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志貴、腐りました
その8、食堂到着
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一階にある渡り廊下を通り食堂に向かう途中、真緒に今後食堂を利用するか部屋で自炊をするか聞かれた。なんでも生徒の中にはスポーツ推薦や奨学生で入学している生徒がいて、スポーツ推薦の生徒は学費と寮費と食費が免除になっているが、奨学生は授業料と寮費だけ。食堂を利用しようにも3食食堂だとかなりの金額になるからと自炊する生徒が多いんだとか。
お高い学校ですもんね、そりゃ食堂のメニューもお高いんでしょうな。現金でメニューのチケットを購入している生徒の殆どが奨学生だと教えてくれた。そして編入生はほぼ奨学生らしい。
「志貴は奨学生じゃないのか?」
「違うよ。家族に高校から入るように言われただけ。獣を返り討ちできるように空手を習わされたよ」
「獣?……そうか。本棚以外用意してないようだったから節約してるのかと思ってたけど、着てるのブランド物だもんな」
真緒は志貴の獣発言に何かを察しスルーしたよ!
「自分じゃ殆ど買わないけどな。家族が勝手に買ってくるんだよね。もう着せ替え人形だよ」
「ふむ。スタイルが良いから着せたいんだろ。気持ちはわからなくはないな」
「分からなくっていいって~」
食堂に近くなるにつれて夕飯時なので生徒が多くなってくる。それにしたがい物凄く見られている気がする。
いや?気がするじゃなく見られている。隣のイケメンを見て赤くなっている生徒もいる(もっとそーゆーのチョウダイ!)が、俺をがっつり見ている。小さな声で「市川様!」「隣の人誰⁉」って聞こえてくる。
はい、真原志貴くんですよー。みんな宜しくねー。にっこり笑ってやれば真っ赤になる生徒と黄色い悲鳴が。
うんうん美人だもんね俺。顔が良い自覚あるからねー。使えるモノは使う、ここテストに出るよ~。
それにしても真緒を見てキャッキャ言ってる生徒(もちろん男)が多いって事はきゃつは有名人なのか?
「な……なんだ?」
「もしかして真緒って有名人?」
「……中等部で生徒会長やってたからだろ」
「ふーん」
赤くした顔から渋面に変えたトコを見ると色んな生徒に迫られて辟易してるってトコか?こんだけイケメンなら群がられたんだろうな。男子校だから男しかいないけどな!
高等部専用の食堂は清潔感があり広々としていた。二階にも食べる場所はあるが、1年生は基本一階を利用するらしい。
「凄い、和洋中定食の他に麺類や一品料理まで……レストラン並じゃん!」
「デザートもあるぞ」
「ホントだっと、、、」
「気をつけろ」
掲げられているメニュー表を見ていたらぶつかられたらしく、真緒がよろけた俺の腰に腕を回し引き寄せる。
……残念、周りはきゃあきゃあ言っているけど、やっぱり自分にされてもときめかない!
「どれにする?」
「んー麻婆豆腐定食にする」
俺のお口は中華な気分!券売機の隅にあるキクラゲ定食と大盛りの隣にあるおっさん盛りのボタンが気になるけどな。
「う・ま~~~」
麻婆豆腐美味っ!辛味が足りなかったのでテーブルに置いてある一味唐辛子をガンガンに振り入れたけどひき肉多め崩れていない豆腐に感動!
うちの母は何故か中華だけ上手く作れないんだよなー。麻婆豆腐なんて豆腐は跡形も無くなっているし、素を使っても味がヤバい。ある意味素質があるんだろうな、ダメな意味で。
だから母と中華の相性が悪すぎて食べたい時は外食か姉や俺が作ってる。
「そんなに麻婆豆腐が好きなのか?」
「それなり?一番好きなのはきなこのおはぎ!」
「食事じゃねぇし」
「むうー」
ぷぅっと頬を膨らませて抗議するも「冷めるぞ」とスルーされてしまった。それもそうかと食事を再開、定食に付いているサラダとデザートのゼリーもしっかり完食。こんな美味しいの毎回食べてたら太りそうだな。
「ねえ君、」
「んえ?」
満足満足と食後にお茶(セルフだけど無料なんだって!)を飲んでいると、ふわふわした茶髪に大きな瞳の小柄な生徒が横の椅子に座り話しかけてきた。
やだ、きゅるるん男子(受希望)キターーーーー!!
お高い学校ですもんね、そりゃ食堂のメニューもお高いんでしょうな。現金でメニューのチケットを購入している生徒の殆どが奨学生だと教えてくれた。そして編入生はほぼ奨学生らしい。
「志貴は奨学生じゃないのか?」
「違うよ。家族に高校から入るように言われただけ。獣を返り討ちできるように空手を習わされたよ」
「獣?……そうか。本棚以外用意してないようだったから節約してるのかと思ってたけど、着てるのブランド物だもんな」
真緒は志貴の獣発言に何かを察しスルーしたよ!
「自分じゃ殆ど買わないけどな。家族が勝手に買ってくるんだよね。もう着せ替え人形だよ」
「ふむ。スタイルが良いから着せたいんだろ。気持ちはわからなくはないな」
「分からなくっていいって~」
食堂に近くなるにつれて夕飯時なので生徒が多くなってくる。それにしたがい物凄く見られている気がする。
いや?気がするじゃなく見られている。隣のイケメンを見て赤くなっている生徒もいる(もっとそーゆーのチョウダイ!)が、俺をがっつり見ている。小さな声で「市川様!」「隣の人誰⁉」って聞こえてくる。
はい、真原志貴くんですよー。みんな宜しくねー。にっこり笑ってやれば真っ赤になる生徒と黄色い悲鳴が。
うんうん美人だもんね俺。顔が良い自覚あるからねー。使えるモノは使う、ここテストに出るよ~。
それにしても真緒を見てキャッキャ言ってる生徒(もちろん男)が多いって事はきゃつは有名人なのか?
「な……なんだ?」
「もしかして真緒って有名人?」
「……中等部で生徒会長やってたからだろ」
「ふーん」
赤くした顔から渋面に変えたトコを見ると色んな生徒に迫られて辟易してるってトコか?こんだけイケメンなら群がられたんだろうな。男子校だから男しかいないけどな!
高等部専用の食堂は清潔感があり広々としていた。二階にも食べる場所はあるが、1年生は基本一階を利用するらしい。
「凄い、和洋中定食の他に麺類や一品料理まで……レストラン並じゃん!」
「デザートもあるぞ」
「ホントだっと、、、」
「気をつけろ」
掲げられているメニュー表を見ていたらぶつかられたらしく、真緒がよろけた俺の腰に腕を回し引き寄せる。
……残念、周りはきゃあきゃあ言っているけど、やっぱり自分にされてもときめかない!
「どれにする?」
「んー麻婆豆腐定食にする」
俺のお口は中華な気分!券売機の隅にあるキクラゲ定食と大盛りの隣にあるおっさん盛りのボタンが気になるけどな。
「う・ま~~~」
麻婆豆腐美味っ!辛味が足りなかったのでテーブルに置いてある一味唐辛子をガンガンに振り入れたけどひき肉多め崩れていない豆腐に感動!
うちの母は何故か中華だけ上手く作れないんだよなー。麻婆豆腐なんて豆腐は跡形も無くなっているし、素を使っても味がヤバい。ある意味素質があるんだろうな、ダメな意味で。
だから母と中華の相性が悪すぎて食べたい時は外食か姉や俺が作ってる。
「そんなに麻婆豆腐が好きなのか?」
「それなり?一番好きなのはきなこのおはぎ!」
「食事じゃねぇし」
「むうー」
ぷぅっと頬を膨らませて抗議するも「冷めるぞ」とスルーされてしまった。それもそうかと食事を再開、定食に付いているサラダとデザートのゼリーもしっかり完食。こんな美味しいの毎回食べてたら太りそうだな。
「ねえ君、」
「んえ?」
満足満足と食後にお茶(セルフだけど無料なんだって!)を飲んでいると、ふわふわした茶髪に大きな瞳の小柄な生徒が横の椅子に座り話しかけてきた。
やだ、きゅるるん男子(受希望)キターーーーー!!
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