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三がんばり目~色男に色仕掛け~
第30話 モテ男
しおりを挟む翌日、森本は早速転校生へ会いに二年生の階へやってきた。
どのクラスかまでは聞いていなかったため、とりあえず廊下を歩いて探すことにした。
ドンッ!
「わ!?」
「っと、…大丈夫か?」
よそ見をして歩いていたらちょうど教室から出てきた生徒とぶつかってしまう。
「はい…すみません………っ!?。」
尻餅をついた森本は差し出された手を取ろうとして驚いた。
その相手は昨日助けてくれた人だったのだ。
「ボーッとしてると踏まれるぞ。」
呆然としていると半ば強引に立ち上がらせられるが相手の態度はごく普通で、昨日の女子が自分だと気づいていないようだ。
「なんだよお前、頭でも打った?」
「だ、大丈夫です!」
「てか、なんで一年がここにいんの?」
「あ…人を探してまして…。」
「誰?知ってる奴だったら一緒に探してやるよ。」
昨日といいどうやら面倒見のいい人物のようだ。
「ほんとですか!最近転校してきたっていう人探してるんですけど…。」
「あー、そいつなら5組だぜ。呼んできてやるよ。」
「わ!ありがとうございます!」
そう言うと教室へ本人を呼びに行ってくれた。
少しすると二人はやって来て、転校生は男でも分かるほど色気があり本当に高校生かと見まごう容姿に森本はたじろいだ。
「…なに?」
こちらを見上げるだけで用件を言わない森本に催促する。
「あの、俺一年の森本 空汰って言います!
良かったらバスケ部に入ってくれませんか?」
「やだ。」
「な!なんでですか!もう他の部に入っちゃったんですか?
俺先輩が入ってくれるならなんでもします!」
「君が男だから。
僕基本的にお願い聞くの可愛い子限定にしてるんだよね。
マネージャーにそんな子でもいれば話は別だけど、何しろ本人連れてきてくれなきゃ絶対ヤダ。」
「そ、そんな…。
これから女子マネやってくれる人も探すので、ダメですか…?」
「気が乗らないなぁ。
ま、そのときになったらまた声かけてよ。」
ハッキリと断ると教室へ戻っていってしまった。
「気にすんなよ、あいつ相当の女好きらしいぜ。
いーよなー、モテる奴は。」
明らかに落ち込んでいる森本を慰めるように言うと、一つ気になることを問いかける。
「てか、バスケ部なんてないだろ?この学校。」
「あ、無かったので俺が作ってる最中なんですよ。」
「…止めとけば?そんなこと。」
「? なんでですか?」
「部活にマジになったって良いことないぜ?
大体お前の身長じゃバスケなんて無理だろ。」
「マジになるから面白いんです!
身長だって関係ない、その分努力します!」
「…うぜ。」
芯があり迷いのない表情をして堂々とする姿に目を逸らす。
彼も何かしらの事情があるのだろうか。
しかしそれ以上は何も言わず立ち去った。
「あれ~?
森本くんじゃん。」
モヤモヤしながらまた廊下を歩いていると菊地に出会う。
いつも通りな様子を見て珍しく森本は話を聞いてほしいと駆け寄った。
「先輩~!」
窓際で事の顛末を語ると菊地は笑いながら森本をなだめた。
「君も怒ることあるんだねえ。
転校生くんに関して一つ提案するとすれば、女装した森本くんで色仕掛けしちゃえばよくない?」
「え゛!?」
「ナンパくんも惚れちゃうくらい完成度高かったしきっとうまくいくよ~。」
面白がってるようにしか思えないが、女子マネを探すより当たって砕けろ精神でやってみた方が早いかもしれないと意を決した森本。
「俺、がんばってみます!菊地先輩、協力してくれますよね…!」
言い出しっぺなんだからと有無を言わさぬ雰囲気に、めんどくさいと思いつつ頷く菊地だった。
(なんかまたイイことさせてもらえるかもしれないしね。)
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