灰色の瞳の王子

ネコフク

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灰色の世界

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 気づいた時には僕の世界は灰色だった。

 それは1歳の誕生日。ハイランド王国第3王子である僕の誕生日パーティーで灰色の魔女が僕から色を奪ったから。

 それまで瑠璃色に金を散りばめられたような僕の瞳は灰色になってしまった。

 原因は1人の男が魔女の大切な物を奪って逃げたから。

 怒った魔女は僕の目の色を奪い、戻してほしければ奪われた物を取り返せと言い放ちいなくなってしまった。

 瞳が灰色になってから父様は辛そうな顔を。母様は泣き顔を。仕える者達は憐憫の顔しか見せてくれなくなった。
 話せるようになり、この状況を理解して僕は平気だからと言っても、表面上の笑顔しか見せてくれない。その度に僕の胸は痛んだんだ。

 その中で兄様達だけが本当の笑顔を見せてくれた。
 上の兄様、グライド兄様は何でも笑顔で褒めて頭を撫でてくれる。下の兄様、ジルアント兄様はサシュは可愛いね、灰色の瞳も似合ってる大好きだよって伝えてくれる。
 そんな兄様達が僕は大好き。特にジル兄様が好き。だってジル兄様が紡ぐ言葉には色がついている気がするから。灰色の世界で唯一色が感じられらる声が大好きなんだ。
 それをジル兄様に伝えると破顔してほっぺにキスしてくれる。ちょっとくすぐったいけど嬉しくて僕も兄様のほっぺにちゅうするんだ。



 僕の1歳の誕生日から10年、未だに魔女から盗みを働いた男は見つからなかったが、ある風の噂が王宮に暗い衝撃を与えた。

 それは「魔女から大切な物を奪った男は死んだらしい」という噂。

 母様は寝込み、王宮内も絶望の色なのか僕の灰色の世界も少し暗くなった気がする。
 その中でもイド兄様とジル兄様だけが希望を捨ててなかった。
 イド兄様は噂の真偽を確かめるべく自ら噂の元となった村へ行き、ジル兄様は片時も離れず傍にいてくれる。だから僕は言ったんだ。ジル兄様がいてくれたら僕は平気だよ、だからずっと一緒にいてって。
 そうしたらぎゅっと抱きしめて当たり前だろ、一生傍にいるよ愛してるってジル兄様の唇を僕の唇に重ねてくれる。それが凄く幸せなんだ。
 何回も唇を重ねているうちに段々と深く舌を絡ませていっぱいするようになった。でもこれは2人だけの秘密。

 この国は同性婚は認められていて、子を成せないという理由で兄弟・姉妹間の婚姻も認められているけど王族となったらそれがまかり通るのか分からないから、僕と兄様の関係は誰にも知られないようにしているんだ。



 さらに4年、イド兄様は王太子になり公爵令嬢のエリア様と結婚した。ジル兄様は僕を守る為にと剣の腕を磨き、今騎士団の副団長をしている。少し長めのサラサラの金髪に緑眼だという甘いマスクの兄様は、とても人気がある。今年18になったのに婚約者がいないのも原因みたいだけど。
 僕はというと瞳のこともあり、王宮から出ないし運動もやらないからか細くて色白だ。髪の色はプラチナブロンドだってジル兄様が言ってたけど、よく分からない。だってみんな灰色にしか見えないから。

 ある日ジル兄様が珍しく険しい表情で部屋に来たんだ。大切な用事があるから王宮を出るって。どれくらいで戻るのが聞いたら分からないって。でも必ず帰ってくるから待っててと抱きしめながら、深い口づけと顔中に口づけを落とし行ってしまった。

 それから1週間、2週間、1か月……ジル兄様は帰って来なかった。

 イド兄様に聞いても教えてもらえず無事を祈る事しか出来なかった。

(・・・大丈夫、帰って来るって、信じて待ってなきゃ。でも寂しいよ・・・)



 ジル兄様が王宮を出てから半年が経った。その間に僕は16歳になってしまった。
 16歳になったその日、とうとう僕は泣いてしまった。寂しくても泣くまいと思っていたのにとりとめなく涙が溢れて止められなかった。

(兄様、僕16歳になりました。会いたい・・・会いたいです兄様・・・)

 その日から気づいたら涙が流れてしまうようになった。泣くまいと思ってもジル兄様を思うと、胸が締めつけられて涙が溢れてしまう。もうどうしようもなくなった。イド兄様が心配して抱きしめて頭を撫でてくれるけど、ジル兄様への想いが募るばかりで涙が止まらなくなるんだ。




 月が満月に近くなっている夜、部屋の外が慌ただしく動き回っている気配がする。でも僕は兄様を想い泣きながら布団を被っていた。だって兄様以外の事なんて興味が無かったから。
 そうしたら勢いよく扉が開き、聞きたかった声がが聞こえてきたんだ。

「サシュ、サーシリア!!」

「ジル兄様!?」

 扉の方を見ると会いたかった兄様が、肩で息をしながら立っていた。

(これは夢なのかな?ダメだ、涙で兄様が見えない)

 急いでベッドから出て駆け寄ろうとしたら、兄様の方が早くベッドの上で抱きしめられてしまった。

(あぁ、この感触、匂い・・・ジル兄様だ)

「兄様、兄様、会いたかったです」

「俺もだよサシュ。待たせたね」

 息もできないくらい抱きしめられ、それでも存在を確かめたくて背中を手を回しぎゅっと抱きしめ返す。

「あー、そういうのいいから早くやっちまおう」

 ぎゅうぎゅうと抱きしめ合っていると、面倒くさそうに言うのが聞こえてきた。誰かと見ると、兄様の脇にローブを着た灰色にしか見えないはずなのに、何故か燃えるような赤髪がはっきり見える。それにとても迫力ある美女が立っていた。

「誰・・・?」

「あぁ、彼女は灰色の魔女だよ。今からサシュの目を治してくれるんだよ」

「えっ?」

「ま、そういう事だから目ぇつむんな」

 有無を言わせない言葉に目を瞑ると、まぶたに温かさを一瞬感じる。

「はい、終わり~」

 あっさりと処置が終わったことを告げられ、兄様に開けてみてと促され、恐る恐る目を開けるとそこには色づいたジル兄様の顔があった。
 濡れて水滴がしたたり落ちる金髪に、僕を映す綺麗な緑眼。それはいつも見てみたいと願っていた色のある兄様。その色が涙で曖昧になっていく。

「に・・・兄様の瞳ってそんなに綺麗な色をしていたんですね」

 ぽろぽろと溢れる涙を口づけで吸われ、優しく優しく抱きしめられる。

「戻ったみたいだね。もういいだろ。あたしは帰るよ」

「ああ」

「今後同じ事があったら、また災いをお見舞いするからね」

 そう言うと灰色の魔女は闇へ溶け込むようにその場から居なくなり、部屋には僕と兄様だけになる。
 ふと抱きしめていた力が弱くなり、それが嫌で縋りつくように力を入れるとひょいと横抱きにされ、そのまま扉の方へ向かう。そして侍従に朝まで呼ばないようにと指示し、扉を締め鍵をかけそして僕を抱いたままベッドへ腰かける。

「兄様、寂しかったです」

「俺もサシュに会えなくて辛かった」

「僕、16になりました」

「一緒に祝いたかった」

「兄様は僕の為に王宮を出ていったんですね」

「サシュにどうしても色がある世界を見せたかったんだ」

 言いたい事はいっぱいあるのに、少ししか出てこない。そんな僕の顔にできなかったのを取り戻すかのように兄様は口づけを落としていく。そして優しく唇を食み深く深く味わうように舌を絡ませていく。ぴちゃぴちゃと水音が部屋に響き、溢れる涎が口端から流れ首筋を伝う。

「んんっ・・・兄様ぁ・・・」

 唇が離れ飲み込みうっとり兄様を眺めていると、お穏やかに微笑んでいた表情を真剣なものに変え

「サーシリア、結婚しよう」

 突然のプロポーズに、何を言われたのか理解できずに固まってしまう。あの兄様が、僕の大好きなジル兄様が結婚しようと・・・理解した途端、涙がとりとめなく溢れてくる。それはさっきまでの寂しさのなではなく、歓喜の涙。

「・・・はい、はい兄様。僕ジル兄様と結婚したいです」

「じゃあサシュは全部兄様のものになってくれるね?」

「?僕は小さい頃から兄様のものですよ?」

「サシュ・・・!」

 先ほどとは違う情熱的な口づけをされ、体をベッドへ横たえさせられ僕の体を跨ぎながら、夜着を脱がされていく。口づけに夢中になっているうちに僕は裸にされ耳朶みみたぶや首筋と吸い舐められる。口をおさえ震える僕に兄様の艷やかな声が聞こえる。

「はあ・・・サシュはどこもかしこも綺麗だな」

 そう言うと立ち上がりかけている胸の突起に吸い付き、もう片方の突起を指で摘む。

「ンッ!に・・・兄様っ」

 初めてもたらされる気持ち良さに戸惑いながらも、舌の感触が艶めかしくて顔だけではなく体も色づいていき、徐々に下腹部の中心が熱くなっていく。それに気づいた兄様が、僕自身を包み込み既に透明な液体をこぼしているそれをぬちぬちと上下に動かす。

「やぁっ、兄様それヘンになっちゃう!あっ、やめっ・・・んんっ!」

 あっさり吐精した僕は全身の力が抜け、くったりしてしまう。兄様は手で受けとめた精液を当たり前のようにペロリと舐め、満足そうに微笑みその手を僕の後孔の襞へと塗りつけていく。

「あっ、兄様それはっ」

「サシュ力を抜いて。兄様を受け入れれるようにきちんと解してあげるから」

 つぷりと精液を纏った指を差し入れ、ゆっくりと解されていく。今まで感じたことのない感覚に頭が真っ白になり、口からは喘ぐ声だけが発せられる。意識が戻った時には、秘めた所に指が3本埋められ兄様も服を全て脱ぎ捨てていた。

「今からこれをサシュの中に入れるからね」

 見ると甘いマスクの兄様とはかけ離れた赤黒い逞しい怒張が臍まで反り立っている。

「ひっ・・・そんなの入りませんっ・・・怖いっ」

「大丈夫、しっかり解れているしゆっくり入れるから」

 逃げようとする僕の腰をがっしりおさえ、解されきってヒクついている襞に先をあてがい、ゆっくりと味わうように中へと収めていく。

「はあっ、あ・・・あ・・・苦しいっ・・・」

「サシュ息を吸って」

 はくはくする僕に口づけし、息をするように促す。兄様とのキスはいつも気持ち良くて段々と入っていた力が抜けていき、その度に兄様の熱棒が奥へと進んでいく。

「ひゃあっ!!」

 ぱちゅんと勢いよく根元まで入れられ、仰け反ってしまう。

「兄様ゆっくり入れるって言ったのに・・・グスッ・・・」

「ごめんね、サシュの中があまりにも気持ち良くて。ああ、サシュは薄い腹だからどこに入っているか分かっちゃうね」

「えっ?あっ、ああっ!」

 兄様が収まっているであろう所を押し撫でると、そこからぶわっと快感が広がり全身がガクガクしてくる。

「くっ!サシュの中が凄いうねってる・・・持ってかれそうだ」

 兄様は深呼吸をし、動かず僕が落ち着いたのを見て抽送を始める。
 始めはゆっくり、徐々にその律動を早めていく。

「あん・・・ンッ・・・あっ、あっ・・・兄様激しいっ・・・!」

「んっ、はあ・・・気持ちイイ・・・サシュ愛してるっ・・・!」

 激しく打ちつける音と、グチュグチュと卑猥な音が喘ぎと荒い呼吸と共に部屋を支配する。その間隔が短くなり限界が近いのを教える。

「兄様、きちゃう、・・・何かきちゃうっ!」

「イっていいよ、俺も・・・クッ・・・!」

 最奥を突かれ続け何かが弾け中が激しくうねる。それと同時に兄様の剛直が膨れ、熱い飛沫が大量に僕の中に溢れさせる。そしてそのぬめりを内壁へ擦りつけるようにまだ芯を持っている剛直を動かす。

「ひうっ、お腹が熱い・・・やっ、兄様動かないでっ」

 そこからまた激しく抽送する動きにただ喘ぐしかできなくなった僕は、意識が飛んでもなお朝まで兄様の欲望を受けとめ続けた。



 気がつくと既に日は高くなっていて、ドロドロになっていた体は兄様によって綺麗にされており…真新しいシーツに替えられたベッドで裸で兄様に抱きしめられながら寝ていた。

 夜の事を思い出し悶えていると、腰に回していた腕に力が入り頬に口づけをされる。

「サシュおはよう」

 日に当たる兄様の髪はキラキラと光っており、その緑眼で愛おしそうに僕を見つめる。

「あぁ、やはりサシュの瞳は美しいな。瑠璃色に金が散りばめられていて夜空に輝く星のようだ」

 兄様はその大きな指先で目元を撫でる。それが気持ち良くて目を細めてしまう。

「サシュ昨日の事は覚えてる?」

「えっ?・・・はい」

 プロポーズの事を言っているのだと分かり、顔を赤くしながら頷く。兄様は僕の髪を撫でながら微笑む。

「王宮を出る前に陛下から許可を貰っている。食事を取ったら報告へ行こう」

 どうやら兄様は僕の目が治ったら結婚させてほしいと、陛下に直談判していたらしい。陛下はそれを了承。だから昨日プロポーズしてくれたそうだ。

「じゃあこれからは兄様とずっと一緒にいれるんてすね」

「そうだよ。これからはずっと一緒だ」

 嬉しさのあまりぎゅっと抱きしめると、抱きしめ返してくれる。素肌で触れ合うそれは喜びが伝わるようだ。



 僕と兄様は食事を取った後、陛下に報告する。そこには母様やグライド兄様とエリア王太子妃も揃っており、治った僕の瞳を見て涙を流しながら喜んでくれた。

 その後僕と兄様は結婚、親族のみの小さな結婚式を挙げ穏やかな日を過ごしている。

 後から聞いた話によると、魔女から大事な物を盗んだ男は生きていて、住む場所を転々していて捕まえるのに時間がかかったらしい。そして捕まえたが、盗んだ物は別の所に隠していて、しかも捕まえた所とは真反対の場所だったらしく、移動で時間がかかってしまい戻るのが半年になったのだと。

 サシュの誕生日には間に合わせたかったんだよ。って話す兄様はちょっと悲しそうな顔をするから大丈夫、今幸せだからって軽く口づけをすると、とっても嬉しそうな顔をして愛を囁いてくれる。

 その幸せを噛みしめながら僕は兄様と寄り添って生きていくんだ。
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