7 / 21
デートの定義とは‥
しおりを挟む
「彼女に似合う服を見せてくれ。
明るくて可愛らしいものがいい」
「かしこまりました」
「それと何着かオーダーしたい。
デザイン画を頼む」
「かしこまりました。優秀なデザイナーがおりますので今呼んで参ります」
パタパタと店の奥へ駆けていく。
「ちょっとライド様!困ります!
私、服なんていりません。
しかもオーダーなんて、こんな高いお店では足が震えます!」
「はははっ、足が震える姿を見てていいかな?」
「揶揄うのはやめてください。本当に困ります。
私何もいりません!」
‥‥お金も無いし、こんな高級店に見合う人間でもない。
私の為にライド様にお金を使わせるのも気が引ける。
「私と歩くのにそんな格好ではメイドを連れていると勘違いされるよ。
もっとミリーに似合う可愛い服を着てくれないと私が悲しいよ。
今日はデートなんだからね」
「デート⁈」
ライド様はさらりと口にする。
意味が分からないということはないだろうに、その使い方は間違っている。
デートの定義が私とライド様では違うのかもしれない‥‥
誰にでも優しく親切なライド様にとっては何てことないのかもしれない。
隣国でもきっとモテただろうし、こんな風に女性と出掛けることは日常茶飯事だっただろう。
お金に余裕もあるし。
出掛けることが全てデートだと思っているのかもしれない‥‥
でも私にとってデートと言われると刺激が強すぎる。
私にとっての定義はお互いに好意がある者同士、恋愛対象の相手とするものだと思っているから、軽々しく口にはできない。
昔から群を抜く美男子だったけれど、今は色気も加わり目が合うたびに一度息が止まる。
こんな色気だだ漏れで女性に接していたら、誰だって勘違いするかもしれないのに、婚約者の女性は心配にならないのかしら‥‥。
早く皆に公表して欲しいと言わないのかしら‥‥。
「ミリーと出掛けるのだからデートと呼ぶべきだろう?
さぁ、早く着替えないとね」
奥から店員が十着以上のドレスを運んでくる。
「こちらは新作です!」
色鮮やかなドレスがずらりと並ぶ。
「うーん、そうだな‥‥白もいいが、この水色も清楚で良い雰囲気だ。
でもやっぱりペリドットの色のドレスにしよう。
ミリーには一番似合う色だからね」
「この色はライド様の色ではないですか!
いけません!!
この色を着た私が誰かに見られたら、また何を言われるか‥‥それに婚約者の方の為にもよくありません!」
「ん?ああ‥そう。婚約者?
ミリーは分からないの?」
「‥‥」
分かるわけない。
ライド様は名前を教えてくれていないのに私が知るわけもない。
ヘンリー兄様だって知らないことなのに。
自分が言ってないことに気付いていないのかしら。
「婚約者の名前を聞きたい?」
!!
「お、教えていただいてもいいのなら‥はい」
急に鼓動が速くなる。気にはなる!誰なの‥
「あはははっ!可愛い、可愛すぎるねミリー。
悪いけど言わないよ!
可愛いからもう少し焦らさせて」
「は?」
何それと言いたくなったが、焦らさないと言えないほどの大物ということかしら。
何かモヤっとする‥‥
「デザイナーのクリスです。
ロベールトン公爵家のライド様のお仕事をさせていただけるなんて光栄です」
「ああ、頼むよ。
彼女は私の大切な人なんだ。
彼女に似合うドレスを作りたい、可愛らしいデザインにしてくれ。
肌の露出は避けて、色は白とペリドット、ポイントに青を入れようかな」
「なるほど、とても良い色合いです」
「あとは薄いピンクから裾は濃い色に、ポイントにはペリドットを入れよう」
「それも素敵ですね。ふわりと広がるドレスがお似合いになりそうです」
「うん、そうだね。彼女の柔らかな雰囲気を壊さないようにきつい色は避けてくれ」
「はい」
さらさらと私を見ながらクリスさんはデザイン画を描いていく。
「水色のドレス生地にビーズなどはいかがですか?
