67 / 85
第六章 これから
第5話 自己嫌悪
しおりを挟む
腫れぼったい目、鏡に映る自分の姿はいつもより酷い。部屋から出るのも億劫になる程度に、昨晩のやりとりが重くのしかかる。
――在琉とどうに顔を合わせよう。謝っていた、謝った。けれど解決した気持ちにはなっていない。
ただ在琉のために、そう思ったことが全て裏目に出た。鏡の前から動かずに織理は自分に目を向けたままぼんやりと考える。
「学校、行きたくない……」
休みたい、気力が湧かない。在琉に合わせる顔もない。同棲しているから避けることはできないが、今だけでも距離を置きたい。
仲良くなった、そう思ってから怒らせるのは、最初から嫌われていた時とは比べ物にならないほど織理の気分を重くさせた。
――考えてみれば攪真や弦さんは俺に対して怒ったことがないんだ。こちらが邪推して怒らせてる、と思うことはあっても本当に怒った時を見ていない。だからこんなに、在琉の態度にショックを受けているのかも。
言葉にしてみるとなんとも甘えた理由に眉間に皺がよる。いつの間にかそれを当然の様に過ごしていた事実に気がついてしまった。
時計を見ると、普段ならば登校し始める時間に差し迫っていた。
着替えもせず廊下に出る、在琉はもう登校しているはずの時間。織理の中ではもう休むことが決定していた、なので軽くご飯を食べようと一階に降りる。空気が僅かに暖かい。そして僅かに良い香りがする。
リビングに顔を出せば攪真が朝食を食べているところのようだった。片手にマグカップを持ち、視線は手元の携帯に向けられている。目の前には空いた皿がある。
「おはよう、攪真」
「おはようさん、えらい遅い起床やけど休むん?」
カップを置いて、彼はへら、と笑う。織理はその言葉に頷き、キッチンの方へ。そして冷蔵庫から、茹で調理のウインナーを取り出して茹で始める。1人で食べるものに手間をかける気がなかった。
カウンター越しに2人だけ、けれど攪真と織理の間に会話はなかった。元々話すのが苦手な織理は話題を切り出すこともなく、攪真は攪真で4人揃ってならまだ話しやすいが2人きりで話せるほどまでは気持ちの整理ができていない。
茹で終えたウインナーを皿に盛り、テーブルに運ぶ。攪真の前で1人それに齧り付いた。
「ご飯とか炊かへんの?」
「うん、これでいい」
終わり。特に話すことがない。何処となく気まずいのか攪真はカップを流しに持っていき洗い始める。
――前は攪真と何話してたっけ。いや、話してないんだっけ。ふと思い返すは同棲を始めた頃のこと。あの頃の、何をしても怖くて苦しかった感覚はもうない。それと同時にあの初めてを攪真に捧げたときのような高揚感もない。
――そう言えば、攪真とはエッチな事、したんだっけ。朝食中に考えるには少し下世話な記憶が蘇る。
ただ、それっきり誰ともしてない。在琉のあれはエッチなのかわからない。とても気持ちよかったが、とても恥ずかしかった。弦さんとはキスまでしかしてない。
あれ、自分は恋人として囲われているのでは無かったっけ。最近自分は何か恋人らしい事をしたか? ただの居候になってないか?
こんな事を考え始めたが、別に織理は恋人らしい事をしたいわけでは無かった。ただ「当初の役目」がいつのまにか霧散している事実に気がついたのだ。織理はこのままでもいい、けれど他の3人は? 今の俺たちの関係ってなんだろう。俺は彼らにもっと恋人らしい事をしなくてはならなかったのでは……?
