リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~

自由山明

文字の大きさ
4 / 19
サイショノセカイ・1章 森林平原国家コルニー

1章4話 翌朝……

しおりを挟む
 翌朝……。
 すがすがしい陽気を浴びながら起きる。

 「あ~、よく寝た。まあ、僕アンドロイドだから寝る必要なんて本当はないんだけどね」 

  そんなことをつぶやきながら僕は起きた。 
部屋から出てエルヴィス君を探す……が、いない。
 外から声が聞こえるしどうやら外に出ているみたいだ。 
 そうして、玄関から外に出て、声のする方向に向かうとエルヴィス君が剣の稽古をしている。  
 ちょっと見てみよっと。 

 「セイッ、ハァッ、ヤァ!」 

  うんうん、中々いい動きをしているね。ケイデンさんが強いと言っていたのも納得だ。 

 「ハァ……、ハァ……。あ、アルさん! おはようございます!」 

 エルヴィス君が元気に挨拶してきた。
 こっちもエルヴィス君に負けないくらい元気に挨拶する。 

 「おはよう! エルヴィス君。朝から頑張っているね!」 

 「はい! 昨日で自分の弱さを痛感したので、今日は張り切って稽古をしています!」 

  向上心があっていいね。 
 まだ昨日の疲れが取れてないはずだけど、まあ怪我しない程度だったら大丈夫か。 
 そう思い、エルヴィス君の稽古を見て、時折アドバイスをしたり、一緒に稽古をしたりすること約一時間。 
 こっちにケイデンさんと、もう一人の男性が近づいてくるのがレーダーで確認できた。

 「エルヴィス君、どうやらケイデンさん達がシャドーウルフの素材を持ってきてくれたみたいだよ」 

 「え? ……確かによーく見るとあれはケイデンさんとルーウェンさんですね。ルーウェンさんが来る予定はなかったはずですが……何かあったんでしょうか?」 

  そしてケイデンさんと、もう一人のルーウェンさんという人が到着した。 

 「よう! エル坊、アル。シャドーウルフ、持ってきたぞ! それとこいつはうちのパーティーメンバーのルーウェンだ! アルに用があるつーもんだから連れてきた!」 

 「初めまして、ルーウェンと申します」 

 「初めまして、アルティマです。よろしくお願いします」 

 「よろしくお願いします。エルヴィスさん、急な来訪申しわけありません」 

 ルーウェンさんはスラっとした体格でいかにも魔法使いっぽい恰好をしている。 
 ケイデンさんとは正反対の格好だ。 

 「いえいえ! 私は一向にかまいませんよ」 

 「それで、シャドーウルフの素材がこれだ。とてもきれいな状態だったから解体するのが楽だったぞ。さあ、受け取ってくれ!」 

 うん、どの素材もきれいに解体されている。ケイデンさんに頼んで正解だったな。 

 「ところで、ルーウェンさんは僕のことが気になるということですがどんな御用で?」 

 「ええ、私やケイデンは冒険者なんですがアルティマさんはおそらく旅人がだと思いますが、冒険者ギルドには登録されてませんよね?」 

 「そうですね」 

  おー! 冒険者ギルド、やっぱりあるのか! 

 「ならば、私たちは明日この村の南にあるザイールという町へ行くんですよ。その街にはギルドもあります。ギルドに登録すれば、きっとあなたの旅がうまくいきやすくなると思います。ケイデンがずいぶん気に入っているのできっと推薦してくれるでしょう。ぜひ一緒に行きませんか?」 

 「おーそれはいいな! こいつはシャドーウルフをきれいに倒す実力もあるし強さは申し分ないな! よし、Bランク冒険者であるこの俺が直々に推薦しよう!」 

 「……もしかしてケイデンさんってすごい人だったり?」 

 「当た坊よ! S、A、B、C、D、E、Fの中のBだからな! 町では結構名が知れているぞ」 

 「ちなみに、私もBランクですよ」 

 どうやらケイデンさんとルーウェンさんは結構すごい冒険者らしい。 

「それで、どうする? 行くか?」 

 やっぱりいろいろなところ見てみたいし行ってみようかな。 
 この世界に来たのも自由に旅をするのが目的だしね。 

 「では、お言葉に甘えていかせていただきます!」 

 「そうですかそれはよかったです。では出発は明日の朝、集合場所は村の正門です。我々は乗合馬車の護衛ですが、アルティマさんは依頼を受けていないので乗客という形になりますね。では我々はそろそろ失礼します」 

 「じゃあな! アル。また明日!」 

 そういってケイデンさんとルーウェンさんは帰っていった。 
 僕は部屋に素材を置いたふりをして収納に入れた。 
 それと、僕が明日出発すると聞いてエルヴィス君が少し寂しそうだ。 

 「そうですよね……、アルさんは旅人ですし色々なところに行きますもんね……、えぇい! くよくよしない私! アルさん、明日出立するというなら、せめて今日は私が村を案内しますよ!」 

  そういってエルヴィス君は思いっきりの笑顔でそういってくれた。 

 「ごめんね、エルヴィス君。そしてありがとう。急に出ることが決まっちゃったけど今日はエルヴィス君と思いっきり村を散策する予定だよ!」 

  僕もこの村を見きれていないからね。 
 町に行くにしてもこの村をよく見てからにしたい。

 「では、行きましょう! あ、その前にアルさんにお金を渡しておきますね。どうぞ、銀貨五十枚と金貨五枚です」 

  ちょうどいい、現地のお金なくて困ってたんだよ~ありがたくいた……⁉ 
 銀貨五十枚と金貨五枚って、白金貨一枚分⁉  
 ちょっと、ちょっと! 
 なんでそんな額のお金ポンと渡しちゃうのさ! 

 「いやいや、さすがにこんな大金もらえないよ!」 

 「いえ、ぜひもらってください。父上からお金だけはもらっていますし、こんなんで恩をすべて返せたとは思っていませんがこれはせめてもの気持ちなんです。どうか受け取ってください!」 

  そこまで言われると断りづらいな……エルヴィス君、恐ろしい子!  
 なんてね。 

 「うぅ~わかった。そこまで言うなら受け取るよ」 

 「ありがとうございます! さあ、行きましょう。まずはここから一番近い食堂からです!」 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった

夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

氷結の夜明けの果て (R16)

ウルフィー-UG6
ファンタジー
Edge of the Frozen Dawn(エッジ・オブ・ザ・フローズン・ドーン) よくある異世界転生? 使い古されたテンプレート? ――そうかもしれない。 だが、これはダークファンタジーだ。 恐怖とは、姿を見せた瞬間よりも―― まだ見えぬまま、静かに忍び寄るもの。 穏やかな始まり。ほのかな優しさ。 だが、石の下には、眠る獣がいるかもしれない。 その時が来れば、闇は牙を剥く。 あらすじ 失われた魂――影に見つめられながら。 だが、英雄とは……本当に常に“光”のために戦う者なのか? 異国の大地で、記憶のないまま、見知らぬ身体で目を覚ます。 生き延びようとする本能だけが、彼を前へと突き動かす。 ――英雄か、災厄か。それを分けるのは、ただ一つの選択。 冷たく、謎めいた女戦士アリニアと共に、 彼は武器を鍛え、輝く都市を訪れ、古の森を抜け、忘れられた遺跡へと踏み込んでいく。 だが、栄光へと近づく一歩ごとに、 痛みが、迷いが、そして見えない傷が刻まれていく。 光の道を歩んでいるかのように見えて―― その背後で、影は静かに育ち続けていた。 ――これは、力と希望、そして自ら築き上げる運命の物語。 🔹 広大で容赦のない世界が、挑む者を待ち受ける。 🔹 試練と沈黙の中で絆を深めていく、二人の仲間。 🔹 「居場所」を探す旅路の果てに待つものとは――。 ヴェイルは進む。 その選択はやがて、一つの伝説を生み出すだろう。 それが光か、闇か。――決めるのは、あなた自身だ。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
  魔王を倒した(和解)した元勇者・ユメは、平和になった異世界を満喫していた。しかしある日、風の帝王に呼び出されるといきなり『追放』を言い渡された。絶望したユメは、魔法使い、聖女、超初心者の仲間と共に、理想郷を作ることを決意。  帝国に負けない【防衛値】を極めることにした。  信頼できる仲間と共に守備を固めていれば、どんなモンスターに襲われてもビクともしないほどに国は盤石となった。  そうしてある日、今度は魔神が復活。各地で暴れまわり、その魔の手は帝国にも襲い掛かった。すると、帝王から帝国防衛に戻れと言われた。だが、もう遅い。  すでに理想郷を築き上げたユメは、自分の国を守ることだけに全力を尽くしていく。

処理中です...