精密なデコレーションで美しく仕上げますが」
「それいいね」
「大まかにこんな感じはどうでしょうか?
胸元はあまり開かず袖はひらひらとした動きをもたせ、ウエストはキュッと締め下はふわりと広げて品の良さと可愛らしさを共存させて」
「うん、いいね!彼女らしい雰囲気になる」
「ありがとうございます。ではこのようなデザインで進めさせていただきますので」
「ああ、仕上がったら連絡を頼むよ」
「かしこまりました」
二人のやり取りがあまりにも流れるようで口を挟める隙がない。
クリスさんは「では早速!」と見るからに興奮気味にデザイン画を握りしめ踊るように去って行った‥‥。
「‥‥ライド様、私いらないと申しましたよね?」
「気にしなくていいよ。ほら、私はお金があるからね」
「そういうことではなくて‥‥」
こんなに優しくしてもらっても困るだけ。
私がライド様にお返しできるものなどない。
一方的にしてもらうばかりでは心苦しいばかりだ。
それに婚約者のいるライド様をこれ以上好きになるのは辛いもの‥‥。
これ以上側にいて私に欲が出てきてしまったらもっと苦しいし、傷つける人を増やしてしまう。
妹なんて都合の良い立場を利用して、いつまでも甘えているわけにはいかない。
もし私が婚約者の立場だったら、いくら恋愛感情のない相手だと言われても許せないだろう。
二人で食事や買い物、ドレスまで買っていると思えば嫉妬で責め立てるかもしれない。
相手の女性に怒鳴り込まれても何も言い返せない。
「ミリー?早く着替えておいで」
「いえ、いいです」
「私に可愛い姿を見せてくれないの?
ミリーに似合うと思うよ」
私の指を持ち上げ美しい顔に当てると、その頬を滑らせるようにすりすりとまるで恋人が甘えているかのような自然な動きで、こっちはどうしていいか分からない‥‥。
指から伝わる体温が心を乱す。
戸惑って何と言えばいいか言葉に詰まる。
「まぁ!ライド様がおられるわ!」
「本当だわ、まぁお会いできるなんて」
「こんなところでお会いできるなんて嬉しいわ」
店に入ってきた令嬢の声にはっとしてすぐに手を引く。
あっという間に三人のご令嬢にライド様は囲まれ、私は急いで離れる。
「私達、今日こちらの新作を見せてもらいにきたんです!
ライド様も見にこられたのですか?」
「そうだね。先程見せてもらったけど、どれも素晴らしいものだったよ」
「まぁ、どなたかに贈られるのですか?」
「ははは、どうかな?」
「あら、あちらは子爵家の?」
「ああ、ミリディ嬢と出掛けている最中でね」
「まぁ、ライド様があの?三度の破談の?」
「あまり失礼な発言は控えてもらいたいね」
「すみません、私ったら失礼を‥‥」
「女性が傷付く発言は心が痛むのでね。
分かってくれればいいよ。
そうそう、このドレスは君に似合うのではないかな?」
「え?私ですか?じゃあ私これにしますわ」
「私にも選んで下さいライド様!」
「ああそうだね、こちらはどうかな?」
「私にもライド様!」‥‥
どんどんと人が集まってくる。
彼の人気は昔から。
隣国への留学が決まった時の令嬢達の落胆ぶりは大きく、いつ戻られるのかと騒ぎになったものだ。
私はそっと店を出た。
「ミリディ様?」
突然声を掛けられて振り返る。
「シモン?」
「お一人ですか?モニカはどうしたんですか?」
「今日はちょっと‥一人なの。モニカは一緒じゃないわ」
「そんな!ミリディ様お一人では心配です。
家に戻られるならお送りしますよ。
ちょうど仕事が早く終わったんです」
「大丈夫よ」
シモンはモニカと同じ孤児院で育った友人で、歳は私の一つ上。
「いいえ、女性一人では危険ですよ。
俺は予定もないですし、送るくらいできます。馬車は向こうですが」
「いえ、いいのよ」
「さぁ、行きましょう」
シモンは歩き出してしまう。
「ひゃぁぁ!!」
突然後ろから抱きしめられ自分でも驚くような変な叫び声が出る。
「!!お嬢様」
