ゴールドレイン

小夏 つきひ

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3つの星

3つの星⑯

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3人は駐車場へ行き車に乗った。晴喜は柊に助手席へ座るよう促した。初めて会う大人の車に乗るのは不安もあるだろうと思っての事だ。
「はい、これあげる」
晴喜はコンビニの袋からペットボトル入りのスポーツ飲料を取り出して渡した。
「ありがとう、飲んでいい?」
「いいよ」
柊は喉が渇いていたのか一気に半分ほど飲んだ。
「ここの公園広くていいな。今までに来たことあるの?」
晴喜の質問に柊は勢いよく答えた。
「ある!前に来た時はね、パパがボールをキャッチするのやってくれたんだ」
「野球?」
「違う、ほら、手にこんな丸いの持ってくっつき虫みたいにボールがつくやつ!」
「あー、あれね。楽しそうだな」
「うん。すっごく楽しかった」
柊はかすれた声で言った。笑顔だったが段々と俯いて晴喜がドリンクを一口飲み終わる頃には寂しげな顔に変わっていた。
「どうかした?」
「…僕、悪い子なんだ」
晴喜と拓人は耳を澄ました。
「あのさ、僕ママに怒られてもすぐに謝らないんだ。それに拗ねてばっかりだし」
「すぐに謝れないのはなんで?」
「謝らないといけないって思うけど、できない」
「そうか。何か言い分があるんじゃないのか?」
「いいぶんって何?」
「んー、理由っていうのかな。じゃあ例えば、柊君がお母さんに怒ってることってないか?」
「えっ」
柊は戸惑っている。何か当て嵌まることがあるようだ。
「…怒ってるよ。だって、紡のことばっかり見てるんだもん」
晴喜はその言葉に驚かなかった。
「お母さんは柊君の事どう思ってるんだろう?」
「たぶん、もう嫌いになったんだと思う」
「そうかな、聞いてみた?」
「ううん。ママもパパも紡を見ていっぱい笑うのに、僕は怒られてばっか」
拓人は後部座席から晴喜を見た。晴喜は柊を温かな眼差しで見ている。
「お母さんは柊君のことすごく好きだと思うよ。お父さんも」
「……なんでそう思うの?」
「そんなの見てたらわかるよ。あと俺はお兄ちゃんだから君の気持もわかるんだよ」
「きょうだいいるの?」
「うん、弟がいるよ。小さかった時は柊君と同じことを思ってた。でも大きくなるにつれてわかったんだ、自分のことも大切に思ってくれてたって」
「どんなふうにわかるの?」
晴喜は少し間を空けてから答えた。
「これから楽しみにしてるといいよ」
柊は答えに期待していたが肩を落とした。拓人は晴喜の言葉の意味を考えながら雨降る窓の外を見ている。

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