BLゲームのモブに転生したはずなのに何故か推しと仲良くなりました

ネコフク

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推し様は商売人

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 やほやほー推し様のおかげで懐が温かくなる予定のニックだよ。

 個室の作業部屋に安く食べられる食堂、お茶飲み放題。受け付けで滞在時間を管理して時給換算での給金。帰りに身体と荷物検査があるのは持ち出しされない為と物が無くなった際の従業員の身の保証の為だそう。

 はっきり言って超ホワイトな職場です!

 酷いトコだと文字や計算出来ない人に対してピンハネしたり、労働と給金が割に合わないって事もある。

 未だ公爵家の門を通るのはガクブルするけど工房に着いたらそこはパラダイス!好きなだけ魔道具をいじれるもん。

 ただ魔道具に携わってる人達って基本、時間を忘れてやっちゃうから食事時には声をかけてくれるし、余程の事がない限り10時間で強制終了させられちゃう。
 でもその後午後10時までなら仕事ではない魔道具製作をしていいのでそれまで残ってる人は多い。かく言う僕のその一人なんだけど。

 本当良い職場だよね。

「ニック、ライトの進捗はどうだい?」

「はうっまぶしっ」

 今日の推し様は白いブラウスにクラヴァット、黒いタイトなここでは珍しいローライズのズボンにブーツという出で立ち。長い髪を片方で緩く三つ編みをしている姿が素敵すぎてキラキラエフェクトの幻が。

「相変わらずシヴァの美しさにやられてるねぇ」

 何故かいる王子も似たような服装をしている。こっちはシャツだけど。

「アズール王子、シヴァ様おはようございます」

 本当は口上ときちんと礼をしないといけないんだけど、仕事の妨げになるから工房では簡略でいいと言われているので、軽く礼をする。

 というか王子格好がラフすぎない?まさか王宮からその格好で来たんじゃないよね?

「ああ、おはよう。ニックはいつもこんなに早く来るのか?」

「そうですね。早く魔道具をいじりたいので。それを言うならアズール王子もお早いですね」

「昨日は公爵家に泊まったからね。シヴァが可愛い過ぎてつい」

「わーわーそれは言わなくていいからっ!ニック進捗!」

「つい」の次は何!?あんな事やこんな事とかピーしてたの!?そこんとこクワシク!推し様めっちゃ真っ赤になって手をパタパタしててカワユス。

「ぐふっ、昨日はお楽しみだったのですね」

「~~~だから進捗ぅーーーーー!!」







「なるほど、魔石の寿命か」

 これ以上は本気で怒りそうだったので与えられている作業部屋に行き、頼まれていたスイッチの部分を設計図を見ながら説明する。

 スイッチ部分に詮索サーチの魔方陣を刻むのは簡単だったんだけど、問題は魔石の減り方。常時魔方陣を展開させておく必要がある為、エネルギーとなる魔石の減りが今までより早くなってしまうのだ。しかも範囲を広げれば広げるだけ減る速度が早くなる。

「今まで半年もっていたとこが50cmで5ヶ月、2mで3ヶ月といったところでしょうか」

「思ったよりは悪くないな」

「うーん。今は購入していくのが貴族が主だから問題無いけど、市井に卸すとしたら厳しいね」

 確かに魔石が空になっても下手に魔力を注入すると砕けるから専門の店に行かないといけないし、お金もかかる。魔石自体安くないしね。でも前世であった電池より魔石はかなり長持ちな気がする。

「消費云々は研究している部署があるからそっちに投げといて、とりあえず公爵家うちで試験的に使ってみて良ければ売りだすか。ありがとうニック、これはこっちで預かろう。他の魔道具も見て改良出来るようなら手がけてみるかい?」

「えっ、いいんですか?ぜひお願いします!」

 わっははーい。シュナイダー家で出してる魔道具って良いの揃ってるんだよね。触り放題いじり放題パラダイスや~

「それはそうと、このライトなんですけど、邸の外の壁に取り付けておけば不審者が近づくと明るくなるから防犯になるんじゃないですか?」

 そう言って壁際にライトを置き、泥棒のようにそろそろと近づき点灯したら驚く真似をする。

「確かに!ライトが点けば夜どこに不審者がいるか遠目でもわかるし、警護の見回りの隙をついて邸に入り込もうとするやからは驚いて逃げるしかない。対策にはもってこいだ。ニックありがとう、そっちの方でも売り出してみるよ!」

 わ~満面の笑みで握手された~。推し様ほっそりしてスベスベですね。あっ、王子が握手を解いて自分が推し様の手をにぎにぎしてる。ズルい!

「早速生産の指示と金勘定しないと!」

 今にもスキップしそうな勢いで王子の伴って部屋を出て行った推し様。商売人だなぁ。
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