「人の女を連れて行こうだなんて、誰かな?君は」
「ちょっとライド様」
「また勝手に私を置いていったね?ミリー。
逃げ足の速い子だ」
「手をどけて下さい!それに彼はモニカの友人です。私の知り合いです」
がっちりと抱えられた腕をとにかく必死に引き剥がし離れる。
「彼はモニカに用があるようなので一緒に帰ります。
ごめんなさいライド様」
「そう‥。
ミリーがそう言うのなら仕方ない。
それじゃあまたね」
「い‥いんですか?‥お嬢様」
不安そうに私とライド様の顔を見比べると、シモンは躊躇いながら確認するように小さい声で私に聞く。
「ええ、行きましょう、シモン」
ライド様はどこにいても注目の的。
それなのに彼の行動はあまりにも大胆で、まるで人の目を気にしていないかのように振る舞っている。
今の私にとってはこれ以上他人の話題になるようなことはしたくない。
‥‥してはいけない。
ライド様の優しさに甘え続けて、国に戻られたばかりのライド様の評判に傷を付けるわけにはいかない。
自分に言い聞かせながらその場を後にした。
~~~~~~~~
「ダリル?」
「はい、ライド様」
「あの男、一応調べておいてくれる?
シモンと言ったかな」
「かしこまりました。すぐに手配しておきます」
「私のミリーを連れていくなんて怖いもの知らずだよね」
「左様でございますね。ですがむやみな殺生はいけませんよ」
「厳しいね、ダリル」
「ミリディ様のこととなると過激な発言が多くなりますのでお気をつけください」
「厳しいね、ダリル」
「ミリディ様が悲しむことはお控えください」
「まったく、私を困らせるのが上手いよね、ミリーは‥‥」
明るくて可愛らしいものがいい」
「かしこまりました」
「それと何着かオーダーしたい。
デザイン画を頼む」
「かしこまりました。優秀なデザイナーがおりますので今呼んで参ります」
パタパタと店の奥へ駆けていく。
「ちょっとライド様!困ります!
私、服なんていりません。
しかもオーダーなんて、こんな高いお店では足が震えます!」
「はははっ、足が震える姿を見てていいかな?」
「揶揄うのはやめてください。本当に困ります。
私何もいりません!」
‥‥お金も無いし、こんな高級店に見合う人間でもない。
私の為にライド様にお金を使わせるのも気が引ける。
「私と歩くのにそんな格好ではメイドを連れていると勘違いされるよ。
もっとミリーに似合う可愛い服を着てくれないと私が悲しいよ。
今日はデートなんだからね」
「デート⁈」
ライド様はさらりと口にする。
意味が分からないということはないだろうに、その使い方は間違っている。
デートの定義が私とライド様では違うのかもしれない‥‥
誰にでも優しく親切なライド様にとっては何てことないのかもしれない。
隣国でもきっとモテただろうし、こんな風に女性と出掛けることは日常茶飯事だっただろう。
お金に余裕もあるし。
出掛けることが全てデートだと思っているのかもしれない‥‥
でも私にとってデートと言われると刺激が強すぎる。
私にとっての定義はお互いに好意がある者同士、恋愛対象の相手とするものだと思っているから、軽々しく口にはできない。
昔から群を抜く美男子だったけれど、今は色気も加わり目が合うたびに一度息が止まる。
こんな色気だだ漏れで女性に接していたら、誰だって勘違いするかもしれないのに、婚約者の女性は心配にならないのかしら‥‥。
早く皆に公表して欲しいと言わないのかしら‥‥。
「ミリーと出掛けるのだからデートと呼ぶべきだろう?
さぁ、早く着替えないとね」
奥から店員が十着以上のドレスを運んでくる。
「こちらは新作です!」
色鮮やかなドレスがずらりと並ぶ。
「うーん、そうだな‥‥白もいいが、この水色も清楚で良い雰囲気だ。
でもやっぱりペリドットの色のドレスにしよう。
ミリーには一番似合う色だからね」
「この色はライド様の色ではないですか!
