魔王に呪いでフェンリルにされたので狼生を謳歌する考えです

さおり(緑楊彰浩)

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第13話

13-4

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 ライアンは報酬額を気にすることはない。だから誰も受けない依頼を受けることが多いらしい。
 魔王城まで一人で来たライアンは、依頼を受けながら情報を集めていたらしい。たとえ魔王城を目指さなくても、ライアンは変わらない。受けたい依頼を受けるだけなのだ。

「話を聞きたい。スキルラさんのところに案内してもらえるか?」
「ああ、こっちだ」

 そう言って歩き出す。ライアンはパーティーの中で唯一師匠に会ったことがないらしい。
 もしかすると、師匠はライアンのことを知っているかもしれない。勇者候補に選ばれていたのだから。

「ところでさっきの魔物は魔王のところのか?」
「ああ。サンドラットを倒すのを手伝ってくれた」
「サンドラット……」

 ライアンも引っかかるのだろう。何故ここにサンドラットがいるのか。
 考えても分かるはずがない。本来の生息地は砂漠地帯。ここから離れているのだ。簡単に確かめることはできない。
 もしかすると今度リリアンが来たときに聞けば分かるかもしれないが、いつ来るのかもわからないのだから。
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