所謂、義務と権利の話だ。
この家に住む、食事をする、服を買う、ゲームが出来る。これらは同棲前なら難しい事だった。シンプルにお金がない、バイトをしても経費と家賃に消える。値引きされた食パンを買って、冷凍庫に冷やして日保ちさせて少しずつ食べる。お風呂はいつもシャワーで、湯船など無い。ベッドだけは頑張って買った安物。身だしなみだけは整えるためにちゃんと服などはそこそこ新調していたが、言って仕舞えばそこに消えた。
そんな人生が一変して、ゆとりある生活を送らせてもらえている。なのに、自分は何も返していない。そこにいるだけでいいという言葉を段々と鵜呑みにし始めて、この生活を当然のものにしてしまっていた。
かつん、と箸が皿に突き立てられる。自覚し始めると恐ろしくなるほどに何もしていない自分。誰にも何も言われないからそのままにしているけど、恥知らずもいいところだ。在琉を怒らせて、家主の弦を守ることもできず、攪真とは話も碌にできない。
リビングから出ていく攪真の背を見送り、織理も自室に戻る事にした。自分で考えよう、おそらく弦に相談すれば「そのままでいい」と言われて終わる。優しい、そして織理から見ると無欲な人。
「……というか、弦さんって俺と」
――えっちなことする気がないのかな、あの人。前に聞いたときは写真を取って終わったけれど、本当にそれで良かったんだろうか。
――――
と考えてはいたものの、今弦にそんな事を聞く気にもならなかった。そんなことより休みたいだろう彼に「えっち、したくないですか?」なんて聞くのは幾ら何でもゴミだ。クズだ、自分の存在理由を確かめるために病人にそんな事を提案できるわけがない。何より別にえっちがしたいわけではない、単純にこれしか思い浮かばなかっただけだ。
自室のベッドの上でノートを広げ、織理は思考を書き溜める。こうしてノートを無駄に使えるのもこの生活ならではの贅沢だ。
紙に弦さん、と書きその横に彼に対する感情や記憶を書き連ねていく。
――余裕があって、優しくて、自分の気持ちを言葉にしてくれる。人との会話が上手、この人みたいになりたいと思える人。嫌いなところ……特に思いつかない。よくハグをしてくれる。キスしたのはいつだっけ、あれ……。
「……あれ?」
本当に最初の頃に、自分からキスした記憶はある。それ以外で、弦からはされてない、気がする。
頭も撫でてくれる、抱きしめてくれる、何よりも織理を好きだと言葉で、雰囲気で伝えてくれる。なのにそれ以上のことがない。
――本当にこれでいいのか? 弦さんはこれで満足できているのか? 攪真なんて俺のことを抱きたくて仕方ない、みたいな雰囲気を出してたのに? それとも攪真がおかしいのか?
言葉にしてみるとわかる、自分と弦のよくわからない関係。自分は弦を好意的に見ているし、彼に誘われれば体を差し出したって嫌ではないくらいに好きなのに。いやでも、それは在琉に言われても差し出してしまうかもしれない。彼らになら何をされても許してしまえる。
「……俺ってもしかして、変態なのかな」
えっちしたいわけじゃないのに、彼らにならと思ってしまう頭がある。攪真とえっちをした時の様な幸福感に包まれる体験を彼らとしてみたい。……自己嫌悪が湧いてきた。ただでさえ卑しい自分の、更に汚らわしい一面を垣間見た気がする。吐き気がするとはまさにこのことだ。
織理は自身の胸につけてあるピアスに触れる。在琉に無理矢理開けられたピアス、これを開けられた時に彼に言われた言葉。
「娼婦のほうが、お似合い……」
あの時は正直痛みに気を取られて、気にしてもいなかった。だが今の自分の思考を見ているとその通りなのかもしれないと思ってしまう。