いけません!!
この色を着た私が誰かに見られたら、また何を言われるか‥‥それに婚約者の方の為にもよくありません!」
「ん?ああ‥そう。婚約者?
ミリーは分からないの?」
「‥‥」
分かるわけない。
ライド様は名前を教えてくれていないのに私が知るわけもない。
ヘンリー兄様だって知らないことなのに。
自分が言ってないことに気付いていないのかしら。
「婚約者の名前を聞きたい?」
!!
「お、教えていただいてもいいのなら‥はい」
急に鼓動が速くなる。気にはなる!誰なの‥
「あはははっ!可愛い、可愛すぎるねミリー。
悪いけど言わないよ!
可愛いからもう少し焦らさせて」
「は?」
何それと言いたくなったが、焦らさないと言えないほどの大物ということかしら。
何かモヤっとする‥‥
「デザイナーのクリスです。
ロベールトン公爵家のライド様のお仕事をさせていただけるなんて光栄です」
「ああ、頼むよ。
彼女は私の大切な人なんだ。
彼女に似合うドレスを作りたい、可愛らしいデザインにしてくれ。
肌の露出は避けて、色は白とペリドット、ポイントに青を入れようかな」
「なるほど、とても良い色合いです」
「あとは薄いピンクから裾は濃い色に、ポイントにはペリドットを入れよう」
「それも素敵ですね。ふわりと広がるドレスがお似合いになりそうです」
「うん、そうだね。彼女の柔らかな雰囲気を壊さないようにきつい色は避けてくれ」
「はい」
さらさらと私を見ながらクリスさんはデザイン画を描いていく。
「水色のドレス生地にビーズなどはいかがですか?
精密なデコレーションで美しく仕上げますが」
「それいいね」
「大まかにこんな感じはどうでしょうか?
胸元はあまり開かず袖はひらひらとした動きをもたせ、ウエストはキュッと締め下はふわりと広げて品の良さと可愛らしさを共存させて」
「うん、いいね!彼女らしい雰囲気になる」
「ありがとうございます。ではこのようなデザインで進めさせていただきますので」
「ああ、仕上がったら連絡を頼むよ」
「かしこまりました」
二人のやり取りがあまりにも流れるようで口を挟める隙がない。
クリスさんは「では早速!」と見るからに興奮気味にデザイン画を握りしめ踊るように去って行った‥‥。
「‥‥ライド様、私いらないと申しましたよね?」
「気にしなくていいよ。ほら、私はお金があるからね」
「そういうことではなくて‥‥」
こんなに優しくしてもらっても困るだけ。
私がライド様にお返しできるものなどない。
一方的にしてもらうばかりでは心苦しいばかりだ。
それに婚約者のいるライド様をこれ以上好きになるのは辛いもの‥‥。
これ以上側にいて私に欲が出てきてしまったらもっと苦しいし、傷つける人を増やしてしまう。
妹なんて都合の良い立場を利用して、いつまでも甘えているわけにはいかない。
もし私が婚約者の立場だったら、いくら恋愛感情のない相手だと言われても許せないだろう。
二人で食事や買い物、ドレスまで買っていると思えば嫉妬で責め立てるかもしれない。
相手の女性に怒鳴り込まれても何も言い返せない。
「ミリー?早く着替えておいで」
「いえ、いいです」
「私に可愛い姿を見せてくれないの?
ミリーに似合うと思うよ」
私の指を持ち上げ美しい顔に当てると、その頬を滑らせるようにすりすりとまるで恋人が甘えているかのような自然な動きで、こっちはどうしていいか分からない‥‥。
指から伝わる体温が心を乱す。
戸惑って何と言えばいいか言葉に詰まる。
「まぁ!ライド様がおられるわ!」
「本当だわ、まぁお会いできるなんて」
「こんなところでお会いできるなんて嬉しいわ」
店に入ってきた令嬢の声にはっとしてすぐに手を引く。
あっという間に三人のご令嬢にライド様は囲まれ、私は急いで離れる。
「私達、今日こちらの新作を見せてもらいにきたんです!
