告白してきたヤツを寝取られたらイケメンαが本気で囲ってきて逃げられない

ネコフク

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運命の番ってけっこう厄介

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「それとさ、飯坂くんだよね?君その不快な匂いを付けて僕の側に来ないでくれるかな?」

 さっきまで唖然と俺を見ていた飯坂がビクリと肩を揺らす。伊月さんの言う"匂い"に心当たりがあるんだろう。

「何の事だか……」

「分からないわけないよね?頼まれたの?自発的?どっちでもいいけど警告はしたよ。次は無いからね」

 伊月さんの鋭い視線にたじろぎ逃げるように去っていく。

「知久!んのぉ三波瀬名、覚えとけよ!」

 三下のセリフを吐き飯坂を根本が追いかけていく。……俺は一体何を覚えておけばいいんだ?そして項に顔を埋めすーはーすーはーしていて動けないんだが。ま、気にせず食べるけども。

「お前その状態で器用に食うな……」

 あれ?なんか良規さんに呆れられた。げしょ。





 あの後甘えたになった伊月さんを連れ、また父親の研究室に戻る。今ソファーに座った伊月さんは俺を膝の上に乗せ、抱き締めた状態で胸元に顔をぐりぐりしている。恥ずかしいから拒否したけど、良規さんが好きなようにさせてやれと言うので仕方なくこの状態である。

 コーヒーは神楽が淹れてくれ、4人分がテーブルに置かれた頃に、やっと落ち着いたのか胸元にある伊月さんの頭が動かなくなった。
 しかし尻の下に当たっている硬いものは落ち着いてないがな!

「落ち着いたか?」

「……うん」

「厄介だな」

「そうだね」

 伊月さんと良規さんの会話は一言だけなので何の事を言っているのか掴めない。説明プリーズ。あと硬いものを尻にぐりぐりする説明も求厶。

「フェロモン」

「え?」

「飯坂ってヤツから伊月の『運命の番』のフェロモンが匂ってた」

 確かに飯坂から根本とは違うΩのフェロモンがわずかにしてたけど、ホントに微量だったのに気づいたんだ。

「『運命の番』のフェロモンってさ、本人達には強烈に分かるもんなんだよ」

 そう言って良規さんは神楽の手を取り手首の内側の匂いを嗅ぐ。こら、ペロリと舐めるのは止めてあげて。顔真っ赤にしてるから。

「よく聞くだろ?「会った瞬間にヒートを起こした」って。あれはそれが原因って言われてる。それくらい運命のフェロモンは強く香るんだよ」

「良規さんと神楽も?」

「俺達は神楽がΩとして成熟する前に出会って本能で感じたからフェロモンは関係ないな」

 なるほど、小学生の時に会ってたらそうなるか。

「でもよく良規さんは伊月さんの運命の番のフェロモンが分かりましたね」

「それはその場に俺もいたからな。頼まれて家格が低いパーティーに行くもんじゃねぇな」

 ケッと吐き捨てるように言いながら神楽の項をスンスン嗅いでいる。だから止めてあげて。さらに真っ赤になってプルプル震え始めたから!

「家格が低いトコのパーティーに何か問題でも?」

「ありあり大アリ!それなりのパーティーだと身元もしっかりしていてセキュリティやバース性対策も万全だけど、低いと抜けがあるんだよ。飯坂兄弟はその「抜け」だ。良い学校に通ってたが飯坂家は一般家庭、周りの華やかさに憧れたんだろ、兄の方が友人に頼み込んで2人でパーティーに潜り込んだらしい。そんな穴だらけのパーティーだ、バース性対策なんかしてやしねぇ。その場でヒートを起こした飯坂弟を伊月が拒否して俺が統制してなきゃ今頃花ノ宮家は飯坂アイツの弟を伊月の番に迎えてただろうよ」

 その時の事を思い出したのか抱き締める腕の力が強くなる。良規さんが言うようにそんな強い本能やフェロモンなら抗うのは余程の精神力が必要だっただろう。
頑張ったなという意味を込めて頭を撫でると、腕の力がもっと強くなる。……これはぐる゙じい゙……

「あの時は本家だけじゃなく分家の当主達も青くなってたよ。下手すれば祐善寺家うちにも飛び火してきてたし。ホント伊月さんの拗らせっぷりに救われたよね」

「それな!」

 明るく言ってるけど、普通拗らせるのは良くないんじゃないか?でもそれが拒否に繋がったなら直接的な被害は無かったって事か。……1人を除いて。

「だがなぁ、飯坂兄がフェロモンを纏って近づくって事は、弟に感づかれたか知られた可能性があるって事だ」

「だろうね。前から微かにさせてたけどあからさまだった」

 やっと顔を上げた伊月さんの眉間には皺が寄っている。そんな皺も美しいってどういうこと?

「書類があるから一応直接は来ないけど、人を介してフェロモンを当てるとか……契約内容を見直さないといけないな」

 運命に出会うってバース性関係なく憧れだろうし世間で持て囃されるけど、そういう事ばかりじゃないんだな。

「まあこちらからはそれしか出来ないよな」

「それしかとは?」

「伊月みたいに運命を拒否したαが出来る事は相手と会わない事。見たりフェロモンを嗅ぐと本能が騒ぐからな。海外に行くなど物理的に距離を取るしか出来ない」

「へぇ~」

「Ωが拒否した場合は会わない他に確実なものがある。それは他のαに項を噛まれる事。そうすればΩは噛んだαにしかフェロモンを出せなくなるから運命のαでも嗅ぎ取れなくなる。そうすれば会ってもお互い何も感じなくなる」

「Ω優位なんですね」

「そうだな。αは他のΩと番っても『運命』だけは嗅ぎ取れてしまう。だから嫌ならただただ逃げるしかないんだ。今回飯坂弟は間接的にフェロモンを嗅がせるくらいだから伊月と番うのを諦めてないだろ」

 こう聞くと運命の番って結構面倒で、拒否したいαにとっては厄介な縛りなんだな。

 ちょっとしょんぼりしている伊月さんをよしよしすると「瀬名癒やして~」と言いながらゴリゴリと尻に擦り付けるのは止めなさい。まだ落ち着かないのかと思ったら俺で興奮してた。じゃあ膝の上に乗ってる限り収まらないじゃん!俺も感じてきて勃ち上がりそうなんだけど⁉
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