――やめよう、これ以上考えるのは。弦のことは時間が解決してくれると信じて、在琉の事はとにかく謝って元に戻るように頑張る。攪真は、何か話題を見つけて自分から改善しにいく。それが行動方針だ。
織理は坩堝に巻き込んでくるノートを閉じた。思考を整理する事、それ自体は悪くないが次はもう少し気楽な話題でやろうと決意した。
――在琉とどうに顔を合わせよう。謝っていた、謝った。けれど解決した気持ちにはなっていない。
ただ在琉のために、そう思ったことが全て裏目に出た。鏡の前から動かずに織理は自分に目を向けたままぼんやりと考える。
「学校、行きたくない……」
休みたい、気力が湧かない。在琉に合わせる顔もない。同棲しているから避けることはできないが、今だけでも距離を置きたい。
仲良くなった、そう思ってから怒らせるのは、最初から嫌われていた時とは比べ物にならないほど織理の気分を重くさせた。
――考えてみれば攪真や弦さんは俺に対して怒ったことがないんだ。こちらが邪推して怒らせてる、と思うことはあっても本当に怒った時を見ていない。だからこんなに、在琉の態度にショックを受けているのかも。
言葉にしてみるとなんとも甘えた理由に眉間に皺がよる。いつの間にかそれを当然の様に過ごしていた事実に気がついてしまった。
時計を見ると、普段ならば登校し始める時間に差し迫っていた。
着替えもせず廊下に出る、在琉はもう登校しているはずの時間。織理の中ではもう休むことが決定していた、なので軽くご飯を食べようと一階に降りる。空気が僅かに暖かい。そして僅かに良い香りがする。
リビングに顔を出せば攪真が朝食を食べているところのようだった。片手にマグカップを持ち、視線は手元の携帯に向けられている。目の前には空いた皿がある。
「おはよう、攪真」
「おはようさん、えらい遅い起床やけど休むん?」
カップを置いて、彼はへら、と笑う。織理はその言葉に頷き、キッチンの方へ。そして冷蔵庫から、茹で調理のウインナーを取り出して茹で始める。1人で食べるものに手間をかける気がなかった。
カウンター越しに2人だけ、けれど攪真と織理の間に会話はなかった。元々話すのが苦手な織理は話題を切り出すこともなく、攪真は攪真で4人揃ってならまだ話しやすいが2人きりで話せるほどまでは気持ちの整理ができていない。
茹で終えたウインナーを皿に盛り、テーブルに運ぶ。攪真の前で1人それに齧り付いた。
「ご飯とか炊かへんの?」
「うん、これでいい」
終わり。特に話すことがない。何処となく気まずいのか攪真はカップを流しに持っていき洗い始める。
――前は攪真と何話してたっけ。いや、話してないんだっけ。ふと思い返すは同棲を始めた頃のこと。あの頃の、何をしても怖くて苦しかった感覚はもうない。それと同時にあの初めてを攪真に捧げたときのような高揚感もない。
――そう言えば、攪真とはエッチな事、したんだっけ。朝食中に考えるには少し下世話な記憶が蘇る。
ただ、それっきり誰ともしてない。在琉のあれはエッチなのかわからない。とても気持ちよかったが、とても恥ずかしかった。弦さんとはキスまでしかしてない。
あれ、自分は恋人として囲われているのでは無かったっけ。最近自分は何か恋人らしい事をしたか? ただの居候になってないか?
こんな事を考え始めたが、別に織理は恋人らしい事をしたいわけでは無かった。ただ「当初の役目」がいつのまにか霧散している事実に気がついたのだ。織理はこのままでもいい、けれど他の3人は? 今の俺たちの関係ってなんだろう。俺は彼らにもっと恋人らしい事をしなくてはならなかったのでは……?