ライド様も見にこられたのですか?」
「そうだね。先程見せてもらったけど、どれも素晴らしいものだったよ」
「まぁ、どなたかに贈られるのですか?」
「ははは、どうかな?」
「あら、あちらは子爵家の?」
「ああ、ミリディ嬢と出掛けている最中でね」
「まぁ、ライド様があの?三度の破談の?」
「あまり失礼な発言は控えてもらいたいね」
「すみません、私ったら失礼を‥‥」
「女性が傷付く発言は心が痛むのでね。
分かってくれればいいよ。
そうそう、このドレスは君に似合うのではないかな?」
「え?私ですか?じゃあ私これにしますわ」
「私にも選んで下さいライド様!」
「ああそうだね、こちらはどうかな?」
「私にもライド様!」‥‥
どんどんと人が集まってくる。
彼の人気は昔から。
隣国への留学が決まった時の令嬢達の落胆ぶりは大きく、いつ戻られるのかと騒ぎになったものだ。
私はそっと店を出た。
「ミリディ様?」
突然声を掛けられて振り返る。
「シモン?」
「お一人ですか?モニカはどうしたんですか?」
「今日はちょっと‥一人なの。モニカは一緒じゃないわ」
「そんな!ミリディ様お一人では心配です。
家に戻られるならお送りしますよ。
ちょうど仕事が早く終わったんです」
「大丈夫よ」
シモンはモニカと同じ孤児院で育った友人で、歳は私の一つ上。
「いいえ、女性一人では危険ですよ。
俺は予定もないですし、送るくらいできます。馬車は向こうですが」
「いえ、いいのよ」
「さぁ、行きましょう」
シモンは歩き出してしまう。
「ひゃぁぁ!!」
突然後ろから抱きしめられ自分でも驚くような変な叫び声が出る。
「!!お嬢様」
「人の女を連れて行こうだなんて、誰かな?君は」
「ちょっとライド様」
「また勝手に私を置いていったね?ミリー。
逃げ足の速い子だ」
「手をどけて下さい!それに彼はモニカの友人です。私の知り合いです」
がっちりと抱えられた腕をとにかく必死に引き剥がし離れる。
「彼はモニカに用があるようなので一緒に帰ります。
ごめんなさいライド様」
「そう‥。
ミリーがそう言うのなら仕方ない。
それじゃあまたね」
「い‥いんですか?‥お嬢様」
不安そうに私とライド様の顔を見比べると、シモンは躊躇いながら確認するように小さい声で私に聞く。
「ええ、行きましょう、シモン」
ライド様はどこにいても注目の的。
それなのに彼の行動はあまりにも大胆で、まるで人の目を気にしていないかのように振る舞っている。
今の私にとってはこれ以上他人の話題になるようなことはしたくない。
‥‥してはいけない。
ライド様の優しさに甘え続けて、国に戻られたばかりのライド様の評判に傷を付けるわけにはいかない。
自分に言い聞かせながらその場を後にした。
~~~~~~~~
「ダリル?」
「はい、ライド様」
「あの男、一応調べておいてくれる?
シモンと言ったかな」
「かしこまりました。すぐに手配しておきます」
「私のミリーを連れていくなんて怖いもの知らずだよね」
「左様でございますね。ですがむやみな殺生はいけませんよ」
「厳しいね、ダリル」
「ミリディ様のこととなると過激な発言が多くなりますのでお気をつけください」
「厳しいね、ダリル」
「ミリディ様が悲しむことはお控えください」
「まったく、私を困らせるのが上手いよね、ミリーは‥‥」
18
あなたにおすすめの小説
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
雑草姫、選ばれし花の庭で踏まれて生きる 〜ガラスの靴は、土いじりには不向きです〜
お月見ましろ
恋愛
没落寸前の男爵家に生まれたロザリー・エヴァレットは、貧しさの中でも誇りだけは失わずに生きてきた。
雑草を食材にし、服を縫い直し、名門貴族学園を「目立たず、問題を起こさず、卒業する」――それが特待生として入学した彼女の唯一の目的だった。
だが入学初日、王子の落としたハンカチを拾ったことで、ロザリーは学園の秩序を乱す存在として「雑草令嬢」と呼ばれ、理不尽な洗礼に晒される。
泣かず、媚びず、折れずに耐える彼女を、ただ静かに支え続ける幼なじみがいた。
成金商家の息子・フィンは、「楽になる道」を決して差し出さず、それでも決して手を離さない。
さらに彼女の前に現れるのは、飄々とし、軽薄な仮面を被るノア。そして、王子として雑草を踏みつけることで秩序を守ろうとする、レオンハルト。
選ばれた者たちの庭で、場違いな雑草令嬢は、王子たちの価値観と世界を静かに揺るがしていく。
これは、ガラスの靴を履かないシンデレラ――
雑草令嬢が、自分の足で未来を選ぶ物語。
悪役を演じて婚約破棄したのに、なぜか溺愛モードの王子がついてきた!
