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夕食後に会った人1
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「ヘイルズ!スタンリーを呼べ」
「今からですか?」
「今すぐ連れて来い。急ぎの用ができた。今日は父親と共に王宮に居るはずだ」
「かしこまりました」
スタンリーという男はウェルズス家の三男だ。
ウェルズス家の当主は代々宰相を務める筆頭公爵家である。
長男は父親に付き学び、次期宰相として有望な男だ。
次男は騎士団に所属し、第一師団のエースとして剣術大会では優勝を飾っている。
三男のスタンリーは、人たらしの異名を持ち巧みな話術で交渉をうまく進める天才だ。
ウェルズス家こそ、かつての皇帝を側近として支えた家系である。
帝国時代の文献を引き継ぎ、皇帝の言葉を記録し、皇妃の生まれ変わりを捜し続けてきた家なのだ。
文献には何度も皇妃の生まれ変わりと思える女性を見つけたと書かれている。
だがどの時代もすでに他人の妃や妻となっていて連れて来ることが出来なかったとウェルズス家の文献には記されていたという。
皇帝と皇妃の間には、一人の娘が生まれていた。
だが、皇妃と皇帝が相次いで亡くなり、帝国内でも争いが起こっていた時期に、行方知れずとなってしまった。
誰かが連れて行ったのか殺されてしまったのか‥‥
娘に関してはその後の記述が無かった。
きっと混乱の中、その娘を捜し出す余裕も無かったのだろう。
帝国は崩壊し分裂したが、ウェルズス家が支持していた皇帝派は、今のダルトタナードの国を造り上げた。
その時、初代国王となったのはわずか五歳になったばかりの皇帝と皇后の間の第一王子であった。
まだ幼く何も分からない第一王子を、皇帝の血を継ぐ者として守り抜いた皇帝派は、いつか復活する帝国を信じていたのだろうか‥‥
皇后の息子ならば、皇妃を毒殺した母と、母よりも別の女性を愛した父を持つという王子だ。
皇妃の後を追い、国を見捨てた無責任な男の息子でもある。
彼は自分の境遇をどう思ったのだろう‥‥
何百年も昔の話とはいえ、私が皇后の血を継いだ息子の末裔であり、ルリアは皇后に殺された皇妃の生まれ変わりだとしたら、嫁ぎたくない気にもなるだろう。
もしかしたら、知らないふりをして逃してやった方が良かったのかもしれない‥‥
けれど彼女の顔を見た時、自分の中で衝撃が走った。
感じたことのない、何とも言えない溢れ出す幸福感。
何としてでも手に入れたい衝動に駆られた。
嫌われたくはないが、どんな手を使ってもここから出したくない。
他国になど逃したくもないと思った。
自分でもおかしな感情だと思っている。
今まで何回も令嬢に引き合わされ、何度縁談話が持ち上がったことか‥‥
ただの一度も気持ちが揺らいだことは無かった。
自分の側に居て欲しいなどと考えたこともない。
父が焦って決めた婚約者候補など、微塵も興味はない。
それなのに‥‥
彼女は一目見ただけで離したくなくなった。
皇妃の肖像画を見て育ったせいなのか‥
教え込まれたから逃がしてはいけないと思ったのか‥
理由など分からない。
自分では説明出来ない感情だ。
ただ‥‥
俺の妃にしたい。
それだけだ。
その為に、
王太子としての権限を使わせてもらう。
コンコン
「入れ」
ガチャ
重い扉が開くと美しい銀髪の青年が入って来る。
「挨拶はいいから、すぐに動いて欲しいことがある」
「王太子殿下、その様にお急ぎになるとは一体何があったのでしょうか?」
緩く縛られた銀髪は、灯りに光る。
ソファーにどかっと腰を下ろすと、面倒くさそうに俺の顔を見た。
「私はこれから、もうひと仕事あるのですよ!」
「女の所に行って寝るだけだろう?」
「女性を味方に付けるのは情報戦に必要なことです」
「毎晩情報集めも大変だな」
「はっ、嫌味がお上手で」
呆れたようにスタンリーが睨む。
「明日の朝一で船に乗って欲しい」
「はぁ⁇」
ガバッとソファーから身を起こすとサファイアの青い瞳を大きくした。
「モーガン家に行き、ヨハンの伯父である商人を連れてアルンフォルトへ行ってくれ。ヨハンには先程、話を付けておいた」
「何だよ一体!幼馴染だからって扱いが雑すぎるだろう!」
「これは国の一大事だぞ!ウェルズス家が動かなくていいのか?」
「一大事とは?」
「皇妃の生まれ変わりを見つけた」
「⁈‥‥本当か?」
スタンリーは立ち上がった‥‥。
「今からですか?」
「今すぐ連れて来い。急ぎの用ができた。今日は父親と共に王宮に居るはずだ」
「かしこまりました」
スタンリーという男はウェルズス家の三男だ。
ウェルズス家の当主は代々宰相を務める筆頭公爵家である。
長男は父親に付き学び、次期宰相として有望な男だ。
次男は騎士団に所属し、第一師団のエースとして剣術大会では優勝を飾っている。
三男のスタンリーは、人たらしの異名を持ち巧みな話術で交渉をうまく進める天才だ。
ウェルズス家こそ、かつての皇帝を側近として支えた家系である。
帝国時代の文献を引き継ぎ、皇帝の言葉を記録し、皇妃の生まれ変わりを捜し続けてきた家なのだ。
文献には何度も皇妃の生まれ変わりと思える女性を見つけたと書かれている。
だがどの時代もすでに他人の妃や妻となっていて連れて来ることが出来なかったとウェルズス家の文献には記されていたという。
皇帝と皇妃の間には、一人の娘が生まれていた。
だが、皇妃と皇帝が相次いで亡くなり、帝国内でも争いが起こっていた時期に、行方知れずとなってしまった。
誰かが連れて行ったのか殺されてしまったのか‥‥
娘に関してはその後の記述が無かった。
きっと混乱の中、その娘を捜し出す余裕も無かったのだろう。
帝国は崩壊し分裂したが、ウェルズス家が支持していた皇帝派は、今のダルトタナードの国を造り上げた。
その時、初代国王となったのはわずか五歳になったばかりの皇帝と皇后の間の第一王子であった。
まだ幼く何も分からない第一王子を、皇帝の血を継ぐ者として守り抜いた皇帝派は、いつか復活する帝国を信じていたのだろうか‥‥
皇后の息子ならば、皇妃を毒殺した母と、母よりも別の女性を愛した父を持つという王子だ。
皇妃の後を追い、国を見捨てた無責任な男の息子でもある。
彼は自分の境遇をどう思ったのだろう‥‥
何百年も昔の話とはいえ、私が皇后の血を継いだ息子の末裔であり、ルリアは皇后に殺された皇妃の生まれ変わりだとしたら、嫁ぎたくない気にもなるだろう。
もしかしたら、知らないふりをして逃してやった方が良かったのかもしれない‥‥
けれど彼女の顔を見た時、自分の中で衝撃が走った。
感じたことのない、何とも言えない溢れ出す幸福感。
何としてでも手に入れたい衝動に駆られた。
嫌われたくはないが、どんな手を使ってもここから出したくない。
他国になど逃したくもないと思った。
自分でもおかしな感情だと思っている。
今まで何回も令嬢に引き合わされ、何度縁談話が持ち上がったことか‥‥
ただの一度も気持ちが揺らいだことは無かった。
自分の側に居て欲しいなどと考えたこともない。
父が焦って決めた婚約者候補など、微塵も興味はない。
それなのに‥‥
彼女は一目見ただけで離したくなくなった。
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教え込まれたから逃がしてはいけないと思ったのか‥
理由など分からない。
自分では説明出来ない感情だ。
ただ‥‥
俺の妃にしたい。
それだけだ。
その為に、
王太子としての権限を使わせてもらう。
コンコン
「入れ」
ガチャ
重い扉が開くと美しい銀髪の青年が入って来る。
「挨拶はいいから、すぐに動いて欲しいことがある」
「王太子殿下、その様にお急ぎになるとは一体何があったのでしょうか?」
緩く縛られた銀髪は、灯りに光る。
ソファーにどかっと腰を下ろすと、面倒くさそうに俺の顔を見た。
「私はこれから、もうひと仕事あるのですよ!」
「女の所に行って寝るだけだろう?」
「女性を味方に付けるのは情報戦に必要なことです」
「毎晩情報集めも大変だな」
「はっ、嫌味がお上手で」
呆れたようにスタンリーが睨む。
「明日の朝一で船に乗って欲しい」
「はぁ⁇」
ガバッとソファーから身を起こすとサファイアの青い瞳を大きくした。
「モーガン家に行き、ヨハンの伯父である商人を連れてアルンフォルトへ行ってくれ。ヨハンには先程、話を付けておいた」
「何だよ一体!幼馴染だからって扱いが雑すぎるだろう!」
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「一大事とは?」
「皇妃の生まれ変わりを見つけた」
「⁈‥‥本当か?」
スタンリーは立ち上がった‥‥。
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