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第9部 倒錯のイグニス
#45 基礎訓練⑭
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話し終えると、大山は反応を確かめるように杏里の顔を覗き込んだ。
杏里は答えない。
黙って大山の視線を受け止めた。
ひどい企画だと思う。
人権も何もあったものではない。
これでは学校が集団レイプを奨励するようなものだ。
いくら私がタナトスだとはいえ、これはあまりにひどすぎるのではないだろうか。
改めて、机の上の小箱に目を向ける。
杏里はかつて、これと同じようなものを美里に装着されたことがある。
あの時は、24時間ずっとクンニされ続けているような状態で、まるで麻薬中毒にでもなった気分だった。
その際の後遺症か、杏里の陰核は以前より肥大してしまっている。
その分、たとえ極限状況に陥っても、そう簡単に他人の手で嵌められるものではないとも思う。
が、そう考えても、大して慰みにはならなかった。
リングは嫌。
あんな廃人みたいな気分は、もう二度と味わいたくない。
しかし、大山は、杏里の沈黙を逆の意味に取ったようだ。
権力者の常なのか、それとも単なる楽天家なのか、他人が自分の意見に逆らうことがあるなどとは、考えてもいないに違いない。
「君にも異論はないようだな。まあ、これならひとりずつちまちま浄化するより、ずっと手間が省けるからね。もちろん、君に有利なように、会場には色々な仕掛けを設けようと思う。覗き部屋風のアトラクションとか、大画面を使っての実況中継とか、君がそんなに苦労しなくても徐々に人数を減らしていけるように…。それで、ここからが相談なのだが、発表の時、こちらの本気度が生徒たちに伝わるように、君の画像を用意しようと思っている。だから、そのための動画を撮らせてほしいのだ。もちろん、外部には一切漏れないようにする。生徒や職員を説得するのに、これ以上のものはないと思うのだが、どうかね?」
「動画ですか?」
杏里はかすかに眉をひそめた。
こちらを見つめる大山の顔は、教育者どころか、ただの好色な中年男のそれである。
大山の肉厚の唇が、いやらしくうごめき、無意味な言葉を紡ぎ出す。
「まあ、言わなくてもわかるだろう? 学校中の人間の興味を一身に引きつけるには、生半可なものでは効果がない。一度見たら目に焼きつき、夢にまで出てくるくらいのインパクトが必要だ」
杏里は大山を睨みつけた。
嫌な予感しかしない。
「だから、それはどんな内容なんです? 教えていただかなくては、私には想像もつきません」
うすうす見当はついていたが、あえて本人の口から言わせてやろうと思った。
「そう…。例えばの話だが、こんなのはどうかね? 君がその、実際にあそこにリングを嵌めるのを実演してみせるとか…。なんなら、そのまま、自慰をしてもらってもかまわない」
そんなことだろうと思った。
杏里は気を落ち着かせるために、すうっと息を吸い込んだ。
「よくわかりました。校長先生は、やっぱり私のこと、人間とは思っていないんですね。ただの、学校の備品くらいにしか」
「その件については、すでに話したはずだが」
大山が真顔になった。
蔑むような目つきをしていた。
「ただ、学校の備品というのは、いささか言い過ぎだな。タナトスはいわば、政府から貸し与えられている貴重な財産だ。粗雑に扱う気など、毛頭ないのだよ。それだけは、肝に銘じ、いや、理解しておいてほしいものだね」
杏里は答えない。
黙って大山の視線を受け止めた。
ひどい企画だと思う。
人権も何もあったものではない。
これでは学校が集団レイプを奨励するようなものだ。
いくら私がタナトスだとはいえ、これはあまりにひどすぎるのではないだろうか。
改めて、机の上の小箱に目を向ける。
杏里はかつて、これと同じようなものを美里に装着されたことがある。
あの時は、24時間ずっとクンニされ続けているような状態で、まるで麻薬中毒にでもなった気分だった。
その際の後遺症か、杏里の陰核は以前より肥大してしまっている。
その分、たとえ極限状況に陥っても、そう簡単に他人の手で嵌められるものではないとも思う。
が、そう考えても、大して慰みにはならなかった。
リングは嫌。
あんな廃人みたいな気分は、もう二度と味わいたくない。
しかし、大山は、杏里の沈黙を逆の意味に取ったようだ。
権力者の常なのか、それとも単なる楽天家なのか、他人が自分の意見に逆らうことがあるなどとは、考えてもいないに違いない。
「君にも異論はないようだな。まあ、これならひとりずつちまちま浄化するより、ずっと手間が省けるからね。もちろん、君に有利なように、会場には色々な仕掛けを設けようと思う。覗き部屋風のアトラクションとか、大画面を使っての実況中継とか、君がそんなに苦労しなくても徐々に人数を減らしていけるように…。それで、ここからが相談なのだが、発表の時、こちらの本気度が生徒たちに伝わるように、君の画像を用意しようと思っている。だから、そのための動画を撮らせてほしいのだ。もちろん、外部には一切漏れないようにする。生徒や職員を説得するのに、これ以上のものはないと思うのだが、どうかね?」
「動画ですか?」
杏里はかすかに眉をひそめた。
こちらを見つめる大山の顔は、教育者どころか、ただの好色な中年男のそれである。
大山の肉厚の唇が、いやらしくうごめき、無意味な言葉を紡ぎ出す。
「まあ、言わなくてもわかるだろう? 学校中の人間の興味を一身に引きつけるには、生半可なものでは効果がない。一度見たら目に焼きつき、夢にまで出てくるくらいのインパクトが必要だ」
杏里は大山を睨みつけた。
嫌な予感しかしない。
「だから、それはどんな内容なんです? 教えていただかなくては、私には想像もつきません」
うすうす見当はついていたが、あえて本人の口から言わせてやろうと思った。
「そう…。例えばの話だが、こんなのはどうかね? 君がその、実際にあそこにリングを嵌めるのを実演してみせるとか…。なんなら、そのまま、自慰をしてもらってもかまわない」
そんなことだろうと思った。
杏里は気を落ち着かせるために、すうっと息を吸い込んだ。
「よくわかりました。校長先生は、やっぱり私のこと、人間とは思っていないんですね。ただの、学校の備品くらいにしか」
「その件については、すでに話したはずだが」
大山が真顔になった。
蔑むような目つきをしていた。
「ただ、学校の備品というのは、いささか言い過ぎだな。タナトスはいわば、政府から貸し与えられている貴重な財産だ。粗雑に扱う気など、毛頭ないのだよ。それだけは、肝に銘じ、いや、理解しておいてほしいものだね」
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