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第9部 倒錯のイグニス
#199 美里の影③
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自慰に夢中になるあまりに疲れて寝落ちしてしまうというのは、杏里にとって、珍しいことではない。
だが、翌朝目覚めて全裸で床に寝転がっている自分を発見すると、さすがの杏里も自己嫌悪に陥らざるをえなかった。
ひとりであそこまで乱れるなど、にわかには信じられない思いだった。
触手のせいであることは、間違いない。
触手はいったん物質化すると、杏里の体液を吸って濃縮した状態に変える。
そして消える時に、そこで精製されたエキスごと体内に取り込まれるため、杏里は自家中毒のような状態に陥ってしまうのだ。
その証拠に、一夜明けてもまだ身体の隅々が疼いていた。
乳首も陰核も、はしたないくらい勃起したままだ。
まるで、ローターを乳首と陰部に装着したまま眠ってしまったかのような、そんな興奮状態が今もまだ続いているのである。
部屋の中の湿度が異様に高く感じられるのは、杏里自身の汗と体液の匂いが充満しているからだった。
窓を開け、ウェットティッシュで淫汁の付着したベッドの柱や床を拭いた。
ごわごわになったシーツを丸めて腕に抱えると、裸のまま風呂場に行き、洗濯機の中に放り込む。
ついでに湯船にお湯を張り、シャワーで身体の汚れを入念に落とした後、中に首まで浸かってほっと息をつく。
浴室の一方の壁は鏡になっていて、そこに杏里の肩から上が映っている。
あんまり眺めているとまた変な気分になってくるので、努めて見ないようにした。
ふと思いついて股間をまさぐると、指先が固いリングにあたった。
イベント用のクリトリスリングは、依然として杏里の陰核の根元にはまり込んだままだった。
早く取りたいところだが、ここまで陰核が肥大してしまっては、おいそれと外せるものではない。
イベントを勝ち抜くにはそのほうが都合がいいのだが、だからといってこんなものをいつまでもつけていては、そのうち身体に害が及ぶに決まっている。
そんなことを考えながらしばらく弄っていると、陰核の芯から快感がこみあげてきて、頭の中がぼうっとなってきた。
あわてて湯から上がり、ふかふかのバスタオルで濡れた身体を拭き、新しい下着と服に着替えた。
イベントに備えて臨時の休みをもらったため、きょうは私服でいい。
杏里が選んだのは、もっくんの店で買ったパンティと、襟元とスカートの裾に青いストライプの入った白のテニスルックの上下である。
別にテニスをする趣味も予定もないが、自分をセクシーに見せるための衣装なら、大抵のものがそろっている。
透けて見えてしまうから、ブラはしない。
同じ透けるなら、乳輪や乳首が見えたほうが、色々効果があるからだ。
身支度を整えて茶の間に顔を出すと、小田切が胡坐をかき、渋面で朝刊を読んでいた。
「なんだ、ゆうべのアレは? 発作でも起こしたかと思ったぞ」
「ちょっと私、最近さかりがついてるの」
すました顔で言い、冷蔵庫から牛乳パックを出した。
「まったくおまえときたら、まるで発情期の雌猫だな」
「そんなふうに私を創ったのは誰? あなたたち人間じゃない」
ぷんとふくれて皿の上のトーストを取り、耳の部分にかじりつく。
「それにその格好はなんだ? おまえ、レスリング部じゃなかったのか?」
「きょうは学校はお休み。私だけの休暇なの。明日からの学園祭に備えてね」
小田切には、イベントのあらましは話してある。
そこで、全校一斉浄化のために、自分が主役を演じることも。
というより、委員会のつてで、杏里が話す前から小田切もある程度のことは知っているようだった。
原種薔薇保存委員会と教育委員会、そして校長の大山とがつながっているせいである。
「それで、きょうはどうするんだ? その格好で家でごろごろするつもりか?」
張り出したノーブラの胸と、太腿の付け根まであらわなスコートに不躾な視線を投げて、小田切が言う。
「まさか。きょう一日は色々と忙しいの。あちこち行かなきゃなんないし。そこでさ、ひとつお願いがあるんだけど」
杏里は小田切の仏頂面を上目遣いに見つめて、甘えるような口調で言った。
「新しい自転車、買っていい? スポーツタイプの、スピードの出るやつ。ママチャリはもう、うんざりなの」
「はあ?」
小田切の眼が、眼鏡の奥で丸くなる。
「おまえまさか、その格好でサイクリング車に乗るつもりじゃないだろうな?」
だが、翌朝目覚めて全裸で床に寝転がっている自分を発見すると、さすがの杏里も自己嫌悪に陥らざるをえなかった。
ひとりであそこまで乱れるなど、にわかには信じられない思いだった。
触手のせいであることは、間違いない。
触手はいったん物質化すると、杏里の体液を吸って濃縮した状態に変える。
そして消える時に、そこで精製されたエキスごと体内に取り込まれるため、杏里は自家中毒のような状態に陥ってしまうのだ。
その証拠に、一夜明けてもまだ身体の隅々が疼いていた。
乳首も陰核も、はしたないくらい勃起したままだ。
まるで、ローターを乳首と陰部に装着したまま眠ってしまったかのような、そんな興奮状態が今もまだ続いているのである。
部屋の中の湿度が異様に高く感じられるのは、杏里自身の汗と体液の匂いが充満しているからだった。
窓を開け、ウェットティッシュで淫汁の付着したベッドの柱や床を拭いた。
ごわごわになったシーツを丸めて腕に抱えると、裸のまま風呂場に行き、洗濯機の中に放り込む。
ついでに湯船にお湯を張り、シャワーで身体の汚れを入念に落とした後、中に首まで浸かってほっと息をつく。
浴室の一方の壁は鏡になっていて、そこに杏里の肩から上が映っている。
あんまり眺めているとまた変な気分になってくるので、努めて見ないようにした。
ふと思いついて股間をまさぐると、指先が固いリングにあたった。
イベント用のクリトリスリングは、依然として杏里の陰核の根元にはまり込んだままだった。
早く取りたいところだが、ここまで陰核が肥大してしまっては、おいそれと外せるものではない。
イベントを勝ち抜くにはそのほうが都合がいいのだが、だからといってこんなものをいつまでもつけていては、そのうち身体に害が及ぶに決まっている。
そんなことを考えながらしばらく弄っていると、陰核の芯から快感がこみあげてきて、頭の中がぼうっとなってきた。
あわてて湯から上がり、ふかふかのバスタオルで濡れた身体を拭き、新しい下着と服に着替えた。
イベントに備えて臨時の休みをもらったため、きょうは私服でいい。
杏里が選んだのは、もっくんの店で買ったパンティと、襟元とスカートの裾に青いストライプの入った白のテニスルックの上下である。
別にテニスをする趣味も予定もないが、自分をセクシーに見せるための衣装なら、大抵のものがそろっている。
透けて見えてしまうから、ブラはしない。
同じ透けるなら、乳輪や乳首が見えたほうが、色々効果があるからだ。
身支度を整えて茶の間に顔を出すと、小田切が胡坐をかき、渋面で朝刊を読んでいた。
「なんだ、ゆうべのアレは? 発作でも起こしたかと思ったぞ」
「ちょっと私、最近さかりがついてるの」
すました顔で言い、冷蔵庫から牛乳パックを出した。
「まったくおまえときたら、まるで発情期の雌猫だな」
「そんなふうに私を創ったのは誰? あなたたち人間じゃない」
ぷんとふくれて皿の上のトーストを取り、耳の部分にかじりつく。
「それにその格好はなんだ? おまえ、レスリング部じゃなかったのか?」
「きょうは学校はお休み。私だけの休暇なの。明日からの学園祭に備えてね」
小田切には、イベントのあらましは話してある。
そこで、全校一斉浄化のために、自分が主役を演じることも。
というより、委員会のつてで、杏里が話す前から小田切もある程度のことは知っているようだった。
原種薔薇保存委員会と教育委員会、そして校長の大山とがつながっているせいである。
「それで、きょうはどうするんだ? その格好で家でごろごろするつもりか?」
張り出したノーブラの胸と、太腿の付け根まであらわなスコートに不躾な視線を投げて、小田切が言う。
「まさか。きょう一日は色々と忙しいの。あちこち行かなきゃなんないし。そこでさ、ひとつお願いがあるんだけど」
杏里は小田切の仏頂面を上目遣いに見つめて、甘えるような口調で言った。
「新しい自転車、買っていい? スポーツタイプの、スピードの出るやつ。ママチャリはもう、うんざりなの」
「はあ?」
小田切の眼が、眼鏡の奥で丸くなる。
「おまえまさか、その格好でサイクリング車に乗るつもりじゃないだろうな?」
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