ぬのです。
死ぬ理由はこれくらいですが、理解してもらおうとも思いません。
私は一人淋しく、誰にも認められずに死んでいくのです。
でもせめて、あなただけには私のことを覚えておいてほしいのです。
覚えてさえいなくても、ただ一瞬だけ私のことを考えてほしいのです。
一瞬だけでいいのです。
あなたの人生のうちの一瞬を私にください。
それだけで私の命は救われます。
それだけが私の命の価値なのです。
それだけでいいのです。
私は幸せです。
私は幸せでした。
私の死を、あなたに捧げます。
これが読まれているということは、私は無事に死ぬことができたのでしょう。
天国に逝けたのでしょう。
素晴らしいことです。
私は幸せです。
私が死んだ理由について書いておきましょう。
端的に言うと、「失恋」です。
「恋」のために死んだのです。
本当はそんな簡単な理由ではないのですが、万人が受け入れられるように書くにはこうするしかなかったのです。
私はあなたのことが「好き」でした。
それだけでした。
あなたに対して、「好き」以外の感情はなかったのです。
ただ、「好き」だったのです。
それだけだったのです。
私はあなたに告白しました。
「好き」だと伝えました。
「好き」だと言いました。
そうしたらあなたは答えたのです。
「ごめん」
私はそれに対して悲観して死んだわけではないのです。
先述と矛盾するようですが、この時は死のうなんてこれっぽっちも考えていなかったのです。
拒否されようとも、「好き」なままで生きていこうと思っていたのです。
人生に対して希望まではなくとも絶望はしていなかったのです。
言い訳ではなく本当の、偽りのない気持ちです。
生きたいと思っていたのです。
死にたくはなかったのです。
私はあなたのことが「好き」でした。
この気持ちに嘘はありませんでした。
そして私はこの気持ちを大事にしていました。
「好き」なことを認め、受け入れ、育んでいました。
私はあなたが「好き」でした。
この気持ちは今でも変わっていません。
あなたのことは死んでも「好き」です。
私は死ぬことを決意しました。
死ぬ理由など話しても無駄だとは思いますが、儀式的に書いておきます。
私は生きる意味を見失ったのです。
あなたに振られたことも間接的には関係しているでしょう。
私はあなたに振られたあと考えたのです。
私は何のために生きているのか、と。
答えは出ませんでした。
私の命に価値はなかったのです。
意味はなかったのです。
私の命に価値をあげたいと思いました。
私の命を誰かに捧げたいと思いました。
誰かのために命を使おうと思いました。
誰かのために死のうと思いました。
誰か、というのはあなた以外にいなかったのです。
私はあなたのために命を捧げるのです。
私の命はあなたのためにあったのです。
私の死をもって、私の存在をあなたの中に永遠に刻むことにしました。
一生消えないような傷を刻んで、忘れられないようにするのです。
そうして私はあなたの中で永遠に生き続けるのです。
それが私の命の意味なのです。
私が死ぬことで、あなたに私の存在が刻まれるでしょう。
消えない傷が残るでしょう。
嫌われても構いません。
私があなたの中にいればそれでいいのです。
それが私の幸せなのです。
そのために私は死ぬのです。
死ぬ理由はこれくらいですが、理解してもらおうとも思いません。
私は一人淋しく、誰にも認められずに死んでいくのです。
でもせめて、あなただけには私のことを覚えておいてほしいのです。
覚えてさえいなくても、ただ一瞬だけ私のことを考えてほしいのです。
一瞬だけでいいのです。
あなたの人生のうちの一瞬を私にください。
それだけで私の命は救われます。
それだけが私の命の価値なのです。
それだけでいいのです。
私は幸せです。
私は幸せでした。
私の死を、あなたに捧げます。
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