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快楽2
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バゴォンッと部屋の中に爆音が響いた。
驚きのあまり、ヤンジッチがドアの方へと視点を移す。
「エイリア!」
ルディの叫び声と共にヤンジッチは、ベッドから引きずり下ろされ、床に倒されていた。
「ぐっ…貴様か、ジール」
「よくもまぁ、やってくれましたね。ヤンジッチ」
捕らえているジールの手に力が入り、ヤンジッチが呻き声を上げる。
「エイリア君は、大丈夫ですか?…ルディ様?」
ベッドの上で、ルディがエイリアを隠すように抱きしめているのが見えた。
「…ジール、ヤンジッチを連れていってくれ」
ルディの言葉にジールは、自分のすべき事をすぐに理解した。微かにエイリアのすすり泣く声が聞こえてきている。
「わかりました…30分ほどで戻りますからね」
床から引っ張り上げたヤンジッチを物のように引きずりながら、ジールは部屋を出た。
「エイリア…大丈夫だ、もう俺とお前しか部屋にはいない……」
ルディに抱きしめられながらエイリアは、声を押し殺して泣いていた。
そんなエイリアを安心させるようにルディが、背中を撫で続ける。
「…こ…わかっ…た……」
「すまない、一人にさせたばかりに…」
「…さっき…身体が勝手に…動いて……自分のモノじゃない…みたい…な……」
「操る能力か。アイツは、操る相手を発情させるんだ…エイリア、身体辛いだろ?」
エイリアの股間には、勃ったままのモノがビクビクと動いている。
「やだっ、怖い…触りたくないっ」
覚えてしまった恐怖にエイリアは、ルディに強くしがみつく。
「エイリア、俺も怖いか?」
「………」
「…この前のような乱暴な事は、絶対しないとエイリアに誓う。だから、俺に身を任せてほしい」
「……うん」
赤黒い瞳が近づき、唇が重なった。
初めてされたような乱暴さはなく、いたわるように優しいキスを何度も重ねてくる。
「…エイリア、目を瞑らずに…俺だけを見続けるんだ」
脈を打ち続ける股間のモノにルディが触れると、エイリアの身体がゾクゾクと反応した。
「…ん、くっ!」
上から下へと優しく扱うルディの手に、エイリアから押さえきれない卑猥な声が漏れていく。
「ひっ…んぅっ、うっ…あ、ああっ」
「エイリア…」
キスをするルディの切なげな顔にゾクリと感じ、エイリアはルディに強くしがみついた。
「ん、くぅうっ…んんっ!」
ドクドクとルディの手にあるモノから、白い液体が溢れ出した。
「あっ、はっ…」
息も絶え絶えになりながらも、エイリアは身体が少し軽くなった気がした。
「これで、少しは楽になるはずだ…ジールが来るまで、俺の腕の中にいろ」
「ん…」
グッタリと身体を預けるエイリアをルディは、ギュッと強く抱き寄せた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ちっ、ジールめ。俺と同格の力なぞ、持ちやがって」
ブツブツと独り言を喋りながら、ヤンジッチは廊下を歩いていた。
ジールの手を死ぬ気で振り切り、逃げ出してきたのだ。
「ヤンジッチ殿」
普段なら呼ばれても振り返らないヤンジッチだが、声に覚えがあるため、渋々振り返る。
「ライディア家のビュッシッ卿ですか。なんで、学院なんかに…俺に何か、ようですか?」
ジールに見つかる前にヤンジッチは、この場を去りたかった。
しかも話かけてきた相手が、ジールの父親であることは知っていた。
しかし、同じ三大貴族を蔑ろにはできないため、ヤンジッチはすぐに逃げ出すことができない。
「金色の髪の奴隷など、欲しくないですか?」
その言葉にヤンジッチは、ルディのそばにいる混血を思い出した。
「…ルディとジールが、それを許すはずがない」
「二人の方が強いから、そんなことを言うのですか?」
「何!?ビュッシッ卿!今の言葉は、聞き捨てならないっ!!俺は、あの二人より強い力を持っている!!」
ヤンジッチの言葉にジールの父親が、ニヤリと笑った。
「では、証明してほしい。ヤンジッチ殿の力で、あの混血をルディから離していただきたい。もし、それが出来たならば… ボレッチム家に口添えいたしましょう。貴方を次の当主にどうかと――」
「…その言葉、忘れるなよ。ビュッシッ卿」
すれ違い様にヤンジッチは、ジールの父親に言葉をかけ、その場を離れた。
「なり損ないなど、どうにでもできる…先ほどだって、邪魔が入らなければ愛玩道具になっていた。見ていろ、ルディ」
足早に去っていく、ヤンジッチの後ろ姿をジールの父親は、冷たい目線で見送った。
