真原くんはどうやらBLウォッチを失敗したようです

ネコフク

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高1、BLウォッチ始まる!

その14、同中・大井爽

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 さてさて、入学式も終わり高校生活が始まってこれからめくるめくBLウォッチ三昧の日々が始まる!……と思っていたのに常に真緒が俺の隣をキープしていて始まらない!

 放課後真緒が生徒会に行くので1人になるヤフー!と目星を付けているウォッチスポットへ行こうとするも、今度は親衛隊が張り付いて寮まで送ってくれるのでやはりウォッチ出来ない。なんてこったいチクショウめ!

 なのでここ1週間ポケットに入れている伊達メガネやオペラグラスは活躍の場が無い状態。早く使ってあげたい使いたい。

 が、しかし神は我を見捨てなかった!

 本日、真緒が生徒会の仕事で昼食を一緒に食べないのだ!イエーイ!ドンドンパフパフ~♪もうこれはスポット行くしかないよな?

 購買でパンとジュースを買って刑事のように張り込んでやるぜ!

「おー真原、メシ行こうぜ!」

「……おう」

 はい、教室を出た瞬間俺の意気込み終了。

 ぐぎぎぎぎ……と歯ぎしりと血の涙を心の中で流しながら笑顔で振り向く相手は同じ中学だった大井そう。スポーツ推薦で入学したらしい。

 バスケ部だけあって190cm近くあり、名前の如く爽やかイケメンだ。クラスは違うものの同中おなちゅうという事で話しかけてきた。中学で一度も同じクラスになった事はなかったが、部活で有名だったから顔だけは知っていた程度の仲だった。

 実はちょっと苦手なんだよな。中学の時から視線を感じて見ると、どろっとねっとりした目を向けてくるから。今もそう、爽やかな笑顔なのにヤンデレっぽいんだよな~。

「今日市川は一緒じゃないの?」

「ああ、生徒会の仕事があるってさ」

「じゃあ今日は真原を独り占めだな」

「ははは」

 歩きながら話す会話はごくごく普通なんだけど。

 数日前から知り合いが居ないからと真緒と3人で食べてるんだけど真緒と大井、相性があまり良くない。話の所々で火花を散らしているしマウント取り合ってるんだよな笑顔で。
 ん?喧嘩するほど仲が良いっていうアレか?

「ほら混む前に行こうぜ!」

 ガシッと肩に腕を回しかすように歩く大井。身長差が15cm近くあるから俺の肩に腕を置くのはラクチンなんだろうが重いからやめてほしい。

 校舎の食堂は寮の食堂より広く、張り出している窓際はサンルームのようになっていて食堂全体を明るく見せている。中心にある背の高い観葉植物群を囲むようにテーブルと椅子が設置してあり、1人飯の生徒でも心置きなく食事ができるようになっているのがニクイよな。
 混むとはいえ座れないという事はないので、急ぐ必要はないのだが、早く行くのと行かないのでは食券を頼んでからの待ち時間が違うので、みんな早く食堂に行こうとするんだ。

 今日はまあまあ早く着いたので頼んだ定食がさっと出てきた。一番早く出てくる日替わり定食を頼んだからだけど。

「今日はいつもよりいてんな」

 大井が俺と同じ日替わり定食の生姜焼きを食べながら辺りを見回す。確かにいつもなら窓際の席は生徒で埋まっているのに今日は空いていたのでそこに座って食べている。

「ああ、今日は生徒会が昼食会とかでカフェの方を使ってるからみんなそっちの方に行ってるんじゃない?生徒会で使うとカフェが混むって真緒が言ってた」

「ふ~ん。だから食堂こっちが空いてんのか」

 俺や大井は編入生だから知らなかったけど生徒会はかなり人気があるらしく、行くとこ行くとこ人集りになるらしい。そりゃあれだけイケメンのデパートならなぁ。もちろん全員親衛隊がいるらしい。

「そういえば真原の親衛隊あるんだって?俺入ろうかな~」

「親衛隊持ちは入れない決まりらしいぞ。つーか、入ろうとすんな」

「え~残念。入ったらもっと親密になれると思ったのになぁ」

 ヤベェ、また目の奥にどろっとした何かが見える。ひえっと声を出さなかった俺を褒めたい。コイツマジヤンデレじゃね?

「それより食べ終わったら練習試合に向けて昼練があるんだろ?」

「おう、そうだった」

 思い出したようにご飯をかき込みだした大井。ふい~、話を逸らせたぜ。今度から2人で食べる時は話題を気をつけないとな。俺の危険センサーがそう警鐘を鳴らしている。真緒のトコの親衛隊長に次いで警戒対象リストに入れとこう。

「悪ぃ、先行くな」

「おう」

 食べ終わり席を立ちバタバタと行く大井を見送ってから俺も素早く食べ終わる。時計を見ると午後の授業まであと30分。そして俺今1人。もう行くしかないんじゃね?

 行くぜ初☆BLウォッチ!!

 トレーを返却口に持って行き、早足で食堂を後にする。振り返り誰も付いて来ていないのを確認。うん、いない。

 ポケットから銀縁メガネを取り出しかけ、階段を駆け上がって行く。この階段は数ヶ所ある屋上の1つに繋がっている。その屋上から遠目に見える東屋がイチャコラスポットではないかと目星を付けているので、オペラグラスで確認してみるのだ!ただ情報があったというわけではなく、俺が目星を付けているだけなので当たりならラッキーぐらいの感じだ。

 屋上の扉を開けると晴れているからか思ったよりも気持ちが良い。これはウォッチ目当てじゃなくても購買で買ってきてここで昼飯を食べるのは良いかもしれない。

 辺りを見回すと他の校舎の屋上には生徒がパラパラといるのにこの屋上には誰も居ないのが気になるが、たまたまかと思い目的の東屋が見える位置に移動しオペラグラスで覗いてみる。

 うん、誰も居ない。

 デスヨネー。風紀委員だった父もそう簡単にはBなLの現場を見れないって言ってし地道にスポットを巡っていかないといけないな。

 ちょっとがっかりしながらメガネを外し、オペラグラスと一緒にしまい教室に戻ろうと回れ右をすると、扉の上の平坦な屋根(?)から足が一本プラプラ。

「……」

「……」

 見るとそこには赤髪のヤンキーが。めっちゃ俺を見てました。

 無言。目が合っても無言。

 ねえ、何か言って!?
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