209 / 267
第四章
第二百八話
しおりを挟む
明人は水樹の膝の上に頭をのせ、あお向けになっている。水樹は髪をとくようにして明人に触れる。
「それ気持ちいい・・・。もっといい?」
好き、私も、付き合おう、はい。たかが口でそう契約するだけなのに、その途端にお互いに権利と義務が生まれて全部が許されるようになるなんて、全く簡単で都合の良い話だと明人は思った。
チュ。
明人が考え込んでいるすきに水樹が明人のおでこにいたずらをした。
「ぷっ。立花さんの負け。」
本当は違う。反応したら明人の負けだ。目を開ければここにいる水樹は恐らく偽物で、ゴブリンが自分に罠を仕掛けているんだろうと明人はまるで勇利のような思考をし、なんとか落ち着かなければと手を動かした。
「うーんっ。」
両手を広げて伸びをしてから、そのままゴブリンの腰に手をまわしてホールドした。
「散歩行こ。」
目を開けて起き上がり、水樹と部屋を出て卓球をした。最初は普通にラケットでプレイをしていたけれど、途中でスリッパに変えてみたらより面白くて夢中になった。水樹はボールを返すのがやっとで、明人が軽くスマッシュするだけでも対応出来ずに怒ってしまいでもそれがかわいいから明人はまたスマッシュした。
卓球後はそのまま夕食を済ませ、でも水樹は余り沢山食べずに心配したけれども疲れもあるのかな、と明人はあまり追求しなかった。それから一度部屋に戻り二人で大浴場まで行き、そして1時間後に大浴場そばの休憩所で待ち合わせの約束をした。
明人は何をしていても楽しくてでもどこか上の空の中、目の前に並べられて用意されているイベントを淡々とこなしている。それに水樹の事が好きで今の関係も好きでうまくいっているのだから、あえて壊さなくてもよいのではないかと思えて、夜になるのが不気味だった。
とはいうものの、頭の中をガチガチに緊張させ続きを期待しているのも明人の正直な気持ちで、どろどろで吐きそうで胃も気持ち悪くて、そんなだからもう面倒臭くもなってきてさっさと眠ってしまえばいいのかもと無責任に思い始めた。
「それ気持ちいい・・・。もっといい?」
好き、私も、付き合おう、はい。たかが口でそう契約するだけなのに、その途端にお互いに権利と義務が生まれて全部が許されるようになるなんて、全く簡単で都合の良い話だと明人は思った。
チュ。
明人が考え込んでいるすきに水樹が明人のおでこにいたずらをした。
「ぷっ。立花さんの負け。」
本当は違う。反応したら明人の負けだ。目を開ければここにいる水樹は恐らく偽物で、ゴブリンが自分に罠を仕掛けているんだろうと明人はまるで勇利のような思考をし、なんとか落ち着かなければと手を動かした。
「うーんっ。」
両手を広げて伸びをしてから、そのままゴブリンの腰に手をまわしてホールドした。
「散歩行こ。」
目を開けて起き上がり、水樹と部屋を出て卓球をした。最初は普通にラケットでプレイをしていたけれど、途中でスリッパに変えてみたらより面白くて夢中になった。水樹はボールを返すのがやっとで、明人が軽くスマッシュするだけでも対応出来ずに怒ってしまいでもそれがかわいいから明人はまたスマッシュした。
卓球後はそのまま夕食を済ませ、でも水樹は余り沢山食べずに心配したけれども疲れもあるのかな、と明人はあまり追求しなかった。それから一度部屋に戻り二人で大浴場まで行き、そして1時間後に大浴場そばの休憩所で待ち合わせの約束をした。
明人は何をしていても楽しくてでもどこか上の空の中、目の前に並べられて用意されているイベントを淡々とこなしている。それに水樹の事が好きで今の関係も好きでうまくいっているのだから、あえて壊さなくてもよいのではないかと思えて、夜になるのが不気味だった。
とはいうものの、頭の中をガチガチに緊張させ続きを期待しているのも明人の正直な気持ちで、どろどろで吐きそうで胃も気持ち悪くて、そんなだからもう面倒臭くもなってきてさっさと眠ってしまえばいいのかもと無責任に思い始めた。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる