リジェネレイト・トリップ~アルとアイザの異世界旅行記~

自由山明

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サイショノセカイ・1章 森林平原国家コルニー

1章6話 村から町へ

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 アードリアン村を出発して三日が経った。 
 特に異常はなく順調に代り映えのない道のりの半分を過ぎた。 

 「アルさん、暇じゃし何か話そうじゃないか」 

  そうぼやくのは商人のウカールさん、大きくはないが商会のベテラン従業員であり、今回はアードリアン村に商機があるかどうかを視察しに来たみたいだ。 

 「ええ、いいですよ。何を話します?」 

 「せっかくじゃし、アルさんの服装のことが、もっと聞きたいのう」 

  うーん、やっぱり見ない格好してるし、そこ突っ込まれるよね。 
 今後も聞かれるの面倒だしいっそのこと町でいい感じの服を買って改造するか? 
 いやー、でもこの軍服気に入ってるんだよな~。 

 「僕の格好のことですね。何が聞きたいんです?」 

 「その恰好あまり見ない格好じゃが、アルさんはいったいどこの出身なんじゃ?」 

  やっぱり聞かれるよね。さて何と答えようか…… 。

 「僕はこの大陸の外にある、リジェネレイトという場所から来たんですよ」 

  嘘は言ってない、嘘は。 
 僕の拠点となるリジェネレイト国,
 もしくは前世の故郷の日本、は確かにこの大陸の外、というかこの世界の外にあるし……。

 「うーむ、聞いたことない町じゃのう」 

 「まあそうですよ、知名度は高くないですしね」 

  よし、どこかの町の出身と勘違いしてくれたようだ。 
 これで追及がなくなる。 

 「敵襲!」 

  どうやらケイデンさん達が敵の存在に気付いたようだ、僕は敵がレーダーの制限有効範囲の三十六km以内に入った時点で、察知していたので戦闘準備はすでに済ませてある。 
 そう言われてすぐに、僕は馬車を飛び出した。 

 「ケイデンさん! 状況は?」 

 「盗賊だ! 数は九!」 

  ケイデンさんが簡潔に教えてくれた。 
 すでに戦闘準備を整えており、立ち姿も様になっている。 
 やっぱりBランクなだけあって戦い慣れていそうだ。  

 「アル! 武器はあるか?」 

  そういわれたので僕はあらかじめ腰に装備しておいたナイフ……雷光を見せた。 

 「ナイフの二刀流、しかも左は逆手持ちか。珍しいな。期待してるぞ!」 

  まあ、多分この戦いでは使わないだろうけどね。 
 この世界での盗賊の扱いが分からないし殺さないようにしておくか。 
 そうしてケイデンさんと話していると、盗賊とそのボスらしき人物が現れた。 

 「へへ、おいお前ら! 金目のものか女を置いていきな。そうすれば命は助けてy——」 

「ファイアボール!」 

  ルーウェンさんが容赦なく先制攻撃でテンプレ的なことを言ってきた盗賊を仕留める。 

 「や、やりあがったなくr——」 

「プラズマショック」 

  そういって弓を撃ってきた盗賊を僕がプラズマショックで気絶させた。 

 「ま、まだd——」 

「プラズマパンチ」 

 ナイフで切りかかってきた盗賊を避け、威力を抑えたプラズマパンチで気絶させる。 

 「おっとやっべえな、このままじゃアルにすべて倒されちまう! おいルーウェン! 俺らもやるぞ!」 

 「ええ、わかってます! フレイムピラー!」 

  そういって二人はすぐさま盗賊を二人ずつ倒した。 

 仲間が次々と倒されて盗賊たちはかなり動揺しているようだ。 

 「クソ、食らえ! ……避けただと!? じょ、冗談じゃない! 俺は降りさせてもr——」 

「プラズマショック」 

  そして盗賊はみるみるうちに数を減らし、とうとう残ったのはボス一人となった。 

 「チッ! やけに護衛が少ないからチャンスかと思ったら、揃いも揃って強者だったとは……!」 

 「おとなしく投降するんだな。そうすれば犯罪奴隷になるが命は助かるぞ」 

 「……わかった投降する」 

  そういうと盗賊のボスはあっさりと捕まった。 
 もう少し粘るものかと思っていたが手間が省けて助かった。 
 ……だけど結局、武器使わなかったな。 
 死んだ盗賊はルーウェンさんが魔法で火葬し、残りも縄で縛って、魔法が使えないように猿ぐつわも付けて馬車の後ろに括り付けた。 
 そしてまた街に向けて出発した。 

 「ゆっくり行ってもいいがこのままじゃ盗賊が餓死して報奨金が貰えないな……おーい! ちょっと急いでくれないか!」 

  ケイデンさんが御者さんにそういうと馬が走り出した。 
 これならあと一日もすれば町につくだろう。 

 「そうだアル、盗賊の報奨金だが、お前が大半を生け捕りにしたんだ。アルが報奨金を全部もらいな」 

 「そうですね。我々が倒せたのは五人ですべて殺してしまいましたしね……ボスは自ら投降しましたが、私たちはあまりお金に困っていないのでどうぞアルさんが受け取ってください」 

  報奨金を全て貰うのは申し訳ないとは思ったが二人がお金に困ってないというならばまあいいだろうと思い、ありがたく報奨金をもらうことにした。 

 (アイザ、盗賊の報奨金ってどのくらいあるの?) 

 (盗賊が悪名高いほど金額が上がる傾向にありますが、基本は銀貨一枚のようです) 

  そうしてアイザと高速で話したり、ウカールさんに強さを褒められたりしながら、そこから先はトラブルもなくザイールに到着した。 
 立派な城壁に囲まれた堅牢そうな町だ。 

 「アルさん、今更ですがお金はありますか? 町に入るには税金として銅貨二枚が必要なのですが……」 

  ルーウェンがそういってきた。 
 それなら大丈夫!  
 こないだエルヴィス君と村を見て回った時に買い物をした時貰ったおつりがあるからね。 

 「ええ、ありますよ。ほら」 

  そういって軍帽から銅貨二枚を取り出した。 

 「……出す場所はともかく、金額は問題ありませんね」 

  そういって町に入る人が並んでいる場所に並び僕たちの番がやってきた。 
 門番の人は、顔は怖いが親しげのある雰囲気だ。 

 「町へ入るんだな、じゃあ一人銅貨二枚出してくれ」 

  門番の人に税金を渡し門番の人が念のため馬車の中を確認した後こういった。 

 「じゃあ、この縛られている盗賊の報奨金だが、一人銀貨一枚だ。色々と事後処理が必要ですぐには渡せないが、だれが何人分受け取るんだ?」 

 「生きている奴は、ボス以外こいつが全部倒したからこいつに渡してくれ。ボスの分も俺らはいらないからこいつに渡してくれ」 

  すると、門番の人は何やら感心しているようで興味深そうにこう言った。 

 「ほう、君若いのに強いんだね! ようこそザイールへ!」 

  そうして僕たちはザイールの北門をくぐった。 
 町に入るとアードリアン村の三倍ほどの賑わいを感じた。 
 沢山の人々が行きかっており、子供が遊んでいるのも見える。
 どうやらかなり活気のある町のようだ。
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