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第9部 倒錯のイグニス
#96 サイキック⑥
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1本は顔面を、もう1本はスカートの中を狙って伸びてきた舌を、杏里はとっさに両手でつかんでいた。
無意識の動作だったが、運動神経の鈍い杏里にしては、上出来の部類に入るといえただろう。
舌はゴムホース並みに太く、ウナギのようにぬるぬるしている。
口から舌を吐き出した女の顔は、あたかもムンクの『叫び』を実写化したような異様さだった。
顔全体が不定形にうごめき、刻一刻と目や鼻の位置が変わっていく。
はだけたブラウスからのぞく杏里の胸に、五芒星の形の痣が浮かび上がっている。
タナトスが外来種に触れた時に現れる、刻印(スティグマ)である。
罠だったのだ。
手を振りほどこうと暴れる舌を必死で押さえつけ、杏里は心の中で舌打ちをした。
あの時と同じトリックだ。
いずなが美術室に拉致監禁された時と。
それに、まんまとまたひっかかってしまうだなんて。
肩に軟らかいものがぶつかってきて、首だけ振り向かせると、重人が無様にひっくり返っていた。
「何してるの? ルナをサポートしなさいって言ったじゃない!」
こっちも尋常でない事態に陥っているだけに、つい声が荒くなった。
「無理だって。ヒュプノスの力を使うには、相手に触れなきゃなんないんだ。でも、あれじゃあ」
重人の視線が花壇のほうに向けられる。
スカートの裾と金色のポニーテールを風になびかせて、花畑の中心にルナが仁王立ちになっている。
そのほっそりしたシルエットに向かって、毛むくじゃらの獣が突進していく。
あと2メートルほどにまで接近したところで、見えない壁に衝突したかのように跳ね返された。
だが、獣人はあきらめない。
唸り声を上げながら立ち上がると、さらに勢いをつけてルナに飛びかかっていった。
ルナが首を振り、不可視の波動で怪物を薙ぎ払う。
よろめきながらも、半人半獣の化け物は、今度は倒れない。
頭上に両腕を掲げると、意外にしっかりした足取りでルナのほうへと近づいていく。
ルナの顔に焦りの色が浮かんだ。
「いいから行きなさい!」
杏里は重人を叱った。
「私のほうは大丈夫だから。このままじゃ、ルナが危ないわ。少しでもあいつの注意を逸らすのよ」
「ちぇ、杏里は人づかいが荒いんだから」
ぶつぶつ言いながら、重人が去っていく。
その時になって、杏里は初めてその感触に気づいた。
胸元が、妙に涼しい。
女が、杏里のブラウスのボタンをはずしているのだ。
スカートから引き出されたブラウスの前が開き、いつのまにか、小さなブラに押し上げられた豊乳がむき出しになってしまっている。
女の指はひどく醜い形をしていた。
すべての指の先端が醜くふくらみ、丸い吸盤になっているのだ。
それは、葉の表面に吸いつくアマカエルの指にそっくりだった。
その指が、器用にブラジャーをずらしていく。
「あ」
胸が急に軽くなったのは、ふたつの乳房がぶるんと外にこぼれ出したからだ。
女が、ゆっくりと人差し指を伸ばしてきた。
指先の吸盤が、杏里の右の乳首に吸いついた。
乳頭がジンと熱くなり、声にならぬ吐息を漏らす杏里。
もう1本の人差し指が、杏里の左の乳首を捉えた。
「あう」
全身を震えが走った。
残りの指が、乳房全体に吸いついてくる。
自由な両手を使って、女が杏里の毬のようにふくらんだ乳房を揉み始めた。
杏里の握力が緩んだ。
手をふり払って、2本の舌が伸び上がる。
獲物を前にした蛇のように鎌首をもたげ、狙いをつけると、目にも留まらぬ速さで動いた。
「うぐっ」
口の中に舌をねじこまれ、杏里は白目を剥いた。
同時にもう片方は、スカートをまくり上げ、正確にパンティの中心を探り当てている。
布のへりをめくり、中に忍び込んできた。
肉のスリットが割られるのがわかった。
二重の唇を押し分けて、秘穴に舌がもぐりこむ。
上の口と、下の口。
その両方を蛇のような舌で貫かれては、もう動けなかった。
女が乳房を揉みしだきながら、舌を出し入れし始めた。
くちゅくちゅと淫らな音が響き渡る。
あふれ出す唾液と淫汁が立てる卑猥な音だ。