「…私の息子に勝てるわけないだろ。さて、あの小僧はちゃんと働いてくれるか…サリーニァ嬢のためにも、頑張ってくれたまえ。ヤンジッチ=ボレッチム」
驚きのあまり、ヤンジッチがドアの方へと視点を移す。
「エイリア!」
ルディの叫び声と共にヤンジッチは、ベッドから引きずり下ろされ、床に倒されていた。
「ぐっ…貴様か、ジール」
「よくもまぁ、やってくれましたね。ヤンジッチ」
捕らえているジールの手に力が入り、ヤンジッチが呻き声を上げる。
「エイリア君は、大丈夫ですか?…ルディ様?」
ベッドの上で、ルディがエイリアを隠すように抱きしめているのが見えた。
「…ジール、ヤンジッチを連れていってくれ」
ルディの言葉にジールは、自分のすべき事をすぐに理解した。微かにエイリアのすすり泣く声が聞こえてきている。
「わかりました…30分ほどで戻りますからね」
床から引っ張り上げたヤンジッチを物のように引きずりながら、ジールは部屋を出た。
「エイリア…大丈夫だ、もう俺とお前しか部屋にはいない……」
ルディに抱きしめられながらエイリアは、声を押し殺して泣いていた。
そんなエイリアを安心させるようにルディが、背中を撫で続ける。
「…こ…わかっ…た……」
「すまない、一人にさせたばかりに…」
「…さっき…身体が勝手に…動いて……自分のモノじゃない…みたい…な……」
「操る能力か。アイツは、操る相手を発情させるんだ…エイリア、身体辛いだろ?」
エイリアの股間には、勃ったままのモノがビクビクと動いている。
「やだっ、怖い…触りたくないっ」
覚えてしまった恐怖にエイリアは、ルディに強くしがみつく。
「エイリア、俺も怖いか?」
「………」
「…この前のような乱暴な事は、絶対しないとエイリアに誓う。だから、俺に身を任せてほしい」
「……うん」
赤黒い瞳が近づき、唇が重なった。
初めてされたような乱暴さはなく、いたわるように優しいキスを何度も重ねてくる。
「…エイリア、目を瞑らずに…俺だけを見続けるんだ」
脈を打ち続ける股間のモノにルディが触れると、エイリアの身体がゾクゾクと反応した。
「…ん、くっ!」
上から下へと優しく扱うルディの手に、エイリアから押さえきれない卑猥な声が漏れていく。
「ひっ…んぅっ、うっ…あ、ああっ」
「エイリア…」
キスをするルディの切なげな顔にゾクリと感じ、エイリアはルディに強くしがみついた。
「ん、くぅうっ…んんっ!」
ドクドクとルディの手にあるモノから、白い液体が溢れ出した。
「あっ、はっ…」
息も絶え絶えになりながらも、エイリアは身体が少し軽くなった気がした。
「これで、少しは楽になるはずだ…ジールが来るまで、俺の腕の中にいろ」
「ん…」
グッタリと身体を預けるエイリアをルディは、ギュッと強く抱き寄せた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ちっ、ジールめ。俺と同格の力なぞ、持ちやがって」
ブツブツと独り言を喋りながら、ヤンジッチは廊下を歩いていた。
ジールの手を死ぬ気で振り切り、逃げ出してきたのだ。
「ヤンジッチ殿」
普段なら呼ばれても振り返らないヤンジッチだが、声に覚えがあるため、渋々振り返る。
「ライディア家のビュッシッ卿ですか。なんで、学院なんかに…俺に何か、ようですか?」
ジールに見つかる前にヤンジッチは、この場を去りたかった。
しかも話かけてきた相手が、ジールの父親であることは知っていた。
しかし、同じ三大貴族を蔑ろにはできないため、ヤンジッチはすぐに逃げ出すことができない。
「金色の髪の奴隷など、欲しくないですか?」
その言葉にヤンジッチは、ルディのそばにいる混血を思い出した。
「…ルディとジールが、それを許すはずがない」
「二人の方が強いから、そんなことを言うのですか?」
「何!?ビュッシッ卿!今の言葉は、聞き捨てならないっ!!俺は、あの二人より強い力を持っている!!」
ヤンジッチの言葉にジールの父親が、ニヤリと笑った。
「では、証明してほしい。ヤンジッチ殿の力で、あの混血をルディから離していただきたい。もし、それが出来たならば… ボレッチム家に口添えいたしましょう。貴方を次の当主にどうかと――」
「…その言葉、忘れるなよ。ビュッシッ卿」
すれ違い様にヤンジッチは、ジールの父親に言葉をかけ、その場を離れた。
「なり損ないなど、どうにでもできる…先ほどだって、邪魔が入らなければ愛玩道具になっていた。見ていろ、ルディ」
足早に去っていく、ヤンジッチの後ろ姿をジールの父親は、冷たい目線で見送った。
「…私の息子に勝てるわけないだろ。さて、あの小僧はちゃんと働いてくれるか…サリーニァ嬢のためにも、頑張ってくれたまえ。ヤンジッチ=ボレッチム」
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