所謂、義務と権利の話だ。
この家に住む、食事をする、服を買う、ゲームが出来る。これらは同棲前なら難しい事だった。シンプルにお金がない、バイトをしても経費と家賃に消える。値引きされた食パンを買って、冷凍庫に冷やして日保ちさせて少しずつ食べる。お風呂はいつもシャワーで、湯船など無い。ベッドだけは頑張って買った安物。身だしなみだけは整えるためにちゃんと服などはそこそこ新調していたが、言って仕舞えばそこに消えた。
そんな人生が一変して、ゆとりある生活を送らせてもらえている。なのに、自分は何も返していない。そこにいるだけでいいという言葉を段々と鵜呑みにし始めて、この生活を当然のものにしてしまっていた。
かつん、と箸が皿に突き立てられる。自覚し始めると恐ろしくなるほどに何もしていない自分。誰にも何も言われないからそのままにしているけど、恥知らずもいいところだ。在琉を怒らせて、家主の弦を守ることもできず、攪真とは話も碌にできない。
リビングから出ていく攪真の背を見送り、織理も自室に戻る事にした。自分で考えよう、おそらく弦に相談すれば「そのままでいい」と言われて終わる。優しい、そして織理から見ると無欲な人。
「……というか、弦さんって俺と」
――えっちなことする気がないのかな、あの人。前に聞いたときは写真を取って終わったけれど、本当にそれで良かったんだろうか。
――――
と考えてはいたものの、今弦にそんな事を聞く気にもならなかった。そんなことより休みたいだろう彼に「えっち、したくないですか?」なんて聞くのは幾ら何でもゴミだ。クズだ、自分の存在理由を確かめるために病人にそんな事を提案できるわけがない。何より別にえっちがしたいわけではない、単純にこれしか思い浮かばなかっただけだ。
自室のベッドの上でノートを広げ、織理は思考を書き溜める。こうしてノートを無駄に使えるのもこの生活ならではの贅沢だ。
紙に弦さん、と書きその横に彼に対する感情や記憶を書き連ねていく。
――余裕があって、優しくて、自分の気持ちを言葉にしてくれる。人との会話が上手、この人みたいになりたいと思える人。嫌いなところ……特に思いつかない。よくハグをしてくれる。キスしたのはいつだっけ、あれ……。
「……あれ?」
本当に最初の頃に、自分からキスした記憶はある。それ以外で、弦からはされてない、気がする。
頭も撫でてくれる、抱きしめてくれる、何よりも織理を好きだと言葉で、雰囲気で伝えてくれる。なのにそれ以上のことがない。
――本当にこれでいいのか? 弦さんはこれで満足できているのか? 攪真なんて俺のことを抱きたくて仕方ない、みたいな雰囲気を出してたのに? それとも攪真がおかしいのか?
言葉にしてみるとわかる、自分と弦のよくわからない関係。自分は弦を好意的に見ているし、彼に誘われれば体を差し出したって嫌ではないくらいに好きなのに。いやでも、それは在琉に言われても差し出してしまうかもしれない。彼らになら何をされても許してしまえる。
「……俺ってもしかして、変態なのかな」
えっちしたいわけじゃないのに、彼らにならと思ってしまう頭がある。攪真とえっちをした時の様な幸福感に包まれる体験を彼らとしてみたい。……自己嫌悪が湧いてきた。ただでさえ卑しい自分の、更に汚らわしい一面を垣間見た気がする。吐き気がするとはまさにこのことだ。
織理は自身の胸につけてあるピアスに触れる。在琉に無理矢理開けられたピアス、これを開けられた時に彼に言われた言葉。
「娼婦のほうが、お似合い……」
あの時は正直痛みに気を取られて、気にしてもいなかった。だが今の自分の思考を見ているとその通りなのかもしれないと思ってしまう。
――やめよう、これ以上考えるのは。弦のことは時間が解決してくれると信じて、在琉の事はとにかく謝って元に戻るように頑張る。攪真は、何か話題を見つけて自分から改善しにいく。それが行動方針だ。
織理は坩堝に巻き込んでくるノートを閉じた。思考を整理する事、それ自体は悪くないが次はもう少し気楽な話題でやろうと決意した。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新するかもです。
BLoveさまのコンテストに応募するお話に、視点を追加して、倍くらいの字数増量(笑)でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!
ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。
ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。
これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。
ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!?
ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19)
公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる