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第9部 倒錯のイグニス
#330 ラストステージ⑤
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気がつくと、杏里はバスケットボールのゴールポストに、逆さまに吊るされていた。
脚を90度近く開いた姿勢のまま、ロープでそれぞれ足首を拘束されているのだ。
ボンテージ風のコスチュームの穴から突き出した大きな乳房は顎に触れんばかりに垂れ下がり、あられもなく開いた股の部分のスリットからは、酷使されて充血した性器が剥き出しになっている。
逆さになった視界に映るのは、一面の白いマットの海だ。
体育館の床に、隙間なくマットが敷き詰められているのである。
バスケットボールのゴールポストから吊るされるというのは、杏里にとってこれが初めての経験ではない。
これまでも何度か、同様の目に遭ったことがあるのだ。
ただ、今までのケースと異なるのは、四肢の関節を外されていることだった。
持ち前の治癒能力で、折れた首の骨はすでに修復済みである。
だが、外れた関節が元に戻るには、まだかなり時間がかかりそうなのだ。
「さあ、笹原君、ここが正念場だよ」
杏里の背後、舞台のほうから大山の声が聞こえてくる。
「君にとってのゴールは、ここに残った30名を、いかに片づけるかということだ。その不自由なポジションでね。もちろん、その前にリングを盗られたら、君の負けになる」
「負けたら、どうなるんですか?」
声のほうに首をねじり、逆さ吊りという不自然な姿勢のまま、杏里は大山に負けじと声を張り上げた。
ふみに殴られた部位も、すでに治癒は完了している。
だから、疲れ切ってはいるが、まだ声を出せないほどではない。
「詳しくは知らないが、委員会の本部に送り返されると聞いている。メンテナンスの必要あり、ということでね」
杏里はため息をついた。
またあの独房に逆戻りというわけなのか。
あるいは今度こそ、サイコジェニーに洗脳され、従順な操り人形にされてしまうのだろうか。
「ただ、それも生き残ることができれば、なのだがね。なんせここには君を殺したくてならない者もいるようだ」
大山のクックと笑う声をマイクが拾った。
私を殺したくてならない者…?
ふみだ。
要は、ここでふみとも決着をつけなければ、私の明日はないということなのだろう。
「では、始めようか」
大山が宣言した。
「最後の挑戦者の諸君、好きなようにやりたまえ。道具の使用も認める。君たちもうすうす気づいているように、笹原君は見かけよりずっとタフだ。どんな仕打ちを受けても、大事に至ることはない。だから、思う存分やるがいい。そして、リングを奪った者は、壇上に上がって私にその証拠を見せてくれ」
脚を90度近く開いた姿勢のまま、ロープでそれぞれ足首を拘束されているのだ。
ボンテージ風のコスチュームの穴から突き出した大きな乳房は顎に触れんばかりに垂れ下がり、あられもなく開いた股の部分のスリットからは、酷使されて充血した性器が剥き出しになっている。
逆さになった視界に映るのは、一面の白いマットの海だ。
体育館の床に、隙間なくマットが敷き詰められているのである。
バスケットボールのゴールポストから吊るされるというのは、杏里にとってこれが初めての経験ではない。
これまでも何度か、同様の目に遭ったことがあるのだ。
ただ、今までのケースと異なるのは、四肢の関節を外されていることだった。
持ち前の治癒能力で、折れた首の骨はすでに修復済みである。
だが、外れた関節が元に戻るには、まだかなり時間がかかりそうなのだ。
「さあ、笹原君、ここが正念場だよ」
杏里の背後、舞台のほうから大山の声が聞こえてくる。
「君にとってのゴールは、ここに残った30名を、いかに片づけるかということだ。その不自由なポジションでね。もちろん、その前にリングを盗られたら、君の負けになる」
「負けたら、どうなるんですか?」
声のほうに首をねじり、逆さ吊りという不自然な姿勢のまま、杏里は大山に負けじと声を張り上げた。
ふみに殴られた部位も、すでに治癒は完了している。
だから、疲れ切ってはいるが、まだ声を出せないほどではない。
「詳しくは知らないが、委員会の本部に送り返されると聞いている。メンテナンスの必要あり、ということでね」
杏里はため息をついた。
またあの独房に逆戻りというわけなのか。
あるいは今度こそ、サイコジェニーに洗脳され、従順な操り人形にされてしまうのだろうか。
「ただ、それも生き残ることができれば、なのだがね。なんせここには君を殺したくてならない者もいるようだ」
大山のクックと笑う声をマイクが拾った。
私を殺したくてならない者…?
ふみだ。
要は、ここでふみとも決着をつけなければ、私の明日はないということなのだろう。
「では、始めようか」
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