ちゃっぴー
恋愛
公爵令嬢ミュールは、重度のシスコンである。「天使のように可愛い妹のリナこそが、王妃になるべき!」その一心で、ミュールは自ら「嫉妬に狂った悪役令嬢」を演じ、婚約者であるキース王太子に嫌われる作戦に出た。
計画は成功し、衆人環視の中で婚約破棄を言い渡されるミュール。「処罰として、王都から追放する!」との言葉に、これで妹が幸せになれるとガッツポーズをした……はずだったのだが?
連れて行かれた「追放先」は、王都から馬車でたった30分の、王家所有の超豪華別荘!?
しかも、「君がいないと仕事が手につかない」と、元婚約者のキース殿下が毎日通ってくるどころか、事実上の同棲生活がスタートしてしまう。
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
【完結】モブ令嬢としてひっそり生きたいのに、腹黒公爵に気に入られました
22時完結
恋愛
貴族の家に生まれたものの、特別な才能もなく、家の中でも空気のような存在だったセシリア。
華やかな社交界には興味もないし、政略結婚の道具にされるのも嫌。だからこそ、目立たず、慎ましく生きるのが一番——。
そう思っていたのに、なぜか冷酷無比と名高いディートハルト公爵に目をつけられてしまった!?
「……なぜ私なんですか?」
「君は実に興味深い。そんなふうにおとなしくしていると、余計に手を伸ばしたくなる」
ーーそんなこと言われても困ります!
目立たずモブとして生きたいのに、公爵様はなぜか私を執拗に追いかけてくる。
しかも、いつの間にか甘やかされ、独占欲丸出しで迫られる日々……!?
「君は俺のものだ。他の誰にも渡すつもりはない」
逃げても逃げても追いかけてくる腹黒公爵様から、私は無事にモブ人生を送れるのでしょうか……!?
悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります
立風花
恋愛
第八回 アイリス恋愛ファンタジー大賞 一次選考通過作品に入りました!
完結しました。ありがとうございます
シナリオが進む事のなくなった世界。誰も知らないゲーム後の世界が動き出す。
大崩落、王城陥落。聖女と祈り。シナリオ分岐の真実。
激動する王国で、想い合うノエルとアレックス王子。
大切な人の迷いと大きな決断を迫られる最終章!
ーあらすじー
8歳のお誕生日を前に、秘密の場所で小さな出逢いを迎えたキャロル。秘密を約束して別れた直後、頭部に怪我をしてしまう。
巡る記憶は遠い遠い過去。生まれる前の自分。
そして、知る自分がゲームの悪役令嬢であること。
戸惑いの中、最悪の結末を回避するために、今度こそ後悔なく幸せになる道を探しはじめる。
子息になった悪役令嬢の成長と繋がる絆、戸惑う恋。
侯爵子息になって、ゲームのシナリオ通りにはさせません!<序章 侯爵子息になります!編>
子息になったキャロルの前に現れる攻略対象。育つ友情、恋に揺れる気持<二章 大切な人!社交デビュー編>
学園入学でゲームの世界へ。ヒロイン登場。シナリオの変化。絆は波乱を迎える「転」章<三章 恋する学園編>
※複数投稿サイト、またはブログに同じ作品を掲載しております
【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる