余生尽きるまで愛して

猫又

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「ついたわよ」

その母の声で体に魂が戻った僕は車から降りる。着いたところは美容院だった。
服を買いに行くんじゃなかったのかと母に目線で訴えかける。

「愁.....」

呆れたように母は僕の名前を呼ぶ。

「髪の毛も肌と同じくらい大切にしなきゃならないのよ?愁の髪の毛は枝毛だらけだしケアだってしてないでしょう?ここで髪洗ってもらって毛先整えてもらいなさい。」

と言って先に進む母の後を慌てて追いかけて行った。

元々髪の毛が短いのもあったのか1時間もかからず髪の毛を整えてもらった僕はスッキリした気持ちで車に乗っていた。

母が少し遅れて車に乗ってくる。

「あら、さっきよりとても良くなったわ!見違えたじゃない!いいわね!!」

とても褒めてくれる母に僕は嬉しくなる。

「あとは~。」

と言いながらバックから何かを探すようにゴソゴソとしだした。そして、ようやくみつけたのか

「あった!」

と言って母が取りだしたのは可愛い水色のピンだった。ピンを持って僕の前髪をいじり出す。

1分も経たないうちにできたと言って鏡を取り出すと僕に渡す。

渡された鏡を見ると僕の顔がうつる。

長い髪のは全てあげられ上の方にピンで留められている。

嫌いだった自分の顔が今はそんなに嫌いだとは思わなかった。母にありがとうと伝えるといいのよと返して車を発進させた。美容院の人にたくさん可愛いともてはやされ母にも褒められた僕は気分が向上していてこれから待ってる地獄を忘れていたのだ。


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