「ああん…」
めくれあがったスカートの下から生白い太腿をさらけ出し、杏里は全身を震わせ、いつしかせわしく喘ぎ始めていた。
無意識の動作だったが、運動神経の鈍い杏里にしては、上出来の部類に入るといえただろう。
舌はゴムホース並みに太く、ウナギのようにぬるぬるしている。
口から舌を吐き出した女の顔は、あたかもムンクの『叫び』を実写化したような異様さだった。
顔全体が不定形にうごめき、刻一刻と目や鼻の位置が変わっていく。
はだけたブラウスからのぞく杏里の胸に、五芒星の形の痣が浮かび上がっている。
タナトスが外来種に触れた時に現れる、刻印(スティグマ)である。
罠だったのだ。
手を振りほどこうと暴れる舌を必死で押さえつけ、杏里は心の中で舌打ちをした。
あの時と同じトリックだ。
いずなが美術室に拉致監禁された時と。
それに、まんまとまたひっかかってしまうだなんて。
肩に軟らかいものがぶつかってきて、首だけ振り向かせると、重人が無様にひっくり返っていた。
「何してるの? ルナをサポートしなさいって言ったじゃない!」
こっちも尋常でない事態に陥っているだけに、つい声が荒くなった。
「無理だって。ヒュプノスの力を使うには、相手に触れなきゃなんないんだ。でも、あれじゃあ」
重人の視線が花壇のほうに向けられる。
スカートの裾と金色のポニーテールを風になびかせて、花畑の中心にルナが仁王立ちになっている。
そのほっそりしたシルエットに向かって、毛むくじゃらの獣が突進していく。
あと2メートルほどにまで接近したところで、見えない壁に衝突したかのように跳ね返された。
だが、獣人はあきらめない。
唸り声を上げながら立ち上がると、さらに勢いをつけてルナに飛びかかっていった。
ルナが首を振り、不可視の波動で怪物を薙ぎ払う。
よろめきながらも、半人半獣の化け物は、今度は倒れない。
頭上に両腕を掲げると、意外にしっかりした足取りでルナのほうへと近づいていく。
ルナの顔に焦りの色が浮かんだ。
「いいから行きなさい!」
杏里は重人を叱った。
「私のほうは大丈夫だから。このままじゃ、ルナが危ないわ。少しでもあいつの注意を逸らすのよ」
「ちぇ、杏里は人づかいが荒いんだから」
ぶつぶつ言いながら、重人が去っていく。
その時になって、杏里は初めてその感触に気づいた。
胸元が、妙に涼しい。
女が、杏里のブラウスのボタンをはずしているのだ。
スカートから引き出されたブラウスの前が開き、いつのまにか、小さなブラに押し上げられた豊乳がむき出しになってしまっている。
女の指はひどく醜い形をしていた。
すべての指の先端が醜くふくらみ、丸い吸盤になっているのだ。
それは、葉の表面に吸いつくアマカエルの指にそっくりだった。
その指が、器用にブラジャーをずらしていく。
「あ」
胸が急に軽くなったのは、ふたつの乳房がぶるんと外にこぼれ出したからだ。
女が、ゆっくりと人差し指を伸ばしてきた。
指先の吸盤が、杏里の右の乳首に吸いついた。
乳頭がジンと熱くなり、声にならぬ吐息を漏らす杏里。
もう1本の人差し指が、杏里の左の乳首を捉えた。
「あう」
全身を震えが走った。
残りの指が、乳房全体に吸いついてくる。
自由な両手を使って、女が杏里の毬のようにふくらんだ乳房を揉み始めた。
杏里の握力が緩んだ。
手をふり払って、2本の舌が伸び上がる。
獲物を前にした蛇のように鎌首をもたげ、狙いをつけると、目にも留まらぬ速さで動いた。
「うぐっ」
口の中に舌をねじこまれ、杏里は白目を剥いた。
同時にもう片方は、スカートをまくり上げ、正確にパンティの中心を探り当てている。
布のへりをめくり、中に忍び込んできた。
肉のスリットが割られるのがわかった。
二重の唇を押し分けて、秘穴に舌がもぐりこむ。
上の口と、下の口。
その両方を蛇のような舌で貫かれては、もう動けなかった。
女が乳房を揉みしだきながら、舌を出し入れし始めた。
くちゅくちゅと淫らな音が響き渡る。
あふれ出す唾液と淫汁が立てる卑猥な音だ。
「ああん…」
めくれあがったスカートの下から生白い太腿をさらけ出し、杏里は全身を震わせ、いつしかせわしく喘ぎ